14 / 30
第一章
14.躍進と降下【追放側視点あり】
しおりを挟む
落ちこぼれの躍進は、たちまち冒険者の間で広まっていった。
一人では何もできない。
誰かとパーティーを組んでも足を引っ張るだけ。
そう思われていた男が今、次々に功績をあげてきる。
「聞いたか? 例の落ちこぼれ、ダンジョン攻略したんだってよ」
「知ってるよ。報酬を換金してもらってるとき見てたからな。ありゃーえらい額になってたぞ」
「ギルドのお偉いさんたちも大慌てだったんだろ?」
「ああ。ギルドマスターが直々に挨拶にきてた。相当なビップ待遇だぜ」
見下しあざ笑っている相手の急成長。
しかし彼らの中には不思議と悔しさは芽生えていなかった。
むしろワクワクしている者たちも大勢いる。
「次は何しでかすんだろうな」
「そういや美人がまた一人増えてたぜ」
「お、そうなのか? あのデカいだけの大男を転がした姉ちゃん以外にか?」
「ああ、タイプは違うが相当な美人だった」
「かーいいね~ モテる男は羨ましいよ~」
彼らがラストに抱く感情は、ひとえに期待。
次に彼らが何を成し遂げるか。
気になって仕方がないという子供のような好奇心を抱く。
それは、彼らがラストと深い関係ではなかったからだろう。
手のひら返しは調子のいいことだが、彼らはラストの敵でも仲間でもない。
しいて表すなら、観客だ。
キャストの活躍に湧き上がり、次の話を期待する客だ。
だが、そうでない者たちもいる。
「それに引き換え、魔導パーティーのほうはてんで駄目だって話だろ?」
「らしいな。この間もワイバーン討伐に失敗したんだって」
「その後に受けたクエストも悉く失敗したんだろ? 偉そうな態度して恥ずかしい奴らだ」
「おいおい聞こえるぞ」
「別にいいだろ? 事実なんだからな」
ラストを追放したドイルたちは苦しい日々を送っていた。
ワイバーン討伐の失敗に続いて、すでに四つのクエストを受注し失敗している。
難易度は徐々に下げていたが、それでも達成できない。
有名だったが故に、彼らの衰退も広まるのは早かった。
「……なんでだ? どうしてこうなった?」
「「「……」」」
無言だが、全員がすでに理解していた。
なぜなら理由は明らかだった。
今と、これまでの違いはただ一つ。
ラストの存在があるか、ないか。
「あいつのせいだっていうのか? 俺たちが勝ててたのはあいつが……いや、そんはなずない。あいつは役立たずなんだ」
「でもよぉ。聞いただろ? 最近のあいつの活躍」
口を開いたのはリーグだった。
続けてアスタルも。
「新しい仲間を得てダンジョン攻略。ギルドも好待遇らしい」
「ダンジョン報酬のおかげで貴族並みの資金の持ってるって話も聞いたわ」
サレナは悔しさで唇をかみしめる。
そのまま続けて言う。
「認めたくないけど、あいつが抜けた後からこうなった。だから……」
「そんなわけあるか!」
「だったらどう説明するのよ! 魔剣も魔法も全然使えない! あいつがいたから……」
「くそっ……」
いくら否定しても、現実が押し寄せる。
彼の魔力供給に頼り切っていたことが、こうして露見した。
もはや疑いようはなかった。
そして、この状況を打開する方法は一つしかない。
「あいつを……呼び戻す?」
自分で口にしたドイルだったが、認められず歯ぎしりをする。
それしかないとわかっていても、プライドが許さない。
一度無能だと追い出した相手に頼ることは、彼にとって屈辱でしかなかった。
だが、このまま放置しても衰退する一方。
それも理解しているが故に、彼は決断を迫られる。
◇◇◇
「よいしょっと」
俺は汗をぬぐう。
「ラスト様ー! こっちの棚って一階でいいんですか?」
「うん。適当に空いてる壁につけて置いてほしい」
「マスター! こっちの箱はー?」
「それは二階だね。こっち持ってきてもらえる?」
俺たちは今、新居のお引越しと大掃除中だ。
ダンジョン攻略で得たお金は、貴族もビックリな大金だった。
俺みたいな庶民には一生かけても使いきれないような大金に腰が抜けそうになったよ。
さっそく何に使おうかと考えて、出した答えが家を買うことだった。
「さすがにあの宿屋で三人は狭いからなぁ」
