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好きだけじゃ駄目な気がする
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次の日の朝、リアと一緒に別邸へ向かう道の途中でリアが顔を覗き込んできた。
「なんかユーニ、機嫌悪くない?」
「え? そんな事ないよ」
「でも、顔がなんか怒ってるし」
「ちょっと昨日、色々とあったの」
「もしかして、私のせい?」
「何で?」
私はリアを見て小首を傾げた。
怒っているとしたら、ユウヤくんに、であって、リアにではない。
ユウヤくんに関しては、昨日のことを根に持っているし、すぐに許してしまって、またあんな事をされてはたまらない!
そう、あんな事を!
思い出すだけで顔が熱くなる。
あ、そうか。
この気持ちが表に出てしまっているのかもしれない。
「ごめんね、リア。実は昨日、色々とあって」
「昨日って、私の部屋を出てから?」
「うん。待ち伏せというか、部屋で待たれてた」
「え? ユウヤくんが?」
「ユウヤくんとあなたの彼氏が」
「ユウマくんも?」
リアが驚きの声を上げる。
「そういえば、昨日、ユウマくんはリアのとこに来なかったの?」
「一応、謝りには来てくれたけど、特に何も言ってなかったから」
「リアは、伝えたの? ユウマくんに」
「あ、えと。うん。婚約者になりたい、って伝えたよ。もちろん、すぐに結婚とかは無理って伝えたけど」
「そっか。でも、婚約おめでとう」
「ありがと」
リアは照れているのか、頬をピンク色に染めながら続ける。
「私は、ユーニがどんな選択をしても、ユーニの親友だからね」
「リア?」
「もし、ユーニがユウヤくんを選ばなくても、私とはこれからもずっと親友でいてね」
リアが私に抱きついてきた。
そっか。
私がユウヤくんを選ばなければ、リアとこんな風にはいられなくなる。
「ありがと、リア。こちらこそよろしくね」
ぎゅうと抱きしめ返したあと、気になった事をリアに尋ねる。
「で、ユウマくんの様子はどうだった?」
「ん?」
「喜んでた?」
「そりゃあもう」
リアが遠い目をしながら言うので、よっぽどだったんだろう。
でも、ユウマくんも本当に嬉しかったんだろうな。
「あ、思ったんだけど、もちろんまだ、結婚はしないわよ? だけどね、考えたらさ、私とユウマくんが結婚して、ユウヤくんとユーニが結婚したら、ユーニは私の義理のお姉さんになるの。それは楽しみかなって」
「あ、そっか」
リアにそう言われて気が付いた。
そんな事を今まで考えたことなかったな。
私にはまだわからない。
この人と結婚したい、と思える気持ちがどんなものなのか。
好きだから、っていうのは、もちろん正しいと思う。
でも、私の中では踏み切るには何か足りないような気がする。
この何かがわかれば、パズルのピースを埋めるように、スッキリした気分になれるんだろうか。
こんな事を考えていた朝だったけれど、別邸に着くなり、否が応でも思考を切り替えなければいけない出来事が起きた。
そう、リアが婚約を決めたということは。
「リア様! ご婚約、おめでとうございます!」
ユウマくんの婚約者候補だったリリー様が駆け寄ってきて、リアの手を取った。
「自分の事のように嬉しいですわ。リア様とユーニ様には短い間でしたが、まるで幼い頃からの友人のような親しみを感じていましたの」
「あら、あなたは自分の婚約者の元に行けるのが嬉しいんじゃなくって?」
エアリー様が扇で口元を隠しながら優しく笑う。
「エアリー様ったら、本当に意地が悪いですわ!」
リリー様は怒るふりをしたあと、リアに向かって続けた。
「明日の朝にはこちらを出ようと思いますの。今日はいっぱいお話して下さいね。もちろん、ユーニ様も」
リリー様の幸せな笑顔を見て、嬉しい気持ちと寂しい気持ち、そして、ユウヤくんの婚約者候補である人への申し訳なさで、私の感情は無茶苦茶になってしまった。
私はその日、リアには先に帰ってもらって、1人で庭園をぶらぶらしていた。
すると、頭上から声がかかった。
声がした方向はお城の方で、顔を上げると、ラス様が窓を開けて、私を見ていた。
「ユーニさん、何してるんです、こんなとこで? 部屋なら向こうですよ」
どうやら、私が迷子になっていると思ったらしい。
そっか。
ここはラス様の執務室から見える場所なのか。
そんな事を思ったあと、私は顔を上げて答える。
「わかってますよ。散歩してるんです」
「そういえば、私の言っていた人物がわかりましたか?」
「・・・・・」
そう言われ、私は今日の事を思い出す。
