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第13話 挨拶する
とにかく、ノアかどうか確かめてみないといけないけど、どう確かめたらいいのかしら?
まずは挨拶だけして、少しずつ探りをいれていく事にする。
「おはよう」
「おはよう、アリス! っていうか、髪切ったの?! 雰囲気が違ったから、一瞬、アリスかどうかわからなかったよ! でも、似合ってるしすごく可愛い! あと、スカートも短くしたの?」
聞いてきた彼女のスカート丈は膝にかかるくらい。
私の方はちょうど膝上といった感じだから、彼女にしてみれば短いというのはわかるけど、そんなに短いかな?
でも、哲平にも言われたし、やっぱり短すぎた?
ちょっと不安になって周りを見てみると、ちらほら、私よりも短い子がいたので安心する。
もしかして、貴族じゃなくて平民の子かもしれないけど。
「……アリス?」
「あ! ごめん。えっと」
ところで、あなたはどちら様?
ノア、であってるのよね?
「おい、ありす」
笑顔がひきつった私に気が付いたのか、哲平が私の名を呼んで近寄ってきたあと、ノアらしき人物を見て尋ねる。
「どちら様?」
「え!? あ、私はアリスの友達の、ノア・タカナシです」
あわあわしながら軽く頭を下げるノアを見て、私と哲平は視線を交わす。
けれど、それは一瞬の間で、哲平はすぐにノアに視線を向けた。
「ああ、ありすから聞いてるよ。アリスと仲良くしてくれてるんだよな。これからもよろしくな」
哲平はとびきりの営業スマイルをノアに向けた。
ノアは一瞬だけ頬を染めたあと、説明を求める様に私と哲平の顔を交互に見つめてくる。
そりゃノアにしてみれば、誰この人、よね。
「紹介するわ。新しい婚約者で本名はイグス・イッシュバルド。でも、その名前は嫌いみたいだから、テツって呼んであげて」
「イ、イッシュバルドって…! も、もしかして、公爵家の!? て、テツ様、で良いですか?」
「様とかはいらない。呼び捨てでいいから」
「えっと、でも貴族の方…、ですよね」
ノアがまた、あわあわしはじめた時だった。
「ノア」
声がした方向に振り返ると、黒色だけどやや紺色に近い髪を持つ長身のイケメンが、ノアの腕を引っ張り、自分の後ろに回させたあと、なぜか私まで庇うように哲平との間に立って、哲平に向かって言った。
「コイツらに何か用か」
「用も何も、俺はお前が後ろに隠してくれたありすの婚約者だから、婚約者の友人に挨拶しただけだけど、何か文句あるのか?」
「ちょ、ちょっとキース! この人なんじゃない? キースが迎えに行かないといけないって言ってた人!」
「え? 嘘だろ!?」
なんとなくそうかと思ってたけど、やはり彼がキースだった。
うーん。
これはかなりのイケメンだわ。
だって、モデルとか、アイドルにいてもおかしくないくらい整った顔立ちをしている。
というか、私の好みの顔なだけかもしれないけど。
長身痩躯のモデル体型でこの顔ならさぞかしモテるのだろうな、と納得する。
ノアにブレザーを引っ張られ、キースは慌てて哲平に向かって頭を下げた。
「失礼しました。俺は」
「キースだろ? ありすから話は聞いてる。ノアが可愛いのはわかるけど、これからはもうちょっと落ち着いて対処するべきだな」
「申し訳ございませんでした」
公爵家はやっぱり権力が強いのね。
頭を下げるキースを見ながら呑気に考えていたけど、ふと、目的を思い出して、キースに後ろから声をかける。
「ねえ、キース。テツ、っていうか、イグスなんだけど、辺境伯の息子を探してて」
「ああ」
キースは振り返って私を見ると頷く。
「どこにいるのか、わかる?」
「は?」
キースが眉間にシワを寄せて聞き返してきた。
するとノアも小首をかしげて言う。
「アリス、今日何だか、おかしくない? 休み前も様子が変だったし何かあったの?」
ノアに心配されてしまった。
えっと、辺境伯の息子の話をしてるんだけど、なんで?
「辺境伯の息子って、もしかして、お前?」
「そうですけど」
哲平がキースを指差すと、彼が大きく頷いた。
そ、そうだったわ…!
アリスの日記にキースは辺境伯の息子だと書いてあった様な気がする!
覚えないといけない事が多すぎて、すっかり頭から追いやられてたわ。
しっかりしないと…!
