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18 魔女の執念(トーマス視点)
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「ど、どうして君がここにいるんだよ!?」
「そんなことはどうでも良いわ。ねえトーマス、あなた、いつになったら私を迎えに来てくれるの?」
僕の質問には答えずに、時を巻き戻した魔女であるセレスは冷たい声で尋ねてきた。
迎えに来てくれるって、まだそんなことを言っているのか。時を巻き戻してもらってから、二十年近く経ってるんだぞ!? 僕のことなんて忘れていると思ったのに!
「トーマス様、彼女とお知り合いなのですか?」
ファルナは目の前にいる彼女が、似ているけれどユミリーではないことに気がついていた。だから、訝し気な表情で僕とセレスを交互に見つめる。
面倒なことになってしまった。
「トーマス思い出してよ。あなたが国外追放された時、そこにいる女は助けてくれなかったんでしょう? それなのに、その女と結婚しただなんてありえないことよ!」
「ど、どういうことなのですか、トーマス様! この女は一体誰なのですか! どうして過去のことを知っているのですか!」
ファルナもセレスと僕が親しい関係であることや、巻き戻る前の記憶があることに気がついたようだった。
まずい。このままではユミリーを捜すどころではなくなってしまう。……そうだ。セレスがここにいるのなら、本物のユミリーはどこに行ったんだ?
「セレス、ファルナ、その話はあとでゆっくり話そう。それよりもセレス、ユミリーはどこに行ったんだ?」
「来るのが遅かったのよ」
セレスはふんと鼻を鳴らすと、信じられない言葉を口にする。
「ユミリーならここにはいないわ。私とあなたの愛の邪魔になる人物だから排除したの」
「そんな! なんてことを!」
僕が叫ぶと、ファルナがセレスに尋ねる。
「排除したというのは、殺したということですの?」
「ご想像にお任せするわ」
魔女はユミリーを彷彿させる顔立ちをしているが、絶対に本人が浮かばないような恐ろしい笑みで僕に話しかける。
「私はあなたとの約束を守った。だから、あなたも約束を守ってちょうだい」
「ま、待ってくれ! 僕は今、公爵という立場なんだよ! 悪いが、平民の君とは結婚できない! わかってくれ!」
「はあ? わかるわけないでしょ」
セレスはベッドから下りて僕に近寄ってくる。
「私はあなたのために魔法を使ったのよ。それもかけがえのないものを犠牲にしてね。今となっては後悔しているわ。だから、次は間違えない。絶対にあなたの妻になってやる」
そう言って僕を見つめるセレスの金色の瞳が、ぎらりと光った。
「そんなことはどうでも良いわ。ねえトーマス、あなた、いつになったら私を迎えに来てくれるの?」
僕の質問には答えずに、時を巻き戻した魔女であるセレスは冷たい声で尋ねてきた。
迎えに来てくれるって、まだそんなことを言っているのか。時を巻き戻してもらってから、二十年近く経ってるんだぞ!? 僕のことなんて忘れていると思ったのに!
「トーマス様、彼女とお知り合いなのですか?」
ファルナは目の前にいる彼女が、似ているけれどユミリーではないことに気がついていた。だから、訝し気な表情で僕とセレスを交互に見つめる。
面倒なことになってしまった。
「トーマス思い出してよ。あなたが国外追放された時、そこにいる女は助けてくれなかったんでしょう? それなのに、その女と結婚しただなんてありえないことよ!」
「ど、どういうことなのですか、トーマス様! この女は一体誰なのですか! どうして過去のことを知っているのですか!」
ファルナもセレスと僕が親しい関係であることや、巻き戻る前の記憶があることに気がついたようだった。
まずい。このままではユミリーを捜すどころではなくなってしまう。……そうだ。セレスがここにいるのなら、本物のユミリーはどこに行ったんだ?
「セレス、ファルナ、その話はあとでゆっくり話そう。それよりもセレス、ユミリーはどこに行ったんだ?」
「来るのが遅かったのよ」
セレスはふんと鼻を鳴らすと、信じられない言葉を口にする。
「ユミリーならここにはいないわ。私とあなたの愛の邪魔になる人物だから排除したの」
「そんな! なんてことを!」
僕が叫ぶと、ファルナがセレスに尋ねる。
「排除したというのは、殺したということですの?」
「ご想像にお任せするわ」
魔女はユミリーを彷彿させる顔立ちをしているが、絶対に本人が浮かばないような恐ろしい笑みで僕に話しかける。
「私はあなたとの約束を守った。だから、あなたも約束を守ってちょうだい」
「ま、待ってくれ! 僕は今、公爵という立場なんだよ! 悪いが、平民の君とは結婚できない! わかってくれ!」
「はあ? わかるわけないでしょ」
セレスはベッドから下りて僕に近寄ってくる。
「私はあなたのために魔法を使ったのよ。それもかけがえのないものを犠牲にしてね。今となっては後悔しているわ。だから、次は間違えない。絶対にあなたの妻になってやる」
そう言って僕を見つめるセレスの金色の瞳が、ぎらりと光った。
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