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25 突然の来訪者
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結局、今日はお暇したほうがいいだろう、というエアリー様の進言もあり、私とリア、そしてミランダ様も途中退席する事になった。
マーガレット嬢には帰り際の挨拶の時に、
「覚えてなさいよ」
周りに聞こえないような小さな声でそう言われた。
何を覚えていたらいいのかはわからないけど、また、彼女に会わないといけなくなりそうなのは確かだった。
帰れるのは嬉しい。
でも、ユウヤくんとラス様には恥ずかしくて会いたくない。
お茶会から抜け出した旨を伝え、ラス様達に会話が聞こえないようにしてもらってから、言葉を吐き出す。
「うう。帰りたくない」
「まあまあ。喜んでくれてたんだからいいじゃない」
馬車を入口までまわしてもらっている間、ぐちぐち言う私に、リアは満面の笑みで言う。
ある意味、二人を好きだなんて優柔不断な発言してるし!
幸せにするだなんて、なんて図々しい事を!
でも、あの時はこの人達は駄目、だなんて、えらそうな事を思ってしまった。
「あんな風に皆さんの前で宣言されるなんて、とても立派です。私も見習わなければ、と本当に思いましたよ!」
何も知らないミランダ様は、そうやって言ってくれるけど、本人に聞かれてたのは恥ずかしい事、この上ないんですよ。
「でも、二人を好きみたいな発言しちゃいましたよ?」
「お二人共に素敵ですもの。しょうがないのでは?」
「そうよ。元々はユウヤくんは公認な訳だし、別にラス様とどうこうなった訳でもないんでしょ?」
「どうこうって?」
意味がわからず聞き返すと、リアは笑顔でとんでもない事を言った。
「ユウヤくんとしてる以上の事をラス様としちゃったり、自分からどうこうしたり、とか」
「そ、それはないよ! そりゃあ発言的な問題でいえば、あんな発言しちゃうくらいだし、ユウヤくんに嫌な思いさせたりしてるかもだけど」
「まあ、それに関しては本人が了承済みなんだからいいって、何回も言ってるじゃない」
「なんでリアが許可を出すのよ」
「ユーニが罪悪感を感じる気持ちがわかるから言ってるだけよ。ユーニの立場だったらそう思うのかもしれないけど、私からユーニを見た場合だと、優柔不断という感じでもないような気がするし」
どうやらリアは私を慰めようとしてくれているみたい。
なんか申し訳ないな。
「そういえば噂でお聞きしたのですが、ラス様とのお話が流れているようですが、それも関係なさるのですか?」
ミランダ様にはちゃんとその話をできていなかったことを思い出して、事情を説明した。
「なんだか大変なことになっていらっしゃったのですね。お友達から真相はどうなのかとか、色々とお手紙をもらっていましたが、お聞きしていいものかわからなかったのもありまして、聞けずじまいでいたんです」
そこまで言って言葉を区切ると、ミランダ様は顎に手をおいて、少し考えてから続ける。
「本当に結婚しなければならない可能性が高いのであれば、好きでもない相手より好きな人のほうがよいですものね。こんなことを言ってしまってはなんなのですが、ユーニ様は幸運だったのでは?」
「ですよね。私だってラス様がユーニの相手候補じゃなければ、間違いなくお願いしてましたね」
リアがミランダ様の言葉に同意してから、こちらを向いて言った。
「まあ、私が原因の話だから、あまりユーニには辛い思いとか悲しい思いはしてほしくないんだよね。だから、ユーニの好きなようにしてほしい、っていうのは私のわがままかな」
「リアに関してはいいんだけど、ラス様についてが申し訳ないなって」
ミランダ様には私がラス様に告白された事は伝えていない。
だから、ラス様の気持ちを考えないといけない事はミランダ様にはわからない。
かといって、わざわざ告白されちゃいまして、なんていう必要もないと思うし・・・・・。
「大丈夫ですよ、ユーニ様。ラス様も事情をわかってくださっているのですから」
「ありがとうございます」
慰めるように言ってくれるミランダ様に笑みを返してから、ふと、ジンさんのことを思い出して、ミランダさまに提案を持ちかけることにした。
「………では、ミランダ様」
「はい?」
「ミランダ様がそう言ってくださるので気にしないようにしようと思うのですが、私もがんばりますので、ミランダ様にも頑張っていただきたいな、と思うことがありまして」
「な、なんでしょう?」
「ジンさんに告白までとはいかなくとも、ミランダ様がジンさんを嫌っていない、という事をお伝えしてもらって良いですか?」
せっかくなのだし、彼女にも一歩を踏み出してもらえたらいいと思って意地悪ではなく、そう言ってみる。
「そう、ですよね。自分で動き出さないと。待ってるだけで何もしない、ではいけませんよね」
ミランダ様は両拳をにぎりしめて意気込んだけれど、
「お待たせしました」
馬車と共に護衛の人達が来るのを確認し、その中にジンさんがいるのを見つけると、私の後ろに隠れてしまった。