「オレは別によかったけど? マスターとくっついて寝るの温かくて気持ちいんだよね~」
「あははは……それは光栄だけどさ」
さすがにずっとくっついていられると、色々大変だ。
俺の理性が壊れそうになる。
ということもあって、俺はお世話になった宿屋を出て、街のはずれにある一軒家を購入した。
ちょうど前まで住んでいた方が引っ越して、家具もそのまま残っていたから有難い。
「でもさ~ どうせならもっと豪華な屋敷でも建てればよかったじゃん。そんくらいの金はあったんだろ?」
「まぁね。けど、あんまり大きな家は落ち着かないし、このくらいの広さがちょうどいい」
木造二階建て。
部屋はリビングやキッチンを覗いて三つ。
一番大きな部屋をアルファたち三姉妹の寝室に、小さい部屋を俺の寝室に。
残りの二部屋は彼女たちが自由に使うための部屋にする予定だ。
決して広い家じゃないけど、俺にはちょうどよかった。
「狭くなったら建て替えるか、また引っ越せばいいよ。その時に考えよう」
「私もそれに賛成です」
「はーい。んじゃさっさと片付け終わらせようぜ~」
二人はせっせと働く。
ここが俺たちの新しい家……。
実はちょっとワクワクしていた。
自分の家を持つなんて、俺には無理だと思っていたから。
彼女たちと出会ってからというもの……諦めていたことが次々に叶っていく。
「感謝しかないな」
本当に。
出会えてよかったと。
一人では何もできない。
誰かとパーティーを組んでも足を引っ張るだけ。
そう思われていた男が今、次々に功績をあげてきる。
「聞いたか? 例の落ちこぼれ、ダンジョン攻略したんだってよ」
「知ってるよ。報酬を換金してもらってるとき見てたからな。ありゃーえらい額になってたぞ」
「ギルドのお偉いさんたちも大慌てだったんだろ?」
「ああ。ギルドマスターが直々に挨拶にきてた。相当なビップ待遇だぜ」
見下しあざ笑っている相手の急成長。
しかし彼らの中には不思議と悔しさは芽生えていなかった。
むしろワクワクしている者たちも大勢いる。
「次は何しでかすんだろうな」
「そういや美人がまた一人増えてたぜ」
「お、そうなのか? あのデカいだけの大男を転がした姉ちゃん以外にか?」
「ああ、タイプは違うが相当な美人だった」
「かーいいね~ モテる男は羨ましいよ~」
彼らがラストに抱く感情は、ひとえに期待。
次に彼らが何を成し遂げるか。
気になって仕方がないという子供のような好奇心を抱く。
それは、彼らがラストと深い関係ではなかったからだろう。
手のひら返しは調子のいいことだが、彼らはラストの敵でも仲間でもない。
しいて表すなら、観客だ。
キャストの活躍に湧き上がり、次の話を期待する客だ。
だが、そうでない者たちもいる。
「それに引き換え、魔導パーティーのほうはてんで駄目だって話だろ?」
「らしいな。この間もワイバーン討伐に失敗したんだって」
「その後に受けたクエストも悉く失敗したんだろ? 偉そうな態度して恥ずかしい奴らだ」
「おいおい聞こえるぞ」
「別にいいだろ? 事実なんだからな」
ラストを追放したドイルたちは苦しい日々を送っていた。
ワイバーン討伐の失敗に続いて、すでに四つのクエストを受注し失敗している。
難易度は徐々に下げていたが、それでも達成できない。
有名だったが故に、彼らの衰退も広まるのは早かった。
「……なんでだ? どうしてこうなった?」
「「「……」」」
無言だが、全員がすでに理解していた。
なぜなら理由は明らかだった。
今と、これまでの違いはただ一つ。
ラストの存在があるか、ないか。
「あいつのせいだっていうのか? 俺たちが勝ててたのはあいつが……いや、そんはなずない。あいつは役立たずなんだ」
「でもよぉ。聞いただろ? 最近のあいつの活躍」
口を開いたのはリーグだった。
続けてアスタルも。
「新しい仲間を得てダンジョン攻略。ギルドも好待遇らしい」
「ダンジョン報酬のおかげで貴族並みの資金の持ってるって話も聞いたわ」
サレナは悔しさで唇をかみしめる。
そのまま続けて言う。
「認めたくないけど、あいつが抜けた後からこうなった。だから……」
「そんなわけあるか!」
