【完結】捨てられた私が幸せになるまで

風見ゆうみ

文字の大きさ
28 / 28

最終話 捨てられた私が…

しおりを挟む
 レイブンが家に帰ってきたのは、夜遅くで、その日はレイブンと顔を合わせる事が出来なかった。

 そして、次の日、朝食を食べ終えた後、今日は休みだというレイブンに、昨日の出来事を話してもらった。

 フォーウッド様は人質になっている間、留置場で男性の人から酷い扱いを受けたらしく、精神が壊れてしまったらしかった。
 私の名前を聞くと、スイッチが入った様に攻撃的になったそうで、このままの状態で釈放すると、また私に手を出そうとしかねないという事で、レイブンがフォーウッド様の身柄をどう扱うか考えていたみたい。

 するとそんな時に、留置場でレティシア様に出会い、レティシア様が私より優れているところを見せるときかなかった為、レイブンは、フォーウッド様の私に対する仕打ちが耐えられるかどうか確認してみたらしい。

 精神が壊れてしまったフォーウッド様だったけれど、私の名前には反応し、レティシア様を私と思い込んで、恐ろしい言葉を口走ったらしいけれど、大変な事になる前に、騎士に止めさせたらしい。
 もちろん、その時のフォーウッド様は手枷や足枷をされていたから、レティシア様に手を出せない状況ではあったみたいだけれど、レイブンは見ているだけでも狂気にやられそうな気分になったらしい。

 その後、フォーウッド様は精神的な病を持つ人達ばかり集められる病院に入れられ、暴れる時は檻に入れられているらしい。
 ただ、精神を落ち着かせる薬が効いているせいで、ここ最近は、正常に戻る事も増えた分、過去を思い出し、絶叫したりと苦しい思いをしている様だった。

 そして、それはレティシア様も同じで、フォーウッド様がよほど恐ろしかったらしく、精神的なショックで、今は寝たきりになってしまっているとの事だった。
 
 そして、そんな子供達を見て、母親であるヘーベル元公爵夫人のメーナ様も寝込んでしまっているそうだ。
 メーナ様は、子供をとても可愛がっていたから、そうなるのもおかしくない。

 後味が良いとは思えないけれど、レティシア様もメーナ様も少しは傷付けられた人の痛みをわかってくれたら良いなと思う。
 



 ある日、レイブンとアメリアに誘われて、北に出かける事になり、なぜか、北の宿屋に泊まる事になった。

「転移魔法で帰れんのに、何で、わざわざ宿屋を使うんだよ。俺、繊細だから、枕変わると寝られねぇんだけど」
「じゃあ、転移魔法で枕だけ取って戻って来い」
「それ意味あんの!?」
「それが嫌なら、お前だけ帰れ。絶対に後悔すると思うけどな。あと、俺はレティアとアメリアと一緒に食事したりしとくから」
「兄貴としてそれは許せん。レイブンがアメリアと食事をする事も許せねぇ」
「面倒くさい奴だな。アメリアと食事は、仕事の関係で、もうすでに何回か食事した事はあるけどな」
「何だって!? 俺なんか一度もないのにぃ!?」

 文句ばかり言うノースに、アメリアが言う。

「この宿屋に意味があるんです。大人しくチェックインの手続きをして下さい」
「そういう事だよ。レティアも頼めるか?」

 アメリアの言葉にレイブンが頷き、なぜか、私とノースにチェックインの手続きをすすめてくる。
 
 二人共、何か意味ありげで、ちょっと気になってしまったけど、ノースと一緒に受付に歩いていくと、レイブンが言う。

「あ、二部屋とってあるから。ノース、お前は本名を書けよ」
「何でだよ?」
「いいから」
「何か胡散臭くねぇ?」

 ノースが私に聞いてくるので、苦笑して頷く。

「気にはなるけど、何か意味があるんじゃないの?」

 宿屋の受付には、快活そうな中年の細身の女性がいて、私達に宿帳に名前を記入するようにと、ペンと宿帳をカウンターの上に滑らせた。
 
 レイブンに言われた様に、ノースは本名を書き、私もクロウリー姓で記入してから、宿帳を女将さんの方に返すと、目を通した女将さんが、ぽかんと口を開けて、私達二人を見た。

「あんた達、兄妹かい!?」
「そうっす」

 ノースが頷くと、女将さんは聞いてくる。

「住んでるのは南!? 年は!? 両親は!?」
「え? 何で、そんな話を…」
「いいから、早く!」
「あー。俺が21で、こいつは18になるっす。両親とは生き別れて、それからわからないっす」
「ちょっと、あんた! 二人を呼んできて!」

 宿屋の女将さんは、他のお客さんを応対している旦那さんらしき人に向かって叫んだ。
 一瞬、旦那さんは困惑していたけれど、素早く、対応を終わらせて、奥へと入っていく。

 意味がわからなくて、ノースと顔を見合わせた後、離れたところで待ってくれているレイブンとアメリアの方を振り返ると、二人共、優しい笑みを浮かべているだけで、こちらの様子が気になっている感じではなかった。

 しばらくすると、先程の旦那さんが、中年の男性と女性を連れてきた。

 その瞬間、ノースが呟いた。

「…嘘だろ…」

 二人もノースと私を見て泣き出しそうな顔になった。

「ほら、この二人、あんた達が探していた娘さんと息子さんと同じ名前で、年も同じだよ! 両親とも生き別れたって! あんた達が探してた子達じゃないのかい!?」

 女将さんに言われ、中年の二人を見ると、私と目があった女性は、目から大粒の涙を流して、私達の名を呼んだ。

「レティア、ティアズ…」
 
 その声に聞き覚えがあった。
 そして、言われてみれば、二人共、だいぶ年をとってしまった様に見えるけれど、昔の面影が残っていた。

「お母さんと…、お父さん?」

 呟いたと同時、お父さんとお母さんは、カウンターの奥から出てくると、私達の前にやって来て、お母さんは私とノースを抱きしめてきた。

「良かった…。二人共…、本当に良かった…」
「二人共、守ってやれなくて、本当に悪かった…」

 そう言って、背の高いお父さんは、お母さんと一緒に私達を囲む様に、私達の後ろにまわり、私とノースの頭を何度も何度も優しく撫でてくれた後、抱きしめてくれた。
 私の目からは、涙が溢れるだけで、何も言葉に出来なかった。

 それは、ノースも一緒で、肩を震わせて、下を向いて泣いていた。

 私達、兄妹は両親の腕の中で、他の人に迷惑になる事も忘れて、その場で泣き続けた。


 
 しばらくして、泣き終えた私達家族と、レイブンとアメリアは、私とアメリアの客室で、話をする事になった。

 アメリアとレイブンは外で待ってると言ってくれたのだけど、一緒に中に入ってもらった。

 私達家族四人はベッドに横に並んで座り、レイブンとアメリアは扉付近で立ってくれている。

 お父さんとお母さんはノースを逃した後に、もう逃げ切れないと諦め、心中するか迷っていたところを、この宿屋の女将さん達に見つかって止められて、事情を知った女将さん達が匿ってくれると言ってくれたんだそう。

