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ミランダ様と出会う
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次の日の朝、私達はリリー様を見送るため、別邸の前にいた。
「お手紙くださいね」
「リリー様も、私のことを忘れないで下さいね」
「あら、殿下の妃になられる方を忘れるわけありませんわ」
リリー様はそこまで言って、私の表情に気付き、言葉を続けた。
「もし、庶民の生活に戻られても、お友達でいて下さいね」
「ありがとうございます。リリー様」
その日、リリー様だけでなく、ユウマくんの婚約者候補のほとんどが笑顔で別邸を離れていった。
残ったのはエアリー様ふくむ、ユウヤくんの婚約者候補と、
「私はまだ諦めませんわ! ユウマ殿下が駄目なら、ユウヤ殿下がいますもの!」
こう息巻いている、元ユウマくんの婚約者候補であり、現在はユウヤくんの婚約者候補となった、ラナン公爵令嬢。
ラナン公爵令嬢は初日に、リアに足をかけようとした人物で、エアリー様と雰囲気が似ていて、性格がきつそうに見える感じの美人だ。
だが、残念なのはエアリー様と違い、見た目通り、性格もあまり良くない。
リリー様達を見送ったあと、リアは花嫁修業のため、城の方へと向かっていったので、少し心細い。
「寂しくなりましたわね」
「はい」
今まで人でいっぱいだった談話室には半分の人しかいない。
帰った人は家族や恋人に会えるから、これはこれで良い事なんだけど。
「ブレーカー様」
ラナン公爵令嬢が近づいてくるなり、汚物を見るような目つきで私に言った。
「あなた。昨日はイッシュバルド卿とご一緒していたようね。ユウヤ殿下がいらっしゃるのに、他の男性と食事に行くだなんて」
イッシュバルド卿?
食事の話をしてるから、ラス様の事を言ってるのかな?
ラナン公爵令嬢はどうやら、昨日、私達がご飯を食べに行った事を非難したいようだけど。
「あの、ラナン公爵令嬢。ユウヤ殿下も昨日はいらっしゃいましたけど?」
「は?」
「あら、ラナン公爵令嬢はご存知なかったのですね。ユウヤ殿下とラス様は昔から仲が良いんです。お二人が食事に行く際に、たまたま出会いまして、そのまま誘ってくださいましたの」
ほほほ、と笑顔を浮かべて答えると、ラナン公爵令嬢の表情が歪み、
「それならいいんですの。けれど、婚約者候補であるのですから他の殿方と出歩くのはお控えになるべきですわ!」
「助言いただきまして、ありがとうございます」
私が頭を下げると、ラナン公爵令嬢はふん、と鼻を鳴らすと、談話室のいつもの定位置に戻っていく。
「面倒な人ですわね」
「ラナン公爵令嬢は恋人とかはいらっしゃらないんでしょうか?」
「婚約者がいらっしゃいますわ。でも、ユウヤ殿下と比べたら、地位もルックスも、かなり見劣りいたしますわね。それに元々は本命がいらっしゃったの」
エアリー様はそこまで言い終わると、私に向かってにっこり微笑んで、声のトーンを小さくして言葉を続けた。
「ユーニ様が、もしかして噂のイッシュバルド卿のハートを射止めた方?」
「えっ?!」
私は必要以上に驚いて大きな声を出してしまった。
すると、エアリー様はきらきらした目で言う。
「やはり、そうなのですね?」
「ち、違いますよ!」
私は慌てて首を横に振った。
噂の人ではあるかもしれないが、ハートは射止めていない。
どちらかというと、面白がられている。
「怪しいですわ! こちらにいらっしゃって! あちらでお話しましょう」
エアリー様は居残り組で、いつもの席で座って待ってくれていたご令嬢達の方へ私を連れて行こうとした時だった。
「ちょっとあなた! 辛気臭くなるから、ここに足を踏み入れないよう忠告いたしましたわよね?!」
ラナン公爵令嬢の罵声が談話室内に響き渡った。
室内は一瞬にして静まり返り、ラナン公爵令嬢と彼女に怒鳴られた誰かに一斉に視線が集まった。
「も、申し訳ございません! イッシュバルド卿のお名前が出たのでつい!」
ラナン公爵令嬢に謝ったのは、今まで談話室で見たことのない少女だった。
年も私より若そうで、アレン王子と同じくらいかもしれない。
焦げ茶色の髪と同じ色の瞳。
ウェーブのかかったボリュームのある長い髪をそのままおろしていて、まるで人形のように可愛い。
ピンク色のリボンを基調としたドレスに身をつつんだ女の子はぷるぷる震えながら、ラナン公爵令嬢と談話室の入口付近でなんとか対峙していた。
というか、あの子、婚約者候補の中にいたかな?