「だったらどう説明するのよ! 魔剣も魔法も全然使えない! あいつがいたから……」
「くそっ……」
いくら否定しても、現実が押し寄せる。
彼の魔力供給に頼り切っていたことが、こうして露見した。
もはや疑いようはなかった。
そして、この状況を打開する方法は一つしかない。
「あいつを……呼び戻す?」
自分で口にしたドイルだったが、認められず歯ぎしりをする。
それしかないとわかっていても、プライドが許さない。
一度無能だと追い出した相手に頼ることは、彼にとって屈辱でしかなかった。
だが、このまま放置しても衰退する一方。
それも理解しているが故に、彼は決断を迫られる。
◇◇◇
「よいしょっと」
俺は汗をぬぐう。
「ラスト様ー! こっちの棚って一階でいいんですか?」
「うん。適当に空いてる壁につけて置いてほしい」
「マスター! こっちの箱はー?」
「それは二階だね。こっち持ってきてもらえる?」
俺たちは今、新居のお引越しと大掃除中だ。
ダンジョン攻略で得たお金は、貴族もビックリな大金だった。
俺みたいな庶民には一生かけても使いきれないような大金に腰が抜けそうになったよ。
さっそく何に使おうかと考えて、出した答えが家を買うことだった。
「さすがにあの宿屋で三人は狭いからなぁ」
「オレは別によかったけど? マスターとくっついて寝るの温かくて気持ちいんだよね~」
「あははは……それは光栄だけどさ」
さすがにずっとくっついていられると、色々大変だ。
俺の理性が壊れそうになる。
ということもあって、俺はお世話になった宿屋を出て、街のはずれにある一軒家を購入した。
ちょうど前まで住んでいた方が引っ越して、家具もそのまま残っていたから有難い。
「でもさ~ どうせならもっと豪華な屋敷でも建てればよかったじゃん。そんくらいの金はあったんだろ?」
「まぁね。けど、あんまり大きな家は落ち着かないし、このくらいの広さがちょうどいい」
木造二階建て。
部屋はリビングやキッチンを覗いて三つ。
一番大きな部屋をアルファたち三姉妹の寝室に、小さい部屋を俺の寝室に。
残りの二部屋は彼女たちが自由に使うための部屋にする予定だ。
決して広い家じゃないけど、俺にはちょうどよかった。
「狭くなったら建て替えるか、また引っ越せばいいよ。その時に考えよう」
「私もそれに賛成です」
「はーい。んじゃさっさと片付け終わらせようぜ~」
二人はせっせと働く。
ここが俺たちの新しい家……。
実はちょっとワクワクしていた。
自分の家を持つなんて、俺には無理だと思っていたから。
彼女たちと出会ってからというもの……諦めていたことが次々に叶っていく。
「感謝しかないな」
本当に。
出会えてよかったと。
25
あなたにおすすめの小説
追放された回復術師は、なんでも『回復』できて万能でした
新緑あらた
ファンタジー
死闘の末、強敵の討伐クエストを達成した回復術師ヨシュアを待っていたのは、称賛の言葉ではなく、解雇通告だった。
「ヨシュア……てめえはクビだ」
ポーションを湯水のように使える最高位冒険者になった彼らは、今まで散々ポーションの代用品としてヨシュアを利用してきたのに、回復術師は不要だと考えて切り捨てることにしたのだ。
「ポーションの下位互換」とまで罵られて気落ちしていたヨシュアだったが、ブラックな労働をしいるあのパーティーから解放されて喜んでいる自分に気づく。
危機から救った辺境の地方領主の娘との出会いをきっかけに、彼の世界はどんどん広がっていく……。
一方、Sランク冒険者パーティーはクエストの未達成でどんどんランクを落としていく。
彼らは知らなかったのだ、ヨシュアが彼らの傷だけでなく、状態異常や武器の破損など、なんでも『回復』していたことを……。
妹が聖女に選ばれました。姉が闇魔法使いだと周囲に知られない方が良いと思って家を出たのに、何故か王子様が追いかけて来ます。
向原 行人
ファンタジー
私、アルマには二つ下の可愛い妹がいます。
幼い頃から要領の良い妹は聖女に選ばれ、王子様と婚約したので……私は遠く離れた地で、大好きな魔法の研究に専念したいと思います。
最近は異空間へ自由に物を出し入れしたり、部分的に時間を戻したり出来るようになったんです!
