ふるさとの花

湯殿たもと

文字の大きさ
3 / 6

ふるさとの花3

しおりを挟む
ふるさとの花3


八月二十二日。今日は暑そうだ。むしむしした空気が漂っている。

今日から部活の顧問の先生が復活したらしく中学生の半分近くが消えていた。残りの半分はもともと午前にない卓球部あたりか。小学生と残った中学生はしっかりやっていて、宿題の進み方や勉強の捗り方を見て安心している中でひとりぼんやりとしている学生が。

「どうした百花」

「あさってかぁ」

「お祭り?楽しみにしてるんだね」

「楽しみ・・・・・・かなぁ」

「なんだあまり楽しみじゃないんだ、確かに受験だし迷うよね」

「うん・・・・・・」

「いや、別に行っても大丈夫だと思うけど」

百花は勉強がまったく手につかなかったので隣の教室へ。僕もついていく。百花おねーちゃん!ずるーい!みたいな声が上がるがスルー。となりの教室では百花は少し考えてから突然言葉を発した。

「竜ちゃんの事が好きなんだ」

・・・・・・?・・・・・・、・・・・・・。・・・・・・え?告白?

「だから三日だけ一緒にいて欲しいんだ・・・・・・あっ嫌ならいいよ?」

僕の心に正直に答える。素直に。

「三日だけじゃなくてずっと一緒にいようよ」

百花は笑顔で頷いた。くふふーっと笑顔がこぼれて変な声を出して僕の顔を見つめる。それからいろいろな話をして過ごした。

十時をまわって教室に戻ると黒板に相合傘がかかれていた。小学生は既に帰ってしまったあとで二人の中学生が残って勉強していた。中学生が黒板と見比べているので消そうと急いだが百花が残しておこうというのでそのままにしておいた。

その日の夜から祭りの準備が始まった。百花が子供たちの世話をしているという。年上の人に交ざって作業を行う。慣れていないとはいえ僕が一番若いのでたくさんの仕事をした。明日の夜と明後日の夕方にも準備をしておしてお祭りとなる。


回想 88.5

さて放課後。部活の時間だ。自分は卓球部なので体育館へ。教えるのは顧問の先生・・・・・・ではなく近所のおじいさん。体育を教えられる教員がひとりしかいないのでバレー部だけ先生。しかもその二つしか部活がない。たった四人の部活で全員がゆっくり練習をする。

「おー古口上達してきたな、どうだいっちょ対戦しないか?」

「よろしくお願いします」

他の学校の部活は上級生が下級生を虐げているというがこの学校はそんなのない。三年生はひとりしかいないから虐げようがないのかもしれないけど。

部活が終わると疲れがどっと出るがそこまででもない。勉強する気持ちが出るかは別だけども。汗を冷やすように夕暮れを歩いていく。新しくついた信号機でしばらく待っていると後ろから百花が。少し話してまた明日ね、と別れていく。


つづきます。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

幼馴染

ざっく
恋愛
私にはすごくよくできた幼馴染がいる。格好良くて優しくて。だけど、彼らはもう一人の幼馴染の女の子に夢中なのだ。私だって、もう彼らの世話をさせられるのはうんざりした。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです

こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。 まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。 幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。 「子供が欲しいの」 「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」 それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。

婚約者の幼馴染?それが何か?

仏白目
恋愛
タバサは学園で婚約者のリカルドと食堂で昼食をとっていた 「あ〜、リカルドここにいたの?もう、待っててっていったのにぃ〜」 目の前にいる私の事はガン無視である 「マリサ・・・これからはタバサと昼食は一緒にとるから、君は遠慮してくれないか?」 リカルドにそう言われたマリサは 「酷いわ!リカルド!私達あんなに愛し合っていたのに、私を捨てるの?」 ん?愛し合っていた?今聞き捨てならない言葉が・・・ 「マリサ!誤解を招くような言い方はやめてくれ!僕たちは幼馴染ってだけだろう?」 「そんな!リカルド酷い!」 マリサはテーブルに突っ伏してワアワア泣き出した、およそ貴族令嬢とは思えない姿を晒している  この騒ぎ自体 とんだ恥晒しだわ タバサは席を立ち 冷めた目でリカルドを見ると、「この事は父に相談します、お先に失礼しますわ」 「まってくれタバサ!誤解なんだ」 リカルドを置いて、タバサは席を立った

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

幼馴染を溺愛する旦那様の前からは、もう消えてあげることにします

睡蓮
恋愛
「旦那様、もう幼馴染だけを愛されればいいじゃありませんか。私はいらない存在らしいので、静かにいなくなってあげます」

処理中です...