資料でも見てないんだけど。
「ラナン公爵令嬢は本当は勘当されたジン様に思いをよせてらしたの。あれは逆恨みですわね」
「え、ジン様?」
私は小声でエアリー様に聞き返すが、ラナン公爵令嬢の声でかき消されてしまった。
「あなた、ユウヤ殿下の婚約者候補ですのに、イッシュバルド卿が気になるんですの? ああ、でもまあ、仕方ありませんわね」
ラナン公爵令嬢は蔑むような笑みを浮かべて言葉を続けた
「あの方があんな風になったのは、あなたのせいなのに。あの方は今ではもう落ちぶれた」
「やめて下さい!」
少女は震えながらも、ラナン公爵令嬢に立ち向かった。
「わかっています! 悪いのは私です。そう、私・・・・・」
だんだん言葉が小さくなっていき、少女の瞳から涙がこぼれる。
うん、これは良くないよね。
リアならもっと早くに食ってかかってるんだろうな、と思いながら一歩前に出ると、
「あ、あの、ラナン公爵令嬢」
恐る恐るではあるけど、2人の会話の間に割って入った。
「なんですの?」
「お2人の関係を詳しくは存じませんが、1つだけ言える事があります」
「な、何かしら」
「ユウヤ殿下はラス様の事やご家族を悪く言う方は許さないと思います」
ラナン公爵令嬢が誰の何を言おうとしてたのかわからないけど、あの感じだと良くないことだと思うし、ユウヤくんが次男をどう思っているかわからないけど、ラス様とジンさんの事を悪く言うのは許さないはず。
「そう思われないのでしたら、私から殿下にこの事をお伝えし、どう思われるかを確認いたしましょうか?」
「け、結構ですわ! 悪く言うつもりもありませんでしたし」
ラナン公爵令嬢は悔しそうに言うと、怒りの矛先を、談話室の入口で立ち尽くしたままの少女に向けた。
「あなたを見ると不愉快ですの! さっさとここから立ち去りなさい!」
「・・・・・はい」
少女はドレスを握りしめたあと、逃げるように走り去る。
「あ」
私はなんだか放っておけず追いかけようとしたけど、やっぱり足を止める。
親しくない人に追いかけられて、慰められたりしたくないよね。
「ユーニ様」
エアリー様に肩を叩かれ振り返ると、ラナン公爵令嬢以外の令嬢達が背中を押すように、次々に首を縦に振った。
やはり、ラス様が選んだだけあって、良い人ばかりが集まったんだな、と感じてしまう。
まあ、ラナン公爵令嬢は別として。
別邸の外の道は城門に続く大きな道と、城へ続く小道がある。
追いかけて外に出ると、少女は探すまでもなく、城に続く小道の途中で倒れていた。
な、なんで倒れてるの?
「だ、大丈夫ですか?」
慌てて駆け寄り抱き起こすと、涙のせいなのか、顔には土がたくさんついていて、可愛らしい顔を台無しにしていた。
「も、申し訳ありません。私」
「気にしないで下さい。ドレスで走っては危ないですよ。足にからんじゃいますから。それに靴もぬげちゃってますよ」
私は笑いながら、小道の横にある芝生に飛んでしまった靴を拾い手渡す。
「ありがとうございます」
「あの、もしかしてあなたは」
もしかしたら、ラス様の言っていた人物って。
「あ、申し遅れました」
靴を履き直し立ち上がると、彼女は名乗った。
「私、ミランダ・レイブグルと申します」
やっぱりか。
いや、まだわからない。
一応、聞いてみよう。
「ユーニ・ブレーカーと申します。あの、もしかしてレイブグル様はイッシュバルド家の三男であるジン様の」
「はい。元婚約者でございます」
ジンさん、なんでこんな可愛い子を逃しちゃったの?!