勿論、この魔法の効果は街の皆さんにも活用を……いえ、無限に収納出来るので、安い時に小麦を買っていただけで、先見の明とかはありませんし、怪我をされた箇所の時間を戻しただけなので、治癒魔法とは違います。
だから私は聖女ではなくて、妹が……って、どうして王子様がこの地に来ているんですかっ!?
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~
aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」
勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......?
お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
俺を凡の生産職だからと追放したS級パーティ、魔王が滅んで需要激減したけど大丈夫そ?〜誰でもダンジョン時代にクラフトスキルがバカ売れしてます~
風見 源一郎
ファンタジー
勇者が魔王を倒したことにより、強力な魔物が消滅。ダンジョン踏破の難易度が下がり、強力な武具さえあれば、誰でも魔石集めをしながら最奥のアイテムを取りに行けるようになった。かつてのS級パーティたちも護衛としての需要はあるもの、単価が高すぎて雇ってもらえず、値下げ合戦をせざるを得ない。そんな中、特殊能力や強い魔力を帯びた武具を作り出せる主人公のクラフトスキルは、誰からも求められるようになった。その後勇者がどうなったのかって? さぁ…
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。
幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』
電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。
龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。
そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。
盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。
当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。
今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。
ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。
ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ
「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」
全員の目と口が弧を描いたのが見えた。
一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。
作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌()
15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26
【完結】勇者PTから追放された空手家の俺、可愛い弟子たちと空手無双する。俺が抜けたあとの勇者たちが暴走? じゃあ、最後に俺が息の根をとめる
岡崎 剛柔
ファンタジー
「ケンシン、てめえは今日限りでクビだ! このパーティーから出て行け!」
ある日、サポーターのケンシンは勇者のキースにそう言われて勇者パーティーをクビになってしまう。
そんなケンシンをクビにした理由は魔力が0の魔抜けだったことと、パーティーに何の恩恵も与えない意味不明なスキル持ちだったこと。
そしてケンシンが戦闘をしない空手家で無能だったからという理由だった。
ケンシンは理不尽だと思いながらも、勇者パーティーになってから人格が変わってしまったメンバーのことを哀れに思い、余計な言い訳をせずに大人しく追放された。
しかし、勇者であるキースたちは知らなかった。
自分たちがSランクの冒険者となり、国王から勇者パーティーとして認定された裏には、人知れずメンバーたちのために尽力していたケンシンの努力があったことに。
それだけではなく、実は縁の下の力持ち的存在だったケンシンを強引に追放したことで、キースたち勇者パーティーはこれまで味わったことのない屈辱と挫折、そして没落どころか究極の破滅にいたる。
一方のケンシンは勇者パーティーから追放されたことで自由の身になり、国の歴史を変えるほどの戦いで真の実力を発揮することにより英雄として成り上がっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる