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19 新たな願い事
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騎士隊に捕まったガンチャたちは、流星群の日も留置所にいたらしく、流星群を観ることはできなかった。
その時のガンチャたちは被疑者状態だったため、私たちの家族など、多くの人は私を殺したのは使用人だという認識のままだ。
「流星群は直に見ないと願いが叶わないから、確実に彼らの願いは叶わなかったというわけね」
「ウロイカ辺境伯たちのような、邪な考えを持った人間の願いは叶えてもらえないと思うけど、望みを断ち切るのが彼らにとっては一番の苦しみだったと思う」
「そうね。それを楽しみに何年も生きてきたはずだから」
今日のガンチャたちの様子だと、流星群で願う内容は前々から決まっていたように思える。
「彼らが最終的にどうなったかはわからないんだ。願った夜に眠りについて、次に目が覚めたら過去に戻っていたから」
「それは私の家族も同じことを言っていたわ。まだ確認していないけど、友人のルーナも同じだと思う」
実家が学園からかなり遠いため、ルーナは学生時代は寮に入っていた。私の結婚式には出席予定だったから、中止を知らせようにも彼女は出発していたので、そのまま来てもらうことにした。予定では明日に着くはずなので、詫びを入れたあとに色々と話を聞いてみようと思っている。
「婚約が破棄されて一つの心配は減ったけど、君の命が危険なことに変わりはない」
「そうね。先代のウロイカ辺境伯の件を調べ続ける限り、私はガンチャたちに命を狙われるでしょう」
「僕がやるから、君は自分の幸せを考えるようにすればいい」
「そういうわけにはいかないわ。流星群の日、毒見役の家族たちは願いをかけた気がするの」
「僕たちの時間を巻き戻したのは、その願いを叶えさせるためだと言いたいの?」
「私はそう思っているわ」
微笑んでうなずくと、アルフは自分に任せればいいと言ってくれた。でも、そういうわけにはいかない。
「アルフ、本当にありがとう。気持ちはとても嬉しいわ」
「僕が勝手にしているだけだ。こうしていることが、君にとって迷惑になっていなければいいんだが……」
「迷惑だなんて、そんなことはありえないわ。本当にアルフには感謝しているの」
「僕がしたいからしているだけだよ。君は気にしなくていい」
ここまでしてくれるなんて、アルフはもしかしたら、私に好意を持ってくれていたのかしら。今の私には恋愛をする気は起こらない。でも、自惚れじゃなければ、私がアルフの気持ちを受け入れれば、彼にとって幸せなことになるの?
いやいや、こんなことを思うことが失礼よね。
「アルフはまだ滞在できるの?」
「……うん。決着がつくまでは帰ってくるなと言われているからね。君の家にも長く厄介になっているし、近い内に」
「出ていかなくてもいいわ。あなた、お父様に滞在費用を渡しただけでなく、使用人にチップもあげているでしょう? スサウ家の使用人は女性は目の保養だと喜んでいるし、男性もチップもくれる良いお客様だと大喜びよ」
「世話になったお礼のつもりだったんだけど……」
「なら、私もいつかあなたに渡さないといけないわね」
雑談を交えながらも、私とアルフは今後の計画を練った。家に帰ったあとは、早速お父様に話をした。慰謝料についての話は改めてお父様とガンチャでしてもらうことにして、無事に婚約は破棄された。
そして、先代が盛られた毒の入手経路がわかってきた時、友人のルーナが我が家を訪ねてきた。それと同時に、ガンチャから連絡があった。
手紙にはこう書かれてあった。
『そろそろ後悔している頃か? 泣いて謝るなら再婚約してやってもいいぞ』
なんとなく嫌な予感がして、私はこの手紙を破り捨てず、証拠として残しておくことにした。
その時のガンチャたちは被疑者状態だったため、私たちの家族など、多くの人は私を殺したのは使用人だという認識のままだ。
「流星群は直に見ないと願いが叶わないから、確実に彼らの願いは叶わなかったというわけね」
「ウロイカ辺境伯たちのような、邪な考えを持った人間の願いは叶えてもらえないと思うけど、望みを断ち切るのが彼らにとっては一番の苦しみだったと思う」
「そうね。それを楽しみに何年も生きてきたはずだから」
今日のガンチャたちの様子だと、流星群で願う内容は前々から決まっていたように思える。
「彼らが最終的にどうなったかはわからないんだ。願った夜に眠りについて、次に目が覚めたら過去に戻っていたから」
「それは私の家族も同じことを言っていたわ。まだ確認していないけど、友人のルーナも同じだと思う」
実家が学園からかなり遠いため、ルーナは学生時代は寮に入っていた。私の結婚式には出席予定だったから、中止を知らせようにも彼女は出発していたので、そのまま来てもらうことにした。予定では明日に着くはずなので、詫びを入れたあとに色々と話を聞いてみようと思っている。
「婚約が破棄されて一つの心配は減ったけど、君の命が危険なことに変わりはない」
「そうね。先代のウロイカ辺境伯の件を調べ続ける限り、私はガンチャたちに命を狙われるでしょう」
「僕がやるから、君は自分の幸せを考えるようにすればいい」
「そういうわけにはいかないわ。流星群の日、毒見役の家族たちは願いをかけた気がするの」
「僕たちの時間を巻き戻したのは、その願いを叶えさせるためだと言いたいの?」
「私はそう思っているわ」
微笑んでうなずくと、アルフは自分に任せればいいと言ってくれた。でも、そういうわけにはいかない。
「アルフ、本当にありがとう。気持ちはとても嬉しいわ」
「僕が勝手にしているだけだ。こうしていることが、君にとって迷惑になっていなければいいんだが……」
「迷惑だなんて、そんなことはありえないわ。本当にアルフには感謝しているの」
「僕がしたいからしているだけだよ。君は気にしなくていい」
ここまでしてくれるなんて、アルフはもしかしたら、私に好意を持ってくれていたのかしら。今の私には恋愛をする気は起こらない。でも、自惚れじゃなければ、私がアルフの気持ちを受け入れれば、彼にとって幸せなことになるの?
いやいや、こんなことを思うことが失礼よね。
「アルフはまだ滞在できるの?」
「……うん。決着がつくまでは帰ってくるなと言われているからね。君の家にも長く厄介になっているし、近い内に」
「出ていかなくてもいいわ。あなた、お父様に滞在費用を渡しただけでなく、使用人にチップもあげているでしょう? スサウ家の使用人は女性は目の保養だと喜んでいるし、男性もチップもくれる良いお客様だと大喜びよ」
「世話になったお礼のつもりだったんだけど……」
「なら、私もいつかあなたに渡さないといけないわね」
雑談を交えながらも、私とアルフは今後の計画を練った。家に帰ったあとは、早速お父様に話をした。慰謝料についての話は改めてお父様とガンチャでしてもらうことにして、無事に婚約は破棄された。
そして、先代が盛られた毒の入手経路がわかってきた時、友人のルーナが我が家を訪ねてきた。それと同時に、ガンチャから連絡があった。
手紙にはこう書かれてあった。
『そろそろ後悔している頃か? 泣いて謝るなら再婚約してやってもいいぞ』
なんとなく嫌な予感がして、私はこの手紙を破り捨てず、証拠として残しておくことにした。
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