「ミランダ様、駄目ですよ。先程おっしゃったばかりじゃないですか」
リアが苦笑しながら言う。
「わ、わかっているのですが! で、でも、すぐには難しいですよう」
ミランダ様はそう言って、ジンさんが見ていない間に、自分の馬車に向かうタイミングを見計らう。
まあ、そりゃあすぐには無理かな。
そんな風に思って、リアと顔を見合わせて苦笑する。
「どうする? このまままっすぐ帰る? それとも寄り道して帰る?」
「寄り道したいけどドレスだと目立つし、お金ないでしょ」
「そうよね。働かないと駄目ね」
リアはがっくりと肩を落とす。
ユウヤくんから渡されてるお金はあるけど、使うのは悪い気がするし。
「では、私がお出しいたしますので、今回は私がよく行っておりますカフェに行きませんか? 貴族の方ばかりですし、ドレスでもそんなに気にはされないと思いますよ」
「でも、そんな」
「お友達にお金がかかわることでお世話になるわけには」
私とリアが恐縮すると、ミランダ様は微笑んで言う。
「お友達だからご馳走したいのです」
最終的にはミランダ様に押し切られる形になり、私達は寄り道をして帰るのだけれど、それが結果的にはミランダ様にとって良い効果を生み出すことになる。
二時間ほどお茶をしてから城の方へ戻ると、すぐに連絡がいったのか馬車からおりるなり、ユウヤくんが抱きしめてきた。
「ちょ、人前!!」
「遅かったな」
「も、申し訳ございません。私が引き止めてしまいまして」
ミランダ様にユウヤくんの言葉が聞こえていたようで、彼女が慌てて謝るので、ユウヤくんは笑って言う。
「いやそういう意味じゃないから。というか、今日はありがとうな」
「いえ、私は何もしておりません」
「そんなことないって。ユーニはミランダ嬢が一緒にいてくれて嬉しかったんだろ?」
「そうですよ。しかも、お茶までご馳走していただいて」
なんとかユウヤくんから逃れようとするけれど、彼の腕の力が強すぎて無理なので、諦めて恥ずかしさをおさえつつ、ミランダ様にそのままの状態で言った。
「お役に立てたなら嬉しいです。ユウヤ殿下にも大変お世話になっておりますし、ご恩を返せたのであれば光栄にございます」
ユウヤくんの言葉を聞いて、ミランダ様は深々と頭を下げた。
ミランダ様はとある事情により、城の敷地内にある別邸に住んでいるから、その恩がある、と伝えたかったんだと思う。
「ねえ、ユウヤくん。ユウマくんとラス様は?」
ミランダ様との会話が途切れたところで、タイミングを見計らっていたのか、リアが尋ねると、ユウヤくんは黙り込んだ。
抱きしめられているせいで、表情が全く見えないのでリアの方を見ると、彼女はなんだかすごく疑わしげな表情をユウヤくんに向けていた。
「なんなの一体」
腕の中でおさまったまま聞くと、ユウヤくんはため息を吐いて言った。
「お茶会が終わってからすぐに、直接、ラスに会いに来たんだよ」
「会いにきたって、まさか」
「そのまさか、だよ」
リアの言葉にユウヤくんは頷いてから言葉を続けた。
「バーベナ嬢が押しかけてきて、ラスに会わせろってうるさいから、ラスも中途半端にしていても良くないからって、覚悟決めて今、向こうの庭園で話してんだよ」
私とリアは顔を見合わせる。
ラス様が心配になってきた。
彼女のせいで、ラス様は一部の女性が苦手になってるのに、苦手な原因と会うなんて!
「何かあっても良くねえから、ユウマがバーベナ嬢に気づかれないようにって、ジン! オマエかよ!」
ユウヤくんの話が聞こえていたようで、ジンさんが急に庭園の方に向かって走り出した。
私とリアが先に庭園に向かうだろうと予想していたのか、ユウヤくんは焦ったように叫ぶ。
「申し訳ありません! お叱りはあとで受けますので!」
ラス様のことが心配なんだろう、ジンさんはユウヤくんにそう言って、庭園の方に向かっていく。
「私達も行こう!」
「うん!」
リアに言われ頷くと、ユウヤくんは諦めて私を腕からはなした。
「もうちょっと、幸せの余韻をかみしめてたかったんだけどな」
「大丈夫。あとから、もっとイチャイチャしなさいな」
リアはぽんぽんとユウヤくんの背中を叩いた。
「あの、私も行ってもよろしいでしょうか」
「ミランダ様も?」
手を胸の前に置き、懇願するミランダ様を不思議に思い聞き返すと、
「婚約破棄の原因を作ったのは私ですから」
彼女はうつむいて答えた。
マーガレット嬢には帰り際の挨拶の時に、
「覚えてなさいよ」
周りに聞こえないような小さな声でそう言われた。
何を覚えていたらいいのかはわからないけど、また、彼女に会わないといけなくなりそうなのは確かだった。
帰れるのは嬉しい。
でも、ユウヤくんとラス様には恥ずかしくて会いたくない。
お茶会から抜け出した旨を伝え、ラス様達に会話が聞こえないようにしてもらってから、言葉を吐き出す。
「うう。帰りたくない」
「まあまあ。喜んでくれてたんだからいいじゃない」
馬車を入口までまわしてもらっている間、ぐちぐち言う私に、リアは満面の笑みで言う。
ある意味、二人を好きだなんて優柔不断な発言してるし!
幸せにするだなんて、なんて図々しい事を!
でも、あの時はこの人達は駄目、だなんて、えらそうな事を思ってしまった。
「あんな風に皆さんの前で宣言されるなんて、とても立派です。私も見習わなければ、と本当に思いましたよ!」
何も知らないミランダ様は、そうやって言ってくれるけど、本人に聞かれてたのは恥ずかしい事、この上ないんですよ。
「でも、二人を好きみたいな発言しちゃいましたよ?」
「お二人共に素敵ですもの。しょうがないのでは?」
「そうよ。元々はユウヤくんは公認な訳だし、別にラス様とどうこうなった訳でもないんでしょ?」
「どうこうって?」
意味がわからず聞き返すと、リアは笑顔でとんでもない事を言った。
「ユウヤくんとしてる以上の事をラス様としちゃったり、自分からどうこうしたり、とか」
「そ、それはないよ! そりゃあ発言的な問題でいえば、あんな発言しちゃうくらいだし、ユウヤくんに嫌な思いさせたりしてるかもだけど」
「まあ、それに関しては本人が了承済みなんだからいいって、何回も言ってるじゃない」
「なんでリアが許可を出すのよ」
「ユーニが罪悪感を感じる気持ちがわかるから言ってるだけよ。ユーニの立場だったらそう思うのかもしれないけど、私からユーニを見た場合だと、優柔不断という感じでもないような気がするし」
どうやらリアは私を慰めようとしてくれているみたい。
なんか申し訳ないな。
「そういえば噂でお聞きしたのですが、ラス様とのお話が流れているようですが、それも関係なさるのですか?」
ミランダ様にはちゃんとその話をできていなかったことを思い出して、事情を説明した。
「なんだか大変なことになっていらっしゃったのですね。お友達から真相はどうなのかとか、色々とお手紙をもらっていましたが、お聞きしていいものかわからなかったのもありまして、聞けずじまいでいたんです」
そこまで言って言葉を区切ると、ミランダ様は顎に手をおいて、少し考えてから続ける。
「本当に結婚しなければならない可能性が高いのであれば、好きでもない相手より好きな人のほうがよいですものね。こんなことを言ってしまってはなんなのですが、ユーニ様は幸運だったのでは?」
「ですよね。私だってラス様がユーニの相手候補じゃなければ、間違いなくお願いしてましたね」
リアがミランダ様の言葉に同意してから、こちらを向いて言った。
「まあ、私が原因の話だから、あまりユーニには辛い思いとか悲しい思いはしてほしくないんだよね。だから、ユーニの好きなようにしてほしい、っていうのは私のわがままかな」
「リアに関してはいいんだけど、ラス様についてが申し訳ないなって」
ミランダ様には私がラス様に告白された事は伝えていない。
だから、ラス様の気持ちを考えないといけない事はミランダ様にはわからない。
かといって、わざわざ告白されちゃいまして、なんていう必要もないと思うし・・・・・。
「大丈夫ですよ、ユーニ様。ラス様も事情をわかってくださっているのですから」
「ありがとうございます」
慰めるように言ってくれるミランダ様に笑みを返してから、ふと、ジンさんのことを思い出して、ミランダさまに提案を持ちかけることにした。
「………では、ミランダ様」
「はい?」
「ミランダ様がそう言ってくださるので気にしないようにしようと思うのですが、私もがんばりますので、ミランダ様にも頑張っていただきたいな、と思うことがありまして」
「な、なんでしょう?」
「ジンさんに告白までとはいかなくとも、ミランダ様がジンさんを嫌っていない、という事をお伝えしてもらって良いですか?」
せっかくなのだし、彼女にも一歩を踏み出してもらえたらいいと思って意地悪ではなく、そう言ってみる。
「そう、ですよね。自分で動き出さないと。待ってるだけで何もしない、ではいけませんよね」
ミランダ様は両拳をにぎりしめて意気込んだけれど、
「お待たせしました」
馬車と共に護衛の人達が来るのを確認し、その中にジンさんがいるのを見つけると、私の後ろに隠れてしまった。
「ミランダ様、駄目ですよ。先程おっしゃったばかりじゃないですか」
リアが苦笑しながら言う。
「わ、わかっているのですが! で、でも、すぐには難しいですよう」
ミランダ様はそう言って、ジンさんが見ていない間に、自分の馬車に向かうタイミングを見計らう。
まあ、そりゃあすぐには無理かな。
そんな風に思って、リアと顔を見合わせて苦笑する。
「どうする? このまままっすぐ帰る? それとも寄り道して帰る?」
「寄り道したいけどドレスだと目立つし、お金ないでしょ」
「そうよね。働かないと駄目ね」
リアはがっくりと肩を落とす。
ユウヤくんから渡されてるお金はあるけど、使うのは悪い気がするし。
「では、私がお出しいたしますので、今回は私がよく行っておりますカフェに行きませんか? 貴族の方ばかりですし、ドレスでもそんなに気にはされないと思いますよ」
「でも、そんな」
「お友達にお金がかかわることでお世話になるわけには」
私とリアが恐縮すると、ミランダ様は微笑んで言う。
「お友達だからご馳走したいのです」
最終的にはミランダ様に押し切られる形になり、私達は寄り道をして帰るのだけれど、それが結果的にはミランダ様にとって良い効果を生み出すことになる。
二時間ほどお茶をしてから城の方へ戻ると、すぐに連絡がいったのか馬車からおりるなり、ユウヤくんが抱きしめてきた。
「ちょ、人前!!」
「遅かったな」
「も、申し訳ございません。私が引き止めてしまいまして」
ミランダ様にユウヤくんの言葉が聞こえていたようで、彼女が慌てて謝るので、ユウヤくんは笑って言う。
「いやそういう意味じゃないから。というか、今日はありがとうな」
「いえ、私は何もしておりません」
「そんなことないって。ユーニはミランダ嬢が一緒にいてくれて嬉しかったんだろ?」
「そうですよ。しかも、お茶までご馳走していただいて」
なんとかユウヤくんから逃れようとするけれど、彼の腕の力が強すぎて無理なので、諦めて恥ずかしさをおさえつつ、ミランダ様にそのままの状態で言った。
「お役に立てたなら嬉しいです。ユウヤ殿下にも大変お世話になっておりますし、ご恩を返せたのであれば光栄にございます」
ユウヤくんの言葉を聞いて、ミランダ様は深々と頭を下げた。
ミランダ様はとある事情により、城の敷地内にある別邸に住んでいるから、その恩がある、と伝えたかったんだと思う。
「ねえ、ユウヤくん。ユウマくんとラス様は?」
ミランダ様との会話が途切れたところで、タイミングを見計らっていたのか、リアが尋ねると、ユウヤくんは黙り込んだ。
抱きしめられているせいで、表情が全く見えないのでリアの方を見ると、彼女はなんだかすごく疑わしげな表情をユウヤくんに向けていた。
「なんなの一体」
腕の中でおさまったまま聞くと、ユウヤくんはため息を吐いて言った。
「お茶会が終わってからすぐに、直接、ラスに会いに来たんだよ」
「会いにきたって、まさか」
「そのまさか、だよ」
リアの言葉にユウヤくんは頷いてから言葉を続けた。
「バーベナ嬢が押しかけてきて、ラスに会わせろってうるさいから、ラスも中途半端にしていても良くないからって、覚悟決めて今、向こうの庭園で話してんだよ」
私とリアは顔を見合わせる。
ラス様が心配になってきた。
彼女のせいで、ラス様は一部の女性が苦手になってるのに、苦手な原因と会うなんて!
「何かあっても良くねえから、ユウマがバーベナ嬢に気づかれないようにって、ジン! オマエかよ!」
ユウヤくんの話が聞こえていたようで、ジンさんが急に庭園の方に向かって走り出した。
私とリアが先に庭園に向かうだろうと予想していたのか、ユウヤくんは焦ったように叫ぶ。
「申し訳ありません! お叱りはあとで受けますので!」
ラス様のことが心配なんだろう、ジンさんはユウヤくんにそう言って、庭園の方に向かっていく。
「私達も行こう!」
「うん!」
リアに言われ頷くと、ユウヤくんは諦めて私を腕からはなした。
「もうちょっと、幸せの余韻をかみしめてたかったんだけどな」
「大丈夫。あとから、もっとイチャイチャしなさいな」
リアはぽんぽんとユウヤくんの背中を叩いた。
「あの、私も行ってもよろしいでしょうか」
「ミランダ様も?」
手を胸の前に置き、懇願するミランダ様を不思議に思い聞き返すと、
「婚約破棄の原因を作ったのは私ですから」
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