ユウマくんの婚約者候補の人は明日でみんな別邸から出ていくらしい。
ユウマくんの婚約者が決まったのだから、それは当たり前だ。
だけど、ラス様の言っている人が誰だかわからない。
「ユーニさん、何かあったんですか」
ラス様は私が答える前に窓枠を乗り越えると、2階から飛び降り、私の元まで来ると窓の方を見上げて言った。
「ユウヤが私の部屋にいますよ。呼びますか? それとも、ユウヤの話ですか?」
ラス様は私に気を遣ってくれたんだろう。
だから、先に自分だけ降りてきてくれたんだ。
「ラス様ぁ。私、どうしたらいいんでしょう」
今の私の顔は本当にひどい顔をしていると思う。
急に溢れ出した涙を止められないまま続ける。
「私にとって、婚約するなんて、そんな簡単なものじゃないんです。でも、私のせいでたくさんの人に迷惑かけてる」
リリー様は別邸から出られる事を本当に幸せそうにしていた。
でも、ユウヤくんの婚約者であるエアリー様は、私が決めないと、好きな人の元へはいけないんだ。
「ユーニさん・・・・・」
ラス様があたしの名を呼び、肩に手をかけたあと叫んだ。
「ユウヤ!」
「・・・・・なんだよ」
窓から顔を出したユウヤくんが、私の姿を認めるなり、ラス様に怒りの表情を向けた。
「なんでユーニが泣いてんだ」
「お前がかかわってんだよ。というか、抱きしめるぞ」
「やめろ!」
「泣いていいですよ」
ラス様はそう言うと、私を彼の方に引き寄せた。
どうやら、涙を見せないように隠してくれてるみたいだけど、逆にびっくりして涙がひっこんでしまった。
それと同時。
「はなせ!」
ユウヤくんがラス様から私を奪い取ると、背中から抱きしめてきた。
「何があったんだよ」
「ちょっと、頭がぐちゃぐちゃで」
「ユウマ達の事か?」
「それもあるけど・・・・・・」
私は言葉を濁す。
なんか、ユウヤくんには話しづらい。
まあ、今、私の頭を悩ませている本人なのだから当たり前か。
「ユーニさん、焦らなくていいですよ」
ラス様が私の頭をなでながら続ける。
「婚約や結婚なんて、そう簡単に決めれないのは当たり前です。それはユウヤの婚約者候補も、ユウヤ自身もわかっています。ユウヤが先を急ぐのは、あなたに手を出せないという邪な理由でしょう」
「それだけじゃねぇよ」
「泣かせるまで追い込んでおいて、よくそんな事を言えますね。あなたが何年でも待つ、と言ってあげれば良い事でしょうが」
「そんな悠長なこと言って、誰かにとられたくねぇんだよ」
ユウヤくんが腕の力を強めて続ける。
「ユーニがオマエを好きになる可能性だってあるだろ」
「「は?」」
ユウヤくんの言葉に私とラス様は同時に反応した。
「わかってるよ! 子供みたいな事、言ってんのくらい! でも、不安なんだよ。全部、オレのもんにしたい。誰とも話させたくない。それを押し殺すだけで精一杯なんだよ!」
「独占欲のかたまりかよ」
ラス様があきれた表情で言った。
どうやら、ラス様は地が出たときは敬語がなくなるんだな。
というか。
ユウヤくんの発言を思い出し、顔が熱くなる。
な、なんか、凄いことを言われてたような。
「ユーニさん。ユウヤの事は気にしなくて良いです。あと、他の婚約者候補の事も。私の方から聞き取りをいれます。不満があるようでしたら、私の方で対処いたします」
ラス様はかがんで、私に視線を合わせて柔らかい笑みを浮かべる。
「あなたの人生です。人の事を考えるのはあなたの優しさでしょうが、今は自分の将来にだけ目を向けて下さい」
「ラス様」
ラス様の優しさに鼻がツンと痛くなる。
ユウヤくんが耳元で囁く。
「・・・・・ごめんな」
「私こそ」
ユウヤくんの腕を握って答えると、私の耳に口付けた。
ほんと、ここ最近はスキンシップが激しい。
嫌ではないけど。
「腹がへりましたね」
「そうだな
「ユーニさん、ユウヤと一緒に夕食を城下に食べに出る予定ですが、あなたもご一緒にいかがです?」
「あ、でも、用意してくれてるだろうから」
「帰ったらユウヤ様が食べますよ。ですよね、ユウヤ様?」
ラス様の言葉にユウヤくんが苦い表情で頷く。
「じゃ、ご一緒させて下さい!」
私はさっきまでの涙が嘘のように笑って言った。
「なんかユーニ、機嫌悪くない?」
「え? そんな事ないよ」
「でも、顔がなんか怒ってるし」
「ちょっと昨日、色々とあったの」
「もしかして、私のせい?」
「何で?」
私はリアを見て小首を傾げた。
怒っているとしたら、ユウヤくんに、であって、リアにではない。
ユウヤくんに関しては、昨日のことを根に持っているし、すぐに許してしまって、またあんな事をされてはたまらない!
