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第8話 身勝手な言葉
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ロロアル侯爵は静まり返った会場内を見回した後、陛下に向かって懇願する。
「国王陛下、せっかくのパーティーなのです。この話はまたの機会という事で良いのではありませんか?」
「そう言っているが、アニエスはどうなんだ?」
「長くなる話ではないと思いますし、今すぐ聞かせていただきたいです。もちろん、他の方はパーティーを楽しんでいただければと思いますが…」
ロロアル侯爵は大勢の人の前で自分がやった事を暴露したくないんでしょうね。
それに関してはわたしも一緒だわ。
縁を切ったとはいえ、彼とわたしの血が繋がっている事は事実。
大勢の前で恥を晒したくないわ。
それにどうせ皆、聞いてないふりをして聞くでしょうしね。
「では、人払いをお願いします!」
ロロアル侯爵はわたしを一睨みした後、陛下にお願いした。
この様子だと、お祖父様達はわたしに手紙を送ってくれていたんだわ!
でも、それをロロアル侯爵が渡してくれなかったのかもしれない。
どうして、そんな意地悪をしたのかしら?
「アニエス様、どうしてあなたがモナウ家の養女になってもらうか決まった理由については後ほどお話いたしますのでお待ちいただけますか?」
人払いをしている間にモナウ卿が苦笑して話しかけてこられたので、慌てて首を横に振る。
「わたしを養女にしていただけるなんて、とても有り難いお話ですから、理由についてお話いただくのは落ち着いてからで結構ですわ。それよりもモナウ卿には知らなかったとはいえ、とても失礼な態度をとってしまい申し訳ございません。ローニャに対してもそうだわ」
「お気になさらないで下さい。王太子妃候補のアニエス様にお仕え出来て光栄でしたわ。それに、ロロアル侯爵があなたにどんな事をしていたのか、この目で見たかったんです。言い逃れが出来ないように」
「それは僕も同じです」
ローニャとモナウ卿は笑顔でそう言ってくれた。
2人がここまでする理由はあるのかしら?
無償でやってもらったのなら、とても申し訳ないわ。
わたしに返せるものなんてないのに。
「善意でやってくれているのは確かだし、色々と理由があるのは確かだが、簡単に納得する理由が欲しいなら、王家との繋がりを持ちたかったという事にしておいたらどうかな?」
ジェレミー殿下が私の隣に立って言った後、ロロアル侯爵の方を見て続ける。
「人払いもすんだし、先程の話に戻ろうか」
そう促されて、わたしはロロアル侯爵との話の途中だった事を思い出した。
色んな事がありすぎて、全然、頭が追いつかないわ。
「では、ロロアル侯爵、話をしてもらおうか」
陛下に促されたロロアル侯爵は渋々といった感じで話し始める。
「手紙に関しては、渡す必要ないと思ったから渡さなかっただけでございます」
「必要ないというのはどういう事だ?」
「母が死んだからとはいえ、甘やかしてはいけないと思ったからです。いつまでも祖父母や伯父に甘える様な娘にさせてはいけないと思ったからでございます。いわゆる躾というやつです」
「親族と連絡を取れない様にする事が躾だと? 初めて聞いたな。という事は、お前に孫が出来たとしても一切顔を合わせないようにすると言うのだな?」
「そ、それは…いや、アニエスのみの躾といいますか…」
陛下に詰問され、ロロアル侯爵はしどろもどろになる。
