31 / 53
31 話が通じません
しおりを挟む
「ユウヤ殿下! やっぱり私、お約束していましたのね!」
「は?」
私にしてみれば、今からパーティーにでも出かけるの? と言いたくなるくらい派手なドレスに身を包んだマーガレット様は、キツそうには見えるけれど綺麗な顔立ちをふにゃりと崩して、ユウヤくんへとすり寄っていく。
香水だろうか、えらく甘ったるい匂いがキツすぎて、ユウヤくんから離れ、ラス様の方に逃げてしまうと、ユウヤくんにすごく悲しそうな顔をされてしまった。
「どうしたら良いですかね」
「とりあえず、私には気付いていないようですし去ります」
ラス様が何もなかったかのように立ち去ろうとする。
それはそうか。
私がラス様と一緒にいるのを見られると、彼女が攻撃する理由を与えてしまう事になるし良くないんだ。
ラス様に目を合わせると、私の意思が伝わったのか、静かに他の人達に紛れていった。
どうするんだろう?
先に帰ったりはしないだろうから、ミランダ様達と合流するのかな?
と、そんな事を考えてる場合じゃなかった。
「やっぱり運命ですのね。婚約者がいるだなんて、周りの嘘に惑わされませんでしたわ。本当の婚約者は私ですもの」
いや、それなら婚約者がいる、は間違ってなくない?
マーガレット様はユウヤくんが何も言わないのをいい事に、何やら一人で会話を続けている。
侍女さんやメイドさん達は、いつものことで慣れているのか、マーガレット嬢の近くに立ち、黙って下を向いていた。
「ユーニ」
「え? あ、はい!」
ユウヤくんに名を呼ばれ、予想外のタイミングだったので動揺していると、
「行くぞ」
彼は私の手を取って歩き始めた。
「え? マーガレット様は?」
「会話したらまた、違うようにとられて面倒な事になりそうだから無視するに限る」
「お待ちになって!」
マーガレット様はユウヤくんの様子などおかまいなしに付いてくる。
というか、私の姿は一切見えていないらしい。
まぁ、それはそれで楽でいいけれども。
結局、最終的にはマーガレット様が私とは反対側のユウヤくんの腕をつかみ、なぜか一緒に庭園をまわる事になってしまった。
ここまで来ると、ヤキモチを妬くとかいう問題ではない。
面倒くさい。
関わりたくない。
の方が先にきてしまう。
もちろん、ユウヤくんは気の毒だけど。
彼の方をちらりと見てみると、もう何も考えたくなさそうな顔をしていた。
やっぱり、ちょっとユウヤくんが可哀想になってきたかも・・・。
助けてあげるべきかな。
「あの、ウッグス伯爵令嬢」
勇気を出して話しかけてみたけど無視されたので続ける。
「申し訳ないんですけど、ユウヤ殿下とは私がお約束していたんです」
「何かおっしゃって? ああ、ユウヤ殿下、あちらを見てください! あちらには」
と、私の言葉は聞こえないふりをして、ユウヤくんに話し始めてしまった。
こんなに返事が返ってこないのに、よくめげずに話しかけられるものだな。
「ごめん」
「え?」
ユウヤくんがそっと耳元で囁くので聞き返す。
「このままだとミランダ嬢とジン達にも迷惑かかるよな」
「そこは、ラス様がうまくやってくれるんじゃないかな」
「というか、ラスはどこ行ったんだよ」
気候がいいからか、色とりどりの花が咲き誇っていて、それを見るためか人も多い。
人混みの中にラス様の姿を探すけど、やはり中々見つからなかった。
「聞いてらっしゃいます?」
「というか、オレが君の話を聞かないといけない理由があるか?」
「そういうつれない所も素敵です」
マーガレット様は俯いて頬を赤く染めた。
うわあ。
すごいな。
これは中々手強いわ。
「そういえば、ユウヤ殿下」
「・・・・・」
ユウヤくんが返事を返さずにいると、彼女は勝手に話し始める。
「婚約のお披露目はいつになさいますの」
「勝手にするよ」
「私、もうそろそろ皆さんにお伝えしたいですわ。そうでないと、そちらの女性のような悪い虫が」
そこまで言ったところで、ユウヤくんがマーガレット様の手を振り払った。
「悪いが、気分を害したんで外してくれ」
「え、ユウヤ殿下?」
「わかるだろ」
ユウヤくんはマーガレット様に言うのではなく、彼女の周りの人間に向かって言った。
すると、執事らしき男の人がすっと現れて、ユウヤくんに一礼したあと、マーガレット様の腕をやさしく取った。
「お嬢様。本日は帰りましょう」
「嫌よ。まだ、殿下とお話したりないわ」
「殿下は今日はもうお話されたくないようです」
「どうしてですの?!」
話の内容が片方は子供のような感じ。
駄々をこねる子供を大人があやしている。
マーガレット様っていくつくらいなんだろ。
まぁ、私よりも年下なんだろうけど。
他人事のように思って見ていると、マーガレット様と視線がかち合ってしまい、怒りの矛先がこちらに向けられた。
「どうして邪魔をするの!!」
「どうして、と言われてましても」
「あなたのせいで私のユウヤ殿下が」
マーガレット様はその先を言葉にできなかった。
なぜなら、執事さん達に引きずられるように連れて行かれたから。
「覚えてなさいよ!」
「それ、前回も言ってましたよ」
引きずられながら叫ぶマーガレット様に小さく言葉を返したあと、隣のユウヤくんを見る。
明らかに表情は疲れ切っていて、慰めてあげたいけれど、今はマーガレット様のせいで他の人達から視線を浴びている状態なので、過度なスキンシップはできない。
だから、そっと手を取る。
「とりあえず、デートの続きする? まずはラス様を探さないと」
「そうだな」
そう言って、ユウヤくんが手を握り直してくれたところで、ラス様の声が聞こえる。
「ここにいますよ」
「お前、今までどこにいたんだ」
「どこにいたって、ジン達と野次馬にまぎれてました」
「じゃあ、今まで全部見てただけかよ」
「助けに行ったら面倒になるだけじゃないですか」
半眼で言うラス様にユウヤくんが恨めしそうに言葉を返す。
「友達が困ってるときに助けるのが友達なんじゃねぇの?」
「どうしようもなくなったら助けに入るつもりでしたよ」
「ほんとかよ?!」