 お父さんとお母さんは、せめてもの礼にと、裏方で働く様になったらしい。

 女将さんは、この宿屋には南に住む人が多く泊まるから、お兄ちゃんも、もしかしたらこの宿に現れるかもしれないと思ったんだそう。

 だけど、肝心の本人は。

「俺、転移魔法が使えるから、宿屋なんて必要なかったんだよなぁ」

 なんて笑っている。

 まあ、それはそうかもしれないけど、もし、宿屋に泊まっていたら、もっと早くに両親が生きている事を知れたのかしら。

 でも、それを言い出したら、人生って、もし、が多いのよね。

 そんな事を思っていると、一緒に部屋に入ってもらったレイブンとアメリアを見て、お母さんが言う。

「もしかして、こちらの方達って…」

 お母さんの言葉を聞いて、レイブンがびしっと背筋を伸ばして言う。

「レティアさんとお付き合いさせていただいてます。レイブン・ニーソンです。あの、娘さんとは結婚を考えさせてもらっていて」
「ええ!? 本当に!? お父さん! どうしましょ! 一度に嬉しいニュースが!」
「せ、せっかく会えたのに、レティアと一緒に過ごす時間が…。いや、あ、でも、君がレティアを助けてくれたんだろう? 本当にありがとう。レティアをよろしく頼みます」

 バシバシとお父さんを叩くお母さんの手を優しく握ってから、お父さんはレイブンに頭を下げた。

「いえ、そのこちらこそ!」

 レイブンが焦った様子で、お父さん達に向かって、もう一度頭を下げた。

 レイブンのこんな様子を見るのは珍しいので、つい笑みがこぼれてしまう。
 それを見た、お母さんが私に言う。

「詳しい話はまたゆっくり聞かせてね。それから、こちらのお嬢さんは?」

 お母さんが期待に満ちた目で私に聞いてきたけれど、ノース、いや、お兄ちゃんが答える。

「俺の彼女になる予定の」
「ティアズさんの同僚で、レティア様とは友人のアメリアです。お二人には、いつもお世話になっております」
「同僚ってことは、彼女になる予定は否定されて」
「彼女になる予定はありません」

 アメリアにきっぱりと言われて、涙腺が弱まっているのか、お兄ちゃんが泣きそうになる。

「そんなぁ! でも、俺、諦めないから!」
「レイブン様。職場にストーカーがいるんですが」
「悪い。後でシメとくわ」
「お願いします」
「お前ら、ほんと、そういうとこ仲良いよな!? レイブンがアメリアに興味ないのはわかってるけど、妬くぞ!?」
「信頼関係のある上司と部下であり、仲間だよ」
「その通りです」

 レイブンの言葉にアメリアが頷く。

「何だかよくわからないけど、素敵な恋人と友達が出来たのね」
「うん!」

 隣に座っていた、お母さんが私の手を握って微笑んだ。

 もし、こうしてたら、もし、こうなってたら。
 思う事はいっぱいあるけれど、後悔ばかりしても意味がない。

 今までは人に導いてもらった明るい未来だったけれど、これからは、自分でつかんでいかなくちゃ。


 私の幸せな日々はこれからだ。

 
 





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ここからはあとがきになります。

今回、ざまぁについて、ご意見くださった方、本当にありがとうございました。
ご意見を参考にしたつもりですが、期待外れでしたら申し訳ございません。

本当はレイブンがプロポーズして終わる、というラストを考えていたんですが、どうせ結婚するのはわかっているし、感想で、レティアの両親の事を気にしてくださった方も多く、話的に良いラストはこちらかな、と思い、ラストは家族ネタで締めさせてもらいました。

両親は、本当は殺されてた、にしようか、最初は迷っていたんです。
ですが、心優しい方が多く、両親が生きていますように、というご意見を何人かの方にいただき、考えがひっくり返りました。
読者様の意見にあわせて書くっていうのは、私は基本しないので、攻撃的な意見や、話の展開が気に食わない的な意見があると、すぐに感想を閉じるようにしているんですが、今回は、開けておいて良かったぁ、と自分でも思うものになりました。
お気持ちを伝えてくださった方、感想などは書いていないけれど両親の無事を願っていてくださった方、本当にありがとうございました。


こちらの完結と共に新作の投稿を開始します。
タイトルは「妹に邪魔される人生は終わりにします」になります。

ご興味ありましたら、足を運んでいただけますと幸せです。

最後に、本作品をお読みいただき、お気に入り登録、しおり、エール、感想をありがとうございました!