でも、これは私に有利な状況である事に間違いない。
ノアにはアリスがいじめられていたなんて事は気付かれず、キースには復讐に協力してもらえるようにしないと。
だって、アリスは自分がいじめられている事をノアには知られたくなかったみたいだから。
まずは挨拶だけして、少しずつ探りをいれていく事にする。
「おはよう」
「おはよう、アリス! っていうか、髪切ったの?! 雰囲気が違ったから、一瞬、アリスかどうかわからなかったよ! でも、似合ってるしすごく可愛い! あと、スカートも短くしたの?」
聞いてきた彼女のスカート丈は膝にかかるくらい。
私の方はちょうど膝上といった感じだから、彼女にしてみれば短いというのはわかるけど、そんなに短いかな?
でも、哲平にも言われたし、やっぱり短すぎた?
ちょっと不安になって周りを見てみると、ちらほら、私よりも短い子がいたので安心する。
もしかして、貴族じゃなくて平民の子かもしれないけど。
「……アリス?」
「あ! ごめん。えっと」
ところで、あなたはどちら様?
ノア、であってるのよね?
「おい、ありす」
笑顔がひきつった私に気が付いたのか、哲平が私の名を呼んで近寄ってきたあと、ノアらしき人物を見て尋ねる。
「どちら様?」
「え!? あ、私はアリスの友達の、ノア・タカナシです」
あわあわしながら軽く頭を下げるノアを見て、私と哲平は視線を交わす。
けれど、それは一瞬の間で、哲平はすぐにノアに視線を向けた。
「ああ、ありすから聞いてるよ。アリスと仲良くしてくれてるんだよな。これからもよろしくな」
哲平はとびきりの営業スマイルをノアに向けた。
ノアは一瞬だけ頬を染めたあと、説明を求める様に私と哲平の顔を交互に見つめてくる。
そりゃノアにしてみれば、誰この人、よね。
「紹介するわ。新しい婚約者で本名はイグス・イッシュバルド。でも、その名前は嫌いみたいだから、テツって呼んであげて」
「イ、イッシュバルドって…! も、もしかして、公爵家の!? て、テツ様、で良いですか?」
「様とかはいらない。呼び捨てでいいから」
「えっと、でも貴族の方…、ですよね」
ノアがまた、あわあわしはじめた時だった。
「ノア」
声がした方向に振り返ると、黒色だけどやや紺色に近い髪を持つ長身のイケメンが、ノアの腕を引っ張り、自分の後ろに回させたあと、なぜか私まで庇うように哲平との間に立って、哲平に向かって言った。
「コイツらに何か用か」
「用も何も、俺はお前が後ろに隠してくれたありすの婚約者だから、婚約者の友人に挨拶しただけだけど、何か文句あるのか?」
「ちょ、ちょっとキース! この人なんじゃない? キースが迎えに行かないといけないって言ってた人!」
「え? 嘘だろ!?」
なんとなくそうかと思ってたけど、やはり彼がキースだった。
うーん。
これはかなりのイケメンだわ。
だって、モデルとか、アイドルにいてもおかしくないくらい整った顔立ちをしている。
というか、私の好みの顔なだけかもしれないけど。
長身痩躯のモデル体型でこの顔ならさぞかしモテるのだろうな、と納得する。
ノアにブレザーを引っ張られ、キースは慌てて哲平に向かって頭を下げた。
「失礼しました。俺は」
「キースだろ? ありすから話は聞いてる。ノアが可愛いのはわかるけど、これからはもうちょっと落ち着いて対処するべきだな」
「申し訳ございませんでした」
公爵家はやっぱり権力が強いのね。
頭を下げるキースを見ながら呑気に考えていたけど、ふと、目的を思い出して、キースに後ろから声をかける。
「ねえ、キース。テツ、っていうか、イグスなんだけど、辺境伯の息子を探してて」
「ああ」
キースは振り返って私を見ると頷く。
「どこにいるのか、わかる?」
「は?」
キースが眉間にシワを寄せて聞き返してきた。
するとノアも小首をかしげて言う。
「アリス、今日何だか、おかしくない? 休み前も様子が変だったし何かあったの?」
ノアに心配されてしまった。
えっと、辺境伯の息子の話をしてるんだけど、なんで?
「辺境伯の息子って、もしかして、お前?」
「そうですけど」
哲平がキースを指差すと、彼が大きく頷いた。
そ、そうだったわ…!
アリスの日記にキースは辺境伯の息子だと書いてあった様な気がする!
覚えないといけない事が多すぎて、すっかり頭から追いやられてたわ。
しっかりしないと…!
でも、これは私に有利な状況である事に間違いない。
ノアにはアリスがいじめられていたなんて事は気付かれず、キースには復讐に協力してもらえるようにしないと。
だって、アリスは自分がいじめられている事をノアには知られたくなかったみたいだから。
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