「お手紙くださいね」
「リリー様も、私のことを忘れないで下さいね」
「あら、殿下の妃になられる方を忘れるわけありませんわ」
リリー様はそこまで言って、私の表情に気付き、言葉を続けた。
「もし、庶民の生活に戻られても、お友達でいて下さいね」
「ありがとうございます。リリー様」
その日、リリー様だけでなく、ユウマくんの婚約者候補のほとんどが笑顔で別邸を離れていった。
残ったのはエアリー様ふくむ、ユウヤくんの婚約者候補と、
「私はまだ諦めませんわ! ユウマ殿下が駄目なら、ユウヤ殿下がいますもの!」
こう息巻いている、元ユウマくんの婚約者候補であり、現在はユウヤくんの婚約者候補となった、ラナン公爵令嬢。
ラナン公爵令嬢は初日に、リアに足をかけようとした人物で、エアリー様と雰囲気が似ていて、性格がきつそうに見える感じの美人だ。
だが、残念なのはエアリー様と違い、見た目通り、性格もあまり良くない。
リリー様達を見送ったあと、リアは花嫁修業のため、城の方へと向かっていったので、少し心細い。
「寂しくなりましたわね」
「はい」
今まで人でいっぱいだった談話室には半分の人しかいない。
帰った人は家族や恋人に会えるから、これはこれで良い事なんだけど。
「ブレーカー様」
ラナン公爵令嬢が近づいてくるなり、汚物を見るような目つきで私に言った。
「あなた。昨日はイッシュバルド卿とご一緒していたようね。ユウヤ殿下がいらっしゃるのに、他の男性と食事に行くだなんて」
イッシュバルド卿?
食事の話をしてるから、ラス様の事を言ってるのかな?
ラナン公爵令嬢はどうやら、昨日、私達がご飯を食べに行った事を非難したいようだけど。
「あの、ラナン公爵令嬢。ユウヤ殿下も昨日はいらっしゃいましたけど?」
「は?」
「あら、ラナン公爵令嬢はご存知なかったのですね。ユウヤ殿下とラス様は昔から仲が良いんです。お二人が食事に行く際に、たまたま出会いまして、そのまま誘ってくださいましたの」
ほほほ、と笑顔を浮かべて答えると、ラナン公爵令嬢の表情が歪み、
「それならいいんですの。けれど、婚約者候補であるのですから他の殿方と出歩くのはお控えになるべきですわ!」
「助言いただきまして、ありがとうございます」
私が頭を下げると、ラナン公爵令嬢はふん、と鼻を鳴らすと、談話室のいつもの定位置に戻っていく。
「面倒な人ですわね」
「ラナン公爵令嬢は恋人とかはいらっしゃらないんでしょうか?」
「婚約者がいらっしゃいますわ。でも、ユウヤ殿下と比べたら、地位もルックスも、かなり見劣りいたしますわね。それに元々は本命がいらっしゃったの」
エアリー様はそこまで言い終わると、私に向かってにっこり微笑んで、声のトーンを小さくして言葉を続けた。
「ユーニ様が、もしかして噂のイッシュバルド卿のハートを射止めた方?」
「えっ?!」
私は必要以上に驚いて大きな声を出してしまった。
すると、エアリー様はきらきらした目で言う。
「やはり、そうなのですね?」
「ち、違いますよ!」
私は慌てて首を横に振った。
噂の人ではあるかもしれないが、ハートは射止めていない。
どちらかというと、面白がられている。
「怪しいですわ! こちらにいらっしゃって! あちらでお話しましょう」
エアリー様は居残り組で、いつもの席で座って待ってくれていたご令嬢達の方へ私を連れて行こうとした時だった。
「ちょっとあなた! 辛気臭くなるから、ここに足を踏み入れないよう忠告いたしましたわよね?!」
ラナン公爵令嬢の罵声が談話室内に響き渡った。
室内は一瞬にして静まり返り、ラナン公爵令嬢と彼女に怒鳴られた誰かに一斉に視線が集まった。
「も、申し訳ございません! イッシュバルド卿のお名前が出たのでつい!」
ラナン公爵令嬢に謝ったのは、今まで談話室で見たことのない少女だった。
年も私より若そうで、アレン王子と同じくらいかもしれない。
焦げ茶色の髪と同じ色の瞳。
ウェーブのかかったボリュームのある長い髪をそのままおろしていて、まるで人形のように可愛い。
ピンク色のリボンを基調としたドレスに身をつつんだ女の子はぷるぷる震えながら、ラナン公爵令嬢と談話室の入口付近でなんとか対峙していた。
というか、あの子、婚約者候補の中にいたかな?