また、別作品でお会いできましたら光栄です。
しおりを挟む
感想 25

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(25件)

maokun
2024.05.08 maokun

ラストまでハラハラ、ドキドキしてしまいました。楽しく読ませていただきました
出来ればレイブン様とレティア嬢の結婚式&ラブラブ新婚生活が見たかったです❤️

2024.05.09 風見ゆうみ

maokun様

楽しく読んでいただけたとのことで嬉しいです!

かなり、前のお話なので書き直すことがありましたら、その時に書き足しますね✨

最後までお読みいただきありがとうございました✨

解除
sarumaro
2023.05.19 sarumaro

面白かったー

2023.05.19 風見ゆうみ

sarumaro様

他の作品も読んでくださっていた方でしょうか(*^^*)

嬉しいお言葉をありがとうございます✨
お読みいただき、ありがとうございました。

解除
まゆ
2023.03.15 まゆ
ネタバレ含む
2023.03.15 風見ゆうみ

まゆ様

ノースの件ですが、一応、あの頃は8歳ですから、私としては、8歳の子に苦痛ばかり背負わせるのもなあ、と思いまして…。
リアルで誘拐とかもそうですが、目をはなすからだとか、両親を責めたりする人もいますが、誘拐する奴が悪いと思うんです。
ノースは十分に苦しんで、心の拠り所がアメリアだったのです…。
考え方の違いかな? とは思いますので、まゆ様の感想を聞かせていただき、ありがとうございます✨

昔の文章は、どうせ読んでくれる人はいないと思って、好きな様に書いてました(;・∀・)
最近になりまして、読者様のお声も聞ける様になったのと、小説を書きまくったのもあり、今の状態になっています。
上手くなっていると言っていただけて嬉しいです!

感想をいただき、ありがとうございました!

解除

あなたにおすすめの小説

一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました

しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、 「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。 ――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。 試験会場を間違え、隣の建物で行われていた 特級厨師試験に合格してしまったのだ。 気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの “超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。 一方、学院首席で一級魔法使いとなった ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに―― 「なんで料理で一番になってるのよ!?  あの女、魔法より料理の方が強くない!?」 すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、 天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。 そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、 少しずつ距離を縮めていく。 魔法で国を守る最強魔術師。 料理で国を救う特級厨師。 ――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、 ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。 すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚! 笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

【完結】真の聖女だった私は死にました。あなたたちのせいですよ?

恋愛
聖女として国のために尽くしてきたフローラ。 しかしその力を妬むカリアによって聖女の座を奪われ、顔に傷をつけられたあげく、さらには聖女を騙った罪で追放、彼女を称えていたはずの王太子からは婚約破棄を突きつけられてしまう。 追放が正式に決まった日、絶望した彼女はふたりの目の前で死ぬことを選んだ。 フローラの亡骸は水葬されるが、奇跡的に一命を取り留めていた彼女は船に乗っていた他国の騎士団長に拾われる。 ラピスと名乗った青年はフローラを気に入って自分の屋敷に居候させる。 記憶喪失と顔の傷を抱えながらも前向きに生きるフローラを周りは愛し、やがてその愛情に応えるように彼女のほんとうの力が目覚めて……。 一方、真の聖女がいなくなった国は滅びへと向かっていた── ※小説家になろうにも投稿しています いいねやエール嬉しいです!ありがとうございます!

