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ふるさとの花2
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ふるさとの花2
八月二十一日。
昨日は八時半でみんな集まっているので昨日より早めに出る。教室の時計は八時十五分。それでも半分くらいの生徒が来てきた。よく考えた普段からこの時間に登校しているしラジオ体操とかで早く起きているはずなので楽勝なのかもしれない。これ以上早くすると自分の首を絞めるからやらないけど。小学生の宿題は順調に進んでいた。しっかりやればすぐ終わるんだよ、毎日やったら早く終わるんだから来年は真っ先に終わらせなさいと言う。本当はそれもよくないけど。
授業ではないので自由にしゃべっていいようにすると、自然と面倒見のいい生徒がグループを作って教え始めた。年の近いグループのなかで教えあうことはとてもいいことだ。ふと暇になってしまい、持ってきた本を読み始める。
「先生?」
百花の声で本を閉じる。これを教えて下さいと言われて見せられたのは数学。積分か。見覚えのある問題だから解ける・・・???解けない。しばらくやってないとここまで出来ないものか。むむむと粘っていると突然ほっぺにつんつんという感触。びっくりして女の子みたいな声を出してしまう。うぐぐ。ほっぺをつついたのは百花。にこにこしている彼女と目が合う。何か恥ずかしくなり目をそらす。そしてなんとかその問題を解ききった。
十時を過ぎて小学生はボールを持って外へ飛び出す。中学生も一人一人減っていき、村山と百花の二人が残った。何故か競い合っているような雰囲気をかんじて、そして村山が先に去ったら百花がしきりに話しかけてくる。
「ねぇ先生」
「先生って言われると何か恥ずかしいな」
僕は大学で先生になるための勉強をしているけど今顔なじみからそういわれるのは何か恥ずかしい。
「竜ちゃん」
「今、竜ちゃんって呼ばれるのもなぁ、竜也って呼んでよ」
「ずーっと昔から竜ちゃんだよ」
「そうか?竜也って呼んでなかったか?」
「そうかなぁ、それよりもうすぐお祭りだよ!今年のお祭りは行くの?」
「行くよ、百花は受験だけど行くのか?」
「行くよー」
「ふーん、まあ大丈夫か少しくらい」
昼食がまだだったので俺も百花も家に帰った。
回想 92.3
夕方、日は既に山の向こうに降りて薄い明るさを残している。学校前では多かった乗客も二人だけになって山道にかかる。無口な運転者は今日も黙々と仕事をこなしていた。
「あした卒業だね」
「そうだねぇ、三年って短いね、あっという間だよ」
「そうなんだ」
「百花だってあと一年しか無いんだよ」
「そうだね、もう半分きったんだもんね」
バスは山道にエンジンの音を響かせる。高校生の生活を十分満喫できただろうか。生まれ変わりでもしないかぎり二度と体験できない生活を。
つづきます。
八月二十一日。
昨日は八時半でみんな集まっているので昨日より早めに出る。教室の時計は八時十五分。それでも半分くらいの生徒が来てきた。よく考えた普段からこの時間に登校しているしラジオ体操とかで早く起きているはずなので楽勝なのかもしれない。これ以上早くすると自分の首を絞めるからやらないけど。小学生の宿題は順調に進んでいた。しっかりやればすぐ終わるんだよ、毎日やったら早く終わるんだから来年は真っ先に終わらせなさいと言う。本当はそれもよくないけど。
授業ではないので自由にしゃべっていいようにすると、自然と面倒見のいい生徒がグループを作って教え始めた。年の近いグループのなかで教えあうことはとてもいいことだ。ふと暇になってしまい、持ってきた本を読み始める。
「先生?」
百花の声で本を閉じる。これを教えて下さいと言われて見せられたのは数学。積分か。見覚えのある問題だから解ける・・・???解けない。しばらくやってないとここまで出来ないものか。むむむと粘っていると突然ほっぺにつんつんという感触。びっくりして女の子みたいな声を出してしまう。うぐぐ。ほっぺをつついたのは百花。にこにこしている彼女と目が合う。何か恥ずかしくなり目をそらす。そしてなんとかその問題を解ききった。
十時を過ぎて小学生はボールを持って外へ飛び出す。中学生も一人一人減っていき、村山と百花の二人が残った。何故か競い合っているような雰囲気をかんじて、そして村山が先に去ったら百花がしきりに話しかけてくる。
「ねぇ先生」
「先生って言われると何か恥ずかしいな」
僕は大学で先生になるための勉強をしているけど今顔なじみからそういわれるのは何か恥ずかしい。
「竜ちゃん」
「今、竜ちゃんって呼ばれるのもなぁ、竜也って呼んでよ」
「ずーっと昔から竜ちゃんだよ」
「そうか?竜也って呼んでなかったか?」
「そうかなぁ、それよりもうすぐお祭りだよ!今年のお祭りは行くの?」
「行くよ、百花は受験だけど行くのか?」
「行くよー」
「ふーん、まあ大丈夫か少しくらい」
昼食がまだだったので俺も百花も家に帰った。
回想 92.3
夕方、日は既に山の向こうに降りて薄い明るさを残している。学校前では多かった乗客も二人だけになって山道にかかる。無口な運転者は今日も黙々と仕事をこなしていた。
「あした卒業だね」
「そうだねぇ、三年って短いね、あっという間だよ」
「そうなんだ」
「百花だってあと一年しか無いんだよ」
「そうだね、もう半分きったんだもんね」
バスは山道にエンジンの音を響かせる。高校生の生活を十分満喫できただろうか。生まれ変わりでもしないかぎり二度と体験できない生活を。
つづきます。
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