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20 断ち切りたい願い
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「ここだけの話だけど、あなたの元婚約者、ちょっとおかしいと思っていたのよ」
久しぶりに会う、学生時代からの親友のルーナは、元々細い目をより細くして言った。
「……ちょっと?」
「ああ……、そうね。控えめに言い過ぎたわ。かなり変だと思っていたの」
ルーナは貴族としては珍しいセミロングの長さの赤い髪を背中に流した、活発で気の強そうな美人だ。シャープな顔立ちで赤い瞳は強い意思を感じさせるようで、とても目力がある。
私の邸に訪ねてきてくれたので、客室に案内するなり、彼女はガンチャについての話を始めて、今、この状態である。
客室にはセミダブルサイズのベッドにサイドテーブル。暖炉にドレッサー。狭いけれどウォークインクローゼットに簡易の応接セットがある。ワインレッドのソファに並んで座り、話をすることになったのだが、ルーナの話は止まらない。
「だって、婚約者に自分には好きな人がいると堂々と言えるなんておかしいでしょう? そんなにその人が好きなら、婚約破棄しなさいよ、って感じ!」
「う……うん。そうだよね。冷静になったら、私もそう思う」
「目を覚ましてくれて良かったわ」
ルーナはお茶を一口飲んで、喉を潤してから続ける。
「で、ウロイカ辺境伯はどんな感じなの? レイネ様にしつこくつきまとうようになったとか? できれば、そうしてもらってキマコマ公爵に潰してもらったらいいと思うわ!」
「お父様やアルフが調べてくれたんだけど、どうやら、新しい婚約者が見つかりそうにないみたいで、私とよりを戻そうとしているみたいなの」
「はい? どういうこと?」
ルーナはまるで自分のことのように怒ってくれている。そんな彼女を見て、学生時代もこんな風にガンチャは良くないと止めてくれていたことを思い出した。
「ちょっとアリアナ、聞いてるの?」
「ごめんなさい。昔のことを思い出しちゃって。せっかくルーナが助言してくれていたのに、私は聞く耳を持たなかったわよね。それなのに、友達でいてくれてありがとう」
「男の趣味が悪いからって付き合いをなくしたりしないわよ。それに結果良ければ全て良しよ! いや、結果は良くないわね! あんな男に一度でも殺されたんだもの!」
キーッと近くにあったクッションにパンチをするルーナに宣言する。
「ありがとうルーナ。もう、男性選びに失敗するつもりはないから安心して」
「次にまたおかしな男を選びそうになったら、全力で止めるわ。というか、アルフレッド様を選びなさいよ」
「えっ?」
「まあ、その話はあとにして、それよりもよりを戻したがっているってどういうこと?」
「昨日のうちに、ガンチャにレイネ様への接近禁止命令が王家から出たの」
「王家から!」
それは嬉しそうにルーナは満面の笑みを浮かべ、手をパチパチと叩いた。
「そんなこともあって、彼が婚約を破棄したことを知って新たな婚約者になりたがっていた女性たちも一瞬にして辞退したの。でも、ガンチャはどうしても跡継ぎはほしいみたいで……」
「それであなたによりを戻そうとしているのね! なんて奴なの!」
「彼は思い込みが激しいから、未だに私が彼のことを好きだと思っているみたい」
私たちがこうして話をしている間にも、ガンチャから手紙が届いていた。受け取り拒否をしても送られてくる手紙にうんざりした私は、行動がエスカレートする前に、彼を遠ざけるため、先代の辺境伯についての事件の真相を早急に暴くことにした。
久しぶりに会う、学生時代からの親友のルーナは、元々細い目をより細くして言った。
「……ちょっと?」
「ああ……、そうね。控えめに言い過ぎたわ。かなり変だと思っていたの」
ルーナは貴族としては珍しいセミロングの長さの赤い髪を背中に流した、活発で気の強そうな美人だ。シャープな顔立ちで赤い瞳は強い意思を感じさせるようで、とても目力がある。
私の邸に訪ねてきてくれたので、客室に案内するなり、彼女はガンチャについての話を始めて、今、この状態である。
客室にはセミダブルサイズのベッドにサイドテーブル。暖炉にドレッサー。狭いけれどウォークインクローゼットに簡易の応接セットがある。ワインレッドのソファに並んで座り、話をすることになったのだが、ルーナの話は止まらない。
「だって、婚約者に自分には好きな人がいると堂々と言えるなんておかしいでしょう? そんなにその人が好きなら、婚約破棄しなさいよ、って感じ!」
「う……うん。そうだよね。冷静になったら、私もそう思う」
「目を覚ましてくれて良かったわ」
ルーナはお茶を一口飲んで、喉を潤してから続ける。
「で、ウロイカ辺境伯はどんな感じなの? レイネ様にしつこくつきまとうようになったとか? できれば、そうしてもらってキマコマ公爵に潰してもらったらいいと思うわ!」
「お父様やアルフが調べてくれたんだけど、どうやら、新しい婚約者が見つかりそうにないみたいで、私とよりを戻そうとしているみたいなの」
「はい? どういうこと?」
ルーナはまるで自分のことのように怒ってくれている。そんな彼女を見て、学生時代もこんな風にガンチャは良くないと止めてくれていたことを思い出した。
「ちょっとアリアナ、聞いてるの?」
「ごめんなさい。昔のことを思い出しちゃって。せっかくルーナが助言してくれていたのに、私は聞く耳を持たなかったわよね。それなのに、友達でいてくれてありがとう」
「男の趣味が悪いからって付き合いをなくしたりしないわよ。それに結果良ければ全て良しよ! いや、結果は良くないわね! あんな男に一度でも殺されたんだもの!」
キーッと近くにあったクッションにパンチをするルーナに宣言する。
「ありがとうルーナ。もう、男性選びに失敗するつもりはないから安心して」
「次にまたおかしな男を選びそうになったら、全力で止めるわ。というか、アルフレッド様を選びなさいよ」
「えっ?」
「まあ、その話はあとにして、それよりもよりを戻したがっているってどういうこと?」
「昨日のうちに、ガンチャにレイネ様への接近禁止命令が王家から出たの」
「王家から!」
それは嬉しそうにルーナは満面の笑みを浮かべ、手をパチパチと叩いた。
「そんなこともあって、彼が婚約を破棄したことを知って新たな婚約者になりたがっていた女性たちも一瞬にして辞退したの。でも、ガンチャはどうしても跡継ぎはほしいみたいで……」
「それであなたによりを戻そうとしているのね! なんて奴なの!」
「彼は思い込みが激しいから、未だに私が彼のことを好きだと思っているみたい」
私たちがこうして話をしている間にも、ガンチャから手紙が届いていた。受け取り拒否をしても送られてくる手紙にうんざりした私は、行動がエスカレートする前に、彼を遠ざけるため、先代の辺境伯についての事件の真相を早急に暴くことにした。
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