そう、あんな事を!
思い出すだけで顔が熱くなる。
あ、そうか。
この気持ちが表に出てしまっているのかもしれない。
「ごめんね、リア。実は昨日、色々とあって」
「昨日って、私の部屋を出てから?」
「うん。待ち伏せというか、部屋で待たれてた」
「え? ユウヤくんが?」
「ユウヤくんとあなたの彼氏が」
「ユウマくんも?」
リアが驚きの声を上げる。
「そういえば、昨日、ユウマくんはリアのとこに来なかったの?」
「一応、謝りには来てくれたけど、特に何も言ってなかったから」
「リアは、伝えたの? ユウマくんに」
「あ、えと。うん。婚約者になりたい、って伝えたよ。もちろん、すぐに結婚とかは無理って伝えたけど」
「そっか。でも、婚約おめでとう」
「ありがと」
リアは照れているのか、頬をピンク色に染めながら続ける。
「私は、ユーニがどんな選択をしても、ユーニの親友だからね」
「リア?」
「もし、ユーニがユウヤくんを選ばなくても、私とはこれからもずっと親友でいてね」
リアが私に抱きついてきた。
そっか。
私がユウヤくんを選ばなければ、リアとこんな風にはいられなくなる。
「ありがと、リア。こちらこそよろしくね」
ぎゅうと抱きしめ返したあと、気になった事をリアに尋ねる。
「で、ユウマくんの様子はどうだった?」
「ん?」
「喜んでた?」
「そりゃあもう」
リアが遠い目をしながら言うので、よっぽどだったんだろう。
でも、ユウマくんも本当に嬉しかったんだろうな。
「あ、思ったんだけど、もちろんまだ、結婚はしないわよ? だけどね、考えたらさ、私とユウマくんが結婚して、ユウヤくんとユーニが結婚したら、ユーニは私の義理のお姉さんになるの。それは楽しみかなって」
「あ、そっか」
リアにそう言われて気が付いた。
そんな事を今まで考えたことなかったな。
私にはまだわからない。
この人と結婚したい、と思える気持ちがどんなものなのか。
好きだから、っていうのは、もちろん正しいと思う。
でも、私の中では踏み切るには何か足りないような気がする。
この何かがわかれば、パズルのピースを埋めるように、スッキリした気分になれるんだろうか。
こんな事を考えていた朝だったけれど、別邸に着くなり、否が応でも思考を切り替えなければいけない出来事が起きた。
そう、リアが婚約を決めたということは。
「リア様! ご婚約、おめでとうございます!」
ユウマくんの婚約者候補だったリリー様が駆け寄ってきて、リアの手を取った。
「自分の事のように嬉しいですわ。リア様とユーニ様には短い間でしたが、まるで幼い頃からの友人のような親しみを感じていましたの」
「あら、あなたは自分の婚約者の元に行けるのが嬉しいんじゃなくって?」
エアリー様が扇で口元を隠しながら優しく笑う。
「エアリー様ったら、本当に意地が悪いですわ!」
リリー様は怒るふりをしたあと、リアに向かって続けた。
「明日の朝にはこちらを出ようと思いますの。今日はいっぱいお話して下さいね。もちろん、ユーニ様も」
リリー様の幸せな笑顔を見て、嬉しい気持ちと寂しい気持ち、そして、ユウヤくんの婚約者候補である人への申し訳なさで、私の感情は無茶苦茶になってしまった。
私はその日、リアには先に帰ってもらって、1人で庭園をぶらぶらしていた。
すると、頭上から声がかかった。
声がした方向はお城の方で、顔を上げると、ラス様が窓を開けて、私を見ていた。
「ユーニさん、何してるんです、こんなとこで? 部屋なら向こうですよ」
どうやら、私が迷子になっていると思ったらしい。
そっか。
ここはラス様の執務室から見える場所なのか。
そんな事を思ったあと、私は顔を上げて答える。
「わかってますよ。散歩してるんです」
「そういえば、私の言っていた人物がわかりましたか?」
「・・・・・」
そう言われ、私は今日の事を思い出す。
ユウマくんの婚約者候補の人は明日でみんな別邸から出ていくらしい。
ユウマくんの婚約者が決まったのだから、それは当たり前だ。
だけど、ラス様の言っている人が誰だかわからない。