【完結】以上をもちまして、終了とさせていただきます

楽歩
恋愛
異世界から王宮に現れたという“女神の使徒”サラ。公爵令嬢のルシアーナの婚約者である王太子は、簡単に心奪われた。 伝承に語られる“女神の使徒”は時代ごとに現れ、国に奇跡をもたらす存在と言われている。婚約解消を告げる王、口々にルシアーナの処遇を言い合う重臣。 そんな混乱の中、ルシアーナは冷静に状況を見据えていた。 「王妃教育には、国の内部機密が含まれている。君がそれを知ったまま他家に嫁ぐことは……困難だ。女神アウレリア様を祀る神殿にて、王家の監視のもと、一生を女神に仕えて過ごすことになる」 神殿に閉じ込められて一生を過ごす? 冗談じゃないわ。 「お話はもうよろしいかしら?」 王族や重臣たち、誰もが自分の思惑通りに動くと考えている中で、ルシアーナは静かに、己の存在感を突きつける。 ※39話、約9万字で完結予定です。最後までお付き合いいただけると嬉しいですm(__)m

とある令嬢の優雅な別れ方 〜婚約破棄されたので、笑顔で地獄へお送りいたします〜

入多麗夜
恋愛
【完結まで執筆済!】 社交界を賑わせた婚約披露の茶会。 令嬢セリーヌ・リュミエールは、婚約者から突きつけられる。 「真実の愛を見つけたんだ」 それは、信じた誠実も、築いてきた未来も踏みにじる裏切りだった。だが、彼女は微笑んだ。 愛よりも冷たく、そして美しく。 笑顔で地獄へお送りいたします――

〈完結〉伯爵令嬢リンシアは勝手に幸せになることにした

ごろごろみかん。
恋愛
前世の記憶を取り戻した伯爵令嬢のリンシア。 自分の婚約者は、最近現れた聖女様につききっきりである。 そんなある日、彼女は見てしまう。 婚約者に詰め寄る聖女の姿を。 「いつになったら婚約破棄するの!?」 「もうすぐだよ。リンシアの有責で婚約は破棄される」 なんと、リンシアは聖女への嫌がらせ(やってない)で婚約破棄されるらしい。 それを目撃したリンシアは、決意する。 「婚約破棄される前に、こちらから破棄してしてさしあげるわ」 もう泣いていた過去の自分はいない。 前世の記憶を取り戻したリンシアは強い。吹っ切れた彼女は、魔法道具を作ったり、文官を目指したりと、勝手に幸せになることにした。 ☆ご心配なく、婚約者様。の修正版です。詳しくは近況ボードをご確認くださいm(_ _)m ☆10万文字前後完結予定です

【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。

猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。 復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。 やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、 勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。 過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。 魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、 四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。 輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。 けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、 やがて――“本当の自分”を見つけていく――。 そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。 ※本作の章構成:  第一章:アカデミー&聖女覚醒編  第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編  第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編 ※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位) ※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。

絶望?いえいえ、余裕です! 10年にも及ぶ婚約を解消されても化物令嬢はモフモフに夢中ですので

ハートリオ
恋愛
伯爵令嬢ステラは6才の時に隣国の公爵令息ディングに見初められて婚約し、10才から婚約者ディングの公爵邸の別邸で暮らしていた。 しかし、ステラを呼び寄せてすぐにディングは婚約を後悔し、ステラを放置する事となる。 異様な姿で異臭を放つ『化物令嬢』となったステラを嫌った為だ。 異国の公爵邸の別邸で一人放置される事となった10才の少女ステラだが。 公爵邸別邸は森の中にあり、その森には白いモフモフがいたので。 『ツン』だけど優しい白クマさんがいたので耐えられた。 更にある事件をきっかけに自分を取り戻した後は、ディングの執事カロンと共に公爵家の仕事をこなすなどして暮らして来た。 だがステラが16才、王立高等学校卒業一ヶ月前にとうとう婚約解消され、ステラは公爵邸を出て行く。 ステラを厄介払い出来たはずの公爵令息ディングはなぜかモヤモヤする。 モヤモヤの理由が分からないまま、ステラが出て行った後の公爵邸では次々と不具合が起こり始めて―― 奇跡的に出会い、優しい時を過ごして愛を育んだ一人と一頭(?)の愛の物語です。 異世界、魔法のある世界です。 色々ゆるゆるです。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。