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27 次は間違えないと言われましても ⑤ (トーマス視点)
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僕の望み通り、ユミリーが殺されたという連絡が来た。いてもたってもいられなくて、僕はたまたま近くに泊まっていたという理由で、ディリング公爵邸を訪れた。
拒まれると思ったが、僕たちはすんなり、ディリング公爵家に案内されることになった。といっても、僕たちが案内されるのは別邸らしい。いかにもユミリーを隠していましたという感じだ。
それにしても、先を歩くメイドは悲しんでいるというより無の表情だ。この様子を見るとユミリーは嫌われていたのかもしれないな。だから、悲しくもなんともないんだろう。
そういえば、あの料理人は捕まったんだろうか。褒美をあげたいくらいだが、塀の中では使い道などないだろう。
別邸の扉の前には暗い表情の兵士やドアマンがいた。ドアマンは僕たちに気づくと、静かに扉を開く。
すると、開けた視界にランフェスの姿が入った。俯いているから表情は見えない。明らかに落ち込んで悲しんでいるんだろう。
やった! やったぞ!
手を叩いて喜びたい気持ちを抑えて、僕はランフェスに話しかける。
「気の毒だったな。今回こそはユミリーと結ばれるはずだったのに」
「相手はユミリーではありません」
「何を言っているんだ。他国の令嬢と結婚したなんて話は嘘なんだろう? お前がユミリー以外の女性と結婚するわけがない。お前が式を挙げた相手はユミリーだ」
死んだ新妻というのはユミリーなんだよ!
笑いながら言うと、ランフェスは顔は上げずに首を横に振る。
「式を挙げたふりをしただけで、式は挙げていません」
「……どういうことだ?」
ランフェスが意味のわからないことを言ったので、僕は聞き返した。
「ユミリーと式は挙げていません。ですが、戸籍上の妻になることは確かです」
「何が言いたいんだ。はっきり言え!」
「今度こそは間違えないとユミリーに誓います」
「今さら誓ったって遅い! ユミリーは死んだんだろう? 空の上の彼女にでも伝えているのか?」
笑みがこぼれた瞬間、柱の陰から現れた人物がいた。その人物を見た瞬間、僕は悲鳴を上げそうになった。
「久しぶりですわね、トーマス様。私は生きておりますわ」
「ど……、どうして君が……っ」
成長して美しくなったユミリーは、にこりと微笑んで言った。
拒まれると思ったが、僕たちはすんなり、ディリング公爵家に案内されることになった。といっても、僕たちが案内されるのは別邸らしい。いかにもユミリーを隠していましたという感じだ。
それにしても、先を歩くメイドは悲しんでいるというより無の表情だ。この様子を見るとユミリーは嫌われていたのかもしれないな。だから、悲しくもなんともないんだろう。
そういえば、あの料理人は捕まったんだろうか。褒美をあげたいくらいだが、塀の中では使い道などないだろう。
別邸の扉の前には暗い表情の兵士やドアマンがいた。ドアマンは僕たちに気づくと、静かに扉を開く。
すると、開けた視界にランフェスの姿が入った。俯いているから表情は見えない。明らかに落ち込んで悲しんでいるんだろう。
やった! やったぞ!
手を叩いて喜びたい気持ちを抑えて、僕はランフェスに話しかける。
「気の毒だったな。今回こそはユミリーと結ばれるはずだったのに」
「相手はユミリーではありません」
「何を言っているんだ。他国の令嬢と結婚したなんて話は嘘なんだろう? お前がユミリー以外の女性と結婚するわけがない。お前が式を挙げた相手はユミリーだ」
死んだ新妻というのはユミリーなんだよ!
笑いながら言うと、ランフェスは顔は上げずに首を横に振る。
「式を挙げたふりをしただけで、式は挙げていません」
「……どういうことだ?」
ランフェスが意味のわからないことを言ったので、僕は聞き返した。
「ユミリーと式は挙げていません。ですが、戸籍上の妻になることは確かです」
「何が言いたいんだ。はっきり言え!」
「今度こそは間違えないとユミリーに誓います」
「今さら誓ったって遅い! ユミリーは死んだんだろう? 空の上の彼女にでも伝えているのか?」
笑みがこぼれた瞬間、柱の陰から現れた人物がいた。その人物を見た瞬間、僕は悲鳴を上げそうになった。
「久しぶりですわね、トーマス様。私は生きておりますわ」
「ど……、どうして君が……っ」
成長して美しくなったユミリーは、にこりと微笑んで言った。
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