「アニエスのみの躾だと? ふざけた事を抜かすな」
陛下は厳しい口調で言ったあと、わたしの方に顔を向けて尋ねてくる。
「アニエス、お前は今の話で納得できたか?」
「いいえ。全く納得がいきません。わたしが嫌いなら、どうして祖父母の家なり伯父に押し付けなかったのでしょうか?」
わたしの質問に陛下が答えてくれる。
「それは、お前がヘイストの婚約者だったからだろう。王家との繋がりが欲しかった。だから、お前を家においていたんだろう。だが、ヘイストとの婚約の話はなくなった。嫌な事を言うが、ロロアル侯爵にしてみれば、もうお前に用はなくなったという事だろうな」
「わたしとヘイスト殿下の婚約は、母が亡くなってすぐに決まりましたものね」
「そうだ」
陛下は頷かれた後、わたしに悲しげな目を向けて言葉を続ける。
「アニエス、お前には申し訳ない事をしたな。大人である我々がもっと早くに気付いてやらなければいけなかったのに…」
「大人である我々というのは…?」
「実は、ヘイストとジェレミーは家族について語るお前の様子がおかしい事に気付いていたんだ」
「…そうだったんですか…?」
驚いて聞き返すと、今度は王妃陛下が答えてくれる。
「ジェレミーからはロロアル家の事を調べるように言われていたし、ヘイストは自分が婚約者でいる事によって、あなたを守れるんだといつも言っていたの。2人共、あなたが家で酷い扱いを受けているだなんて事までは知らなかったけれど、あなたの様子がおかしい事には気付いていたのよ。それなのに私達は他人の家の事情に首を突っ込むべきじゃないと考えて、結果的にあなたを見捨てる形になってしまった」
「とんでもございません! わたしは両陛下には良くしていただいた記憶しかございません」
お二人がわたしに優しかったのはジェレミー殿下とヘイスト殿下が気にしてくださっていたからなのね。
「私は君の婚約者ではないから、深く関与するわけにはいかなかった。だから、ヘイストにお願いしてたんだよね?」
ジェレミー殿下がヘイスト殿下に話題をふると、彼は悲しげな顔でわたしを見てから、ジェレミー殿下に顔を向けて頷く。
「……はい。あまりアニエスが家族の話をしないから気になっていたんです…。話題を避けているというか…。今回、アニエスがキャロをいじめたのも僕を取られるのが怖かったからだとわかっています。そして、彼女に不安な思いをさせてしまった僕が悪いんです。だから、キャロを僕が癒やさないといけないと思ったんです!」
「いや、ヘイスト、どうしてそうな考えになるのか知りたい」
ジェレミー殿下はこめかみをおさえて尋ねる。
「ヘイストはアニエスが家族に愛されていないと思い込んだまでは理解できるんだが、その後の言葉の意味がわからないんだよ」
「僕はアニエスから愛を求められていて、十分に返しているつもりだったんです。それが出来ていなかった。だから、アニエスはキャロをいじめてしまった! 僕のせいなんです!」
ヘイスト殿下が自信満々に叫んだけれど、彼が何を言っているのかわからなくて困惑してしまう。
整理してみると、ヘイスト殿下の言っている事はこんな感じかしら?
わたしが家族とうまくいっていないのではないかと思っていた。
だから、その分、自分がわたしの事を大事にしようと思った。
だけど、ヘイスト殿下のわたしへの愛情が足りなくて、わたしがキャロラインに嫉妬していじめてしまった。
キャロラインはわたしにいじめられて悲しんでいるから、自分が責任をとるって事……?
理解できないんですが!?
わたしの事を思って責任を取るというけれど、その前にわたしを信じる事から始めてほしかったわ…。
でも、それが本当の理由なのだとしたら…。
「ヘイスト殿下、あなたはキャロラインの事をどう思っているのですか?」
わたしの問いかけに、ヘイスト殿下は目を大きく見開いた後、苦しげな表情で目を伏せた。
そんな彼にキャロラインが話しかける。
「ヘイスト殿下は私を愛してくれているんですよね…? だから、私を婚約者にしようとしてくれているんですよね?」
「そうじゃない! 僕は責任を取るだけで、愛しているのはアニエスだけだ!」
「そ、そんな…!」
ヘイスト殿下の言葉を聞いたキャロラインが傷付いた顔をした。
「ヘイスト殿下…、キャロラインが嘘をついていた場合は、どうされるおつもりなんですか?」
わたしの質問にヘイスト殿下はなぜか辛そうな顔をして、質問を返してくる。
「どうして、キャロがそんな嘘をつかないといけないんだい?」
ヘイスト殿下は学園でのテストでは、いつも1番だった。
けれど、こういうところには疎いのね…。
「キャロラインがあなたの事を好きで、わたしを嵌めようとしていただけだったら…?」
「そうなった時は…、キャロを罰して、君に再度、婚約を申し込む」
わたしにとっては、あまりの勝手な言い分に驚いていると、キャロラインが叫んだ。
「私は嘘なんてついていません!」
「セバン子爵令嬢」
ジェレミー殿下に名を呼ばれ、キャロラインは怯えた表情で彼を見た。
「君が嘘をついていた場合、君や君の友人、家族がどうなるかはわかっているよね?」
ジェレミー殿下に問われたキャロラインの顔が真っ青になった。
「国王陛下、せっかくのパーティーなのです。この話はまたの機会という事で良いのではありませんか?」
「そう言っているが、アニエスはどうなんだ?」
「長くなる話ではないと思いますし、今すぐ聞かせていただきたいです。もちろん、他の方はパーティーを楽しんでいただければと思いますが…」
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でも、それをロロアル侯爵が渡してくれなかったのかもしれない。
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「お気になさらないで下さい。王太子妃候補のアニエス様にお仕え出来て光栄でしたわ。それに、ロロアル侯爵があなたにどんな事をしていたのか、この目で見たかったんです。言い逃れが出来ないように」
「それは僕も同じです」
ローニャとモナウ卿は笑顔でそう言ってくれた。
2人がここまでする理由はあるのかしら?
無償でやってもらったのなら、とても申し訳ないわ。
わたしに返せるものなんてないのに。
「善意でやってくれているのは確かだし、色々と理由があるのは確かだが、簡単に納得する理由が欲しいなら、王家との繋がりを持ちたかったという事にしておいたらどうかな?」
ジェレミー殿下が私の隣に立って言った後、ロロアル侯爵の方を見て続ける。
「人払いもすんだし、先程の話に戻ろうか」
そう促されて、わたしはロロアル侯爵との話の途中だった事を思い出した。
色んな事がありすぎて、全然、頭が追いつかないわ。
「では、ロロアル侯爵、話をしてもらおうか」
陛下に促されたロロアル侯爵は渋々といった感じで話し始める。
「手紙に関しては、渡す必要ないと思ったから渡さなかっただけでございます」
「必要ないというのはどういう事だ?」
「母が死んだからとはいえ、甘やかしてはいけないと思ったからです。いつまでも祖父母や伯父に甘える様な娘にさせてはいけないと思ったからでございます。いわゆる躾というやつです」
「親族と連絡を取れない様にする事が躾だと? 初めて聞いたな。という事は、お前に孫が出来たとしても一切顔を合わせないようにすると言うのだな?」
「そ、それは…いや、アニエスのみの躾といいますか…」
陛下に詰問され、ロロアル侯爵はしどろもどろになる。
「アニエスのみの躾だと? ふざけた事を抜かすな」
陛下は厳しい口調で言ったあと、わたしの方に顔を向けて尋ねてくる。
「アニエス、お前は今の話で納得できたか?」
「いいえ。全く納得がいきません。わたしが嫌いなら、どうして祖父母の家なり伯父に押し付けなかったのでしょうか?」
わたしの質問に陛下が答えてくれる。
「それは、お前がヘイストの婚約者だったからだろう。王家との繋がりが欲しかった。だから、お前を家においていたんだろう。だが、ヘイストとの婚約の話はなくなった。嫌な事を言うが、ロロアル侯爵にしてみれば、もうお前に用はなくなったという事だろうな」
