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27 面倒なことにならなければ良いんだけど
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元王妃陛下のエレル様は、ロード様と現在の国王陛下の実のお母様だ。
王太子殿下にべったりではあるものの、ロード様のこともいつも気にかけている。
そんなエレル様がロード様に会いに来られたので、クラッシュ様たちの話を聞かせてもらえた。
エレル様は意気揚々と屋敷にやって来た2人を敷地内に受け入れはしたらしい。
でも、案内した場所は邸内ではなく掘っ建て小屋だった。
元々は倉庫として使っていたものを、2人のために中を綺麗にして提供したのだと言う。
国王陛下やその側室だった人が住むような場所ではないから、クラッシュ様たちはエレル様に文句を言ったらしい。
エレル様は、その時に言ってあげたのだそう。
『側室だけでしたら許せましたが、自分の息子と年の変わらない娘にうつつを抜かす夫を妻が許すと思ったのですか?』
クラッシュ様は「この敷地は自分のものだ」と訴えた。
でも、残念なことにそうではなくなっていた。
クラッシュ様たちがジーギス様の屋敷にいる間に、エレル様は屋敷の名義などを国王陛下に許可を取り、全て自分の名義に書き換えていた。
クラッシュ様に権利はなくなっていた。
だから、現在、クラッシュ様たちはその掘っ建て小屋に2人で暮らしているらしく、食事も少し離れた屋敷まで自分たちで取りに来ているのだそうだ。
エレル様にしてみれば、ちょっとした仕返しみたいなもので、「役にも立たないのに衣食住完備なんだから感謝してほしいものだわ」と言っておられた。
お姉様やジーギス様、クラッシュ様たちがいなくなり、私たちは平穏な生活を送れるようになった。
それから数ヶ月が経った頃、ルシエフ家に長期間、お客様が滞在することが決まった。
それは隣国の第二王子殿下で、ルシエフ家に近い学園に留学することになったんだそうだ。
でも、その学園には寮がないため、警備の問題もあり、ルシエフ家に滞在させてあげてほしいと国王陛下から頼まれたので断れなかった。
困ったことに、その第二王子殿下は犬嫌いだった。
「面倒なことにならなければ良いんだけど」
私の不安は残念なことに的中してしまうのだった。
※
次の話は閑話でジーギス視点になります。
王太子殿下にべったりではあるものの、ロード様のこともいつも気にかけている。
そんなエレル様がロード様に会いに来られたので、クラッシュ様たちの話を聞かせてもらえた。
エレル様は意気揚々と屋敷にやって来た2人を敷地内に受け入れはしたらしい。
でも、案内した場所は邸内ではなく掘っ建て小屋だった。
元々は倉庫として使っていたものを、2人のために中を綺麗にして提供したのだと言う。
国王陛下やその側室だった人が住むような場所ではないから、クラッシュ様たちはエレル様に文句を言ったらしい。
エレル様は、その時に言ってあげたのだそう。
『側室だけでしたら許せましたが、自分の息子と年の変わらない娘にうつつを抜かす夫を妻が許すと思ったのですか?』
クラッシュ様は「この敷地は自分のものだ」と訴えた。
でも、残念なことにそうではなくなっていた。
クラッシュ様たちがジーギス様の屋敷にいる間に、エレル様は屋敷の名義などを国王陛下に許可を取り、全て自分の名義に書き換えていた。
クラッシュ様に権利はなくなっていた。
だから、現在、クラッシュ様たちはその掘っ建て小屋に2人で暮らしているらしく、食事も少し離れた屋敷まで自分たちで取りに来ているのだそうだ。
エレル様にしてみれば、ちょっとした仕返しみたいなもので、「役にも立たないのに衣食住完備なんだから感謝してほしいものだわ」と言っておられた。
お姉様やジーギス様、クラッシュ様たちがいなくなり、私たちは平穏な生活を送れるようになった。
それから数ヶ月が経った頃、ルシエフ家に長期間、お客様が滞在することが決まった。
それは隣国の第二王子殿下で、ルシエフ家に近い学園に留学することになったんだそうだ。
でも、その学園には寮がないため、警備の問題もあり、ルシエフ家に滞在させてあげてほしいと国王陛下から頼まれたので断れなかった。
困ったことに、その第二王子殿下は犬嫌いだった。
「面倒なことにならなければ良いんだけど」
私の不安は残念なことに的中してしまうのだった。
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次の話は閑話でジーギス視点になります。
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