「ユーニさん、何かあったんですか」
ラス様は私が答える前に窓枠を乗り越えると、2階から飛び降り、私の元まで来ると窓の方を見上げて言った。
「ユウヤが私の部屋にいますよ。呼びますか? それとも、ユウヤの話ですか?」
ラス様は私に気を遣ってくれたんだろう。
だから、先に自分だけ降りてきてくれたんだ。
「ラス様ぁ。私、どうしたらいいんでしょう」
今の私の顔は本当にひどい顔をしていると思う。
急に溢れ出した涙を止められないまま続ける。
「私にとって、婚約するなんて、そんな簡単なものじゃないんです。でも、私のせいでたくさんの人に迷惑かけてる」
リリー様は別邸から出られる事を本当に幸せそうにしていた。
でも、ユウヤくんの婚約者であるエアリー様は、私が決めないと、好きな人の元へはいけないんだ。
「ユーニさん・・・・・」
ラス様があたしの名を呼び、肩に手をかけたあと叫んだ。
「ユウヤ!」
「・・・・・なんだよ」
窓から顔を出したユウヤくんが、私の姿を認めるなり、ラス様に怒りの表情を向けた。
「なんでユーニが泣いてんだ」
「お前がかかわってんだよ。というか、抱きしめるぞ」
「やめろ!」
「泣いていいですよ」
ラス様はそう言うと、私を彼の方に引き寄せた。
どうやら、涙を見せないように隠してくれてるみたいだけど、逆にびっくりして涙がひっこんでしまった。
それと同時。
「はなせ!」
ユウヤくんがラス様から私を奪い取ると、背中から抱きしめてきた。
「何があったんだよ」
「ちょっと、頭がぐちゃぐちゃで」
「ユウマ達の事か?」
「それもあるけど・・・・・・」
私は言葉を濁す。
なんか、ユウヤくんには話しづらい。
まあ、今、私の頭を悩ませている本人なのだから当たり前か。
「ユーニさん、焦らなくていいですよ」
ラス様が私の頭をなでながら続ける。
「婚約や結婚なんて、そう簡単に決めれないのは当たり前です。それはユウヤの婚約者候補も、ユウヤ自身もわかっています。ユウヤが先を急ぐのは、あなたに手を出せないという邪な理由でしょう」
「それだけじゃねぇよ」
「泣かせるまで追い込んでおいて、よくそんな事を言えますね。あなたが何年でも待つ、と言ってあげれば良い事でしょうが」
「そんな悠長なこと言って、誰かにとられたくねぇんだよ」
ユウヤくんが腕の力を強めて続ける。
「ユーニがオマエを好きになる可能性だってあるだろ」
「「は?」」
ユウヤくんの言葉に私とラス様は同時に反応した。
「わかってるよ! 子供みたいな事、言ってんのくらい! でも、不安なんだよ。全部、オレのもんにしたい。誰とも話させたくない。それを押し殺すだけで精一杯なんだよ!」
「独占欲のかたまりかよ」
ラス様があきれた表情で言った。
どうやら、ラス様は地が出たときは敬語がなくなるんだな。
というか。
ユウヤくんの発言を思い出し、顔が熱くなる。
な、なんか、凄いことを言われてたような。
「ユーニさん。ユウヤの事は気にしなくて良いです。あと、他の婚約者候補の事も。私の方から聞き取りをいれます。不満があるようでしたら、私の方で対処いたします」
ラス様はかがんで、私に視線を合わせて柔らかい笑みを浮かべる。
「あなたの人生です。人の事を考えるのはあなたの優しさでしょうが、今は自分の将来にだけ目を向けて下さい」
「ラス様」
ラス様の優しさに鼻がツンと痛くなる。
ユウヤくんが耳元で囁く。
「・・・・・ごめんな」
「私こそ」
ユウヤくんの腕を握って答えると、私の耳に口付けた。
ほんと、ここ最近はスキンシップが激しい。
嫌ではないけど。
「腹がへりましたね」
「そうだな
「ユーニさん、ユウヤと一緒に夕食を城下に食べに出る予定ですが、あなたもご一緒にいかがです?」
「あ、でも、用意してくれてるだろうから」
「帰ったらユウヤ様が食べますよ。ですよね、ユウヤ様?」
ラス様の言葉にユウヤくんが苦い表情で頷く。
「じゃ、ご一緒させて下さい!」
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