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20 お断りするわ
ルマが発言したことで話しやすくなったのか、夫人たちが話し始める
「悪いけど、私も離婚するわ。外での出来事ならまだしも、ゆっくりできるはずの家で、味方になってくれるはずの夫が助けてくれないのでしょう? なら、心が休まる時がないわ」
「そうね。しかも、ヒウロ伯爵は女性というだけで軽視しているようにも見えるし、たとえ大事にしてくれると言っていても、結局は我慢を強いられることになりそうね」
婦人たちの話を聞いたヒウロは、顔を真っ赤にして否定する。
「僕は大事にすると決めたら大事にします! アンジェは誤解しているようですが、本当に僕とワミーはやましい関係ではないのです! それに妹を大事にすることは悪いことではないはずです!」
「あなたは兄と妹だと思っているようですけれど、ワミーさんは違うのでしょう?」
婦人たちに目を向けられたワミーは眉尻を下げてうなずく。
「私はお兄様のことを男性として好きになってしまったんです。……もしかして、私はお兄様に弄ばれていたのかもしれません。可愛いって、好きだよって言ってくれたから、その気になってしまったんです。私、本当に馬鹿ですね」
顔を覆って泣き始めたワミーを見た婦人たちは、一斉にヒウロに冷たい目を向けた。彼は慌てて弁明する。
「ご、誤解です! 弄んでなんていません! ワミー! 可愛いとか好きなんて言葉は、兄妹が言い合ってもおかしくないはずです!」
「あなたたちは血が繋がっていないんだから、ワミーが勘違いするかもしれないということは考えなかったの?」
アンジェリカに問いかけられたヒウロは首を横に振る。
「考えるわけがない。本当に妹だと思っていたんだ。女性だとして見ていたなら、一緒にベッドに横になったりしない!」
「それはどういうこと?」
「そんなことをしたら浮気になるじゃないか!」
ヒウロは本気でワミーに恋愛感情を持っていないと思っている。だが、今まで辛い思いをしてきたアンジェリカにはそれがどうしても信じられなかった。
「ワミー、ヒウロはこう言っているけど、あなたはこの話を聞いてどう思った?」
「お兄様は純粋な私の心を弄んでいたのだとわかりました。……ううん。やっぱりそうは思えない!」
(この子、わかりやすい芝居を始めたわね)
アンジェリカは呆れながらも、始まったワミー劇場を止めるつもりはなかった。
「お兄様、本当は私のことを愛しているんでしょう? 離婚に不利になるから、私のことを愛しているなんて言えないのよね?」
「ワミー、頼むから人聞きの悪いことを言わないでくれよ! そんなんじゃない! 僕はアンジェと上手くやりたいんだよ!」
「いつだって私を優先してくれていたのよ? 誤解してしまうわ!」
「君だって、僕にはアンジェがいることはわかっていたじゃないか! 恋愛感情を持って婚約者がいる男に近づくなんておかしいだろう!」
「私を選んでくれると思っていたのよ!」
言い合いを始めた二人を見つめ、どっちもどっちかと思ったアンジェリカは、両手を叩いて二人を止める。
「喧嘩は後で二人になってからしてちょうだい。ということでヒウロ、一般的な意見はあなたと別れるそうよ。私が意地を張って離婚を言い出したなんて、もう言わないわよね?」
「……っ、アンジェ、本気なのか?」
「本気よ。私はあなたと別れて、違う所で自分の力を発揮したい」
ヒウロは唇をかみしめて俯いた。そして、意を決したように、勢いよく顔を上げる。
「アンジェ、離婚はしてもいい。ただ、条件がある」
「どんな条件?」
「今度の幸福度調査で、君が貢献しようとしている家よりも、ライキ伯爵家が上位だった場合、復縁してくれ」
「お断りするわ。幸福度調査は賭けの対象にするものじゃない。大体、どうしてそんなに私にこだわるの? あなたにとって私はワミーよりも下の存在でしょう」
「そんなことない。僕が君にこだわるのは君のことを本当に愛しているからだよ」
告白をされたというのに、アンジェリカの胸がときめくことなど一切なかった。
「悪いけど、私も離婚するわ。外での出来事ならまだしも、ゆっくりできるはずの家で、味方になってくれるはずの夫が助けてくれないのでしょう? なら、心が休まる時がないわ」
「そうね。しかも、ヒウロ伯爵は女性というだけで軽視しているようにも見えるし、たとえ大事にしてくれると言っていても、結局は我慢を強いられることになりそうね」
婦人たちの話を聞いたヒウロは、顔を真っ赤にして否定する。
「僕は大事にすると決めたら大事にします! アンジェは誤解しているようですが、本当に僕とワミーはやましい関係ではないのです! それに妹を大事にすることは悪いことではないはずです!」
「あなたは兄と妹だと思っているようですけれど、ワミーさんは違うのでしょう?」
婦人たちに目を向けられたワミーは眉尻を下げてうなずく。
「私はお兄様のことを男性として好きになってしまったんです。……もしかして、私はお兄様に弄ばれていたのかもしれません。可愛いって、好きだよって言ってくれたから、その気になってしまったんです。私、本当に馬鹿ですね」
顔を覆って泣き始めたワミーを見た婦人たちは、一斉にヒウロに冷たい目を向けた。彼は慌てて弁明する。
「ご、誤解です! 弄んでなんていません! ワミー! 可愛いとか好きなんて言葉は、兄妹が言い合ってもおかしくないはずです!」
「あなたたちは血が繋がっていないんだから、ワミーが勘違いするかもしれないということは考えなかったの?」
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「それはどういうこと?」
「そんなことをしたら浮気になるじゃないか!」
ヒウロは本気でワミーに恋愛感情を持っていないと思っている。だが、今まで辛い思いをしてきたアンジェリカにはそれがどうしても信じられなかった。
「ワミー、ヒウロはこう言っているけど、あなたはこの話を聞いてどう思った?」
「お兄様は純粋な私の心を弄んでいたのだとわかりました。……ううん。やっぱりそうは思えない!」
(この子、わかりやすい芝居を始めたわね)
アンジェリカは呆れながらも、始まったワミー劇場を止めるつもりはなかった。
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「いつだって私を優先してくれていたのよ? 誤解してしまうわ!」
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「お断りするわ。幸福度調査は賭けの対象にするものじゃない。大体、どうしてそんなに私にこだわるの? あなたにとって私はワミーよりも下の存在でしょう」
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