資料でも見てないんだけど。
「ラナン公爵令嬢は本当は勘当されたジン様に思いをよせてらしたの。あれは逆恨みですわね」
「え、ジン様?」
私は小声でエアリー様に聞き返すが、ラナン公爵令嬢の声でかき消されてしまった。
「あなた、ユウヤ殿下の婚約者候補ですのに、イッシュバルド卿が気になるんですの? ああ、でもまあ、仕方ありませんわね」
ラナン公爵令嬢は蔑むような笑みを浮かべて言葉を続けた
「あの方があんな風になったのは、あなたのせいなのに。あの方は今ではもう落ちぶれた」
「やめて下さい!」
少女は震えながらも、ラナン公爵令嬢に立ち向かった。
「わかっています! 悪いのは私です。そう、私・・・・・」
だんだん言葉が小さくなっていき、少女の瞳から涙がこぼれる。
うん、これは良くないよね。
リアならもっと早くに食ってかかってるんだろうな、と思いながら一歩前に出ると、
「あ、あの、ラナン公爵令嬢」
恐る恐るではあるけど、2人の会話の間に割って入った。
「なんですの?」
「お2人の関係を詳しくは存じませんが、1つだけ言える事があります」
「な、何かしら」
「ユウヤ殿下はラス様の事やご家族を悪く言う方は許さないと思います」
ラナン公爵令嬢が誰の何を言おうとしてたのかわからないけど、あの感じだと良くないことだと思うし、ユウヤくんが次男をどう思っているかわからないけど、ラス様とジンさんの事を悪く言うのは許さないはず。
「そう思われないのでしたら、私から殿下にこの事をお伝えし、どう思われるかを確認いたしましょうか?」
「け、結構ですわ! 悪く言うつもりもありませんでしたし」
ラナン公爵令嬢は悔しそうに言うと、怒りの矛先を、談話室の入口で立ち尽くしたままの少女に向けた。
「あなたを見ると不愉快ですの! さっさとここから立ち去りなさい!」
「・・・・・はい」
少女はドレスを握りしめたあと、逃げるように走り去る。
「あ」
私はなんだか放っておけず追いかけようとしたけど、やっぱり足を止める。
親しくない人に追いかけられて、慰められたりしたくないよね。
「ユーニ様」
エアリー様に肩を叩かれ振り返ると、ラナン公爵令嬢以外の令嬢達が背中を押すように、次々に首を縦に振った。
やはり、ラス様が選んだだけあって、良い人ばかりが集まったんだな、と感じてしまう。
まあ、ラナン公爵令嬢は別として。
別邸の外の道は城門に続く大きな道と、城へ続く小道がある。
追いかけて外に出ると、少女は探すまでもなく、城に続く小道の途中で倒れていた。
な、なんで倒れてるの?
「だ、大丈夫ですか?」
慌てて駆け寄り抱き起こすと、涙のせいなのか、顔には土がたくさんついていて、可愛らしい顔を台無しにしていた。
「も、申し訳ありません。私」
「気にしないで下さい。ドレスで走っては危ないですよ。足にからんじゃいますから。それに靴もぬげちゃってますよ」
私は笑いながら、小道の横にある芝生に飛んでしまった靴を拾い手渡す。
「ありがとうございます」
「あの、もしかしてあなたは」
もしかしたら、ラス様の言っていた人物って。
「あ、申し遅れました」
靴を履き直し立ち上がると、彼女は名乗った。
「私、ミランダ・レイブグルと申します」
やっぱりか。
いや、まだわからない。
一応、聞いてみよう。
「ユーニ・ブレーカーと申します。あの、もしかしてレイブグル様はイッシュバルド家の三男であるジン様の」
「はい。元婚約者でございます」
ジンさん、なんでこんな可愛い子を逃しちゃったの?!
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