「わたしとヘイスト殿下の婚約は、母が亡くなってすぐに決まりましたものね」
「そうだ」
陛下は頷かれた後、わたしに悲しげな目を向けて言葉を続ける。
「アニエス、お前には申し訳ない事をしたな。大人である我々がもっと早くに気付いてやらなければいけなかったのに…」
「大人である我々というのは…?」
「実は、ヘイストとジェレミーは家族について語るお前の様子がおかしい事に気付いていたんだ」
「…そうだったんですか…?」
驚いて聞き返すと、今度は王妃陛下が答えてくれる。
「ジェレミーからはロロアル家の事を調べるように言われていたし、ヘイストは自分が婚約者でいる事によって、あなたを守れるんだといつも言っていたの。2人共、あなたが家で酷い扱いを受けているだなんて事までは知らなかったけれど、あなたの様子がおかしい事には気付いていたのよ。それなのに私達は他人の家の事情に首を突っ込むべきじゃないと考えて、結果的にあなたを見捨てる形になってしまった」
「とんでもございません! わたしは両陛下には良くしていただいた記憶しかございません」
お二人がわたしに優しかったのはジェレミー殿下とヘイスト殿下が気にしてくださっていたからなのね。
「私は君の婚約者ではないから、深く関与するわけにはいかなかった。だから、ヘイストにお願いしてたんだよね?」
ジェレミー殿下がヘイスト殿下に話題をふると、彼は悲しげな顔でわたしを見てから、ジェレミー殿下に顔を向けて頷く。
「……はい。あまりアニエスが家族の話をしないから気になっていたんです…。話題を避けているというか…。今回、アニエスがキャロをいじめたのも僕を取られるのが怖かったからだとわかっています。そして、彼女に不安な思いをさせてしまった僕が悪いんです。だから、キャロを僕が癒やさないといけないと思ったんです!」
「いや、ヘイスト、どうしてそうな考えになるのか知りたい」
ジェレミー殿下はこめかみをおさえて尋ねる。
「ヘイストはアニエスが家族に愛されていないと思い込んだまでは理解できるんだが、その後の言葉の意味がわからないんだよ」
「僕はアニエスから愛を求められていて、十分に返しているつもりだったんです。それが出来ていなかった。だから、アニエスはキャロをいじめてしまった! 僕のせいなんです!」
ヘイスト殿下が自信満々に叫んだけれど、彼が何を言っているのかわからなくて困惑してしまう。
整理してみると、ヘイスト殿下の言っている事はこんな感じかしら?
わたしが家族とうまくいっていないのではないかと思っていた。
だから、その分、自分がわたしの事を大事にしようと思った。
だけど、ヘイスト殿下のわたしへの愛情が足りなくて、わたしがキャロラインに嫉妬していじめてしまった。
キャロラインはわたしにいじめられて悲しんでいるから、自分が責任をとるって事……?
理解できないんですが!?
わたしの事を思って責任を取るというけれど、その前にわたしを信じる事から始めてほしかったわ…。
でも、それが本当の理由なのだとしたら…。
「ヘイスト殿下、あなたはキャロラインの事をどう思っているのですか?」
わたしの問いかけに、ヘイスト殿下は目を大きく見開いた後、苦しげな表情で目を伏せた。
そんな彼にキャロラインが話しかける。
「ヘイスト殿下は私を愛してくれているんですよね…? だから、私を婚約者にしようとしてくれているんですよね?」
「そうじゃない! 僕は責任を取るだけで、愛しているのはアニエスだけだ!」
「そ、そんな…!」
ヘイスト殿下の言葉を聞いたキャロラインが傷付いた顔をした。
「ヘイスト殿下…、キャロラインが嘘をついていた場合は、どうされるおつもりなんですか?」
わたしの質問にヘイスト殿下はなぜか辛そうな顔をして、質問を返してくる。
「どうして、キャロがそんな嘘をつかないといけないんだい?」
ヘイスト殿下は学園でのテストでは、いつも1番だった。
けれど、こういうところには疎いのね…。
「キャロラインがあなたの事を好きで、わたしを嵌めようとしていただけだったら…?」
「そうなった時は…、キャロを罰して、君に再度、婚約を申し込む」
わたしにとっては、あまりの勝手な言い分に驚いていると、キャロラインが叫んだ。
「私は嘘なんてついていません!」
「セバン子爵令嬢」
ジェレミー殿下に名を呼ばれ、キャロラインは怯えた表情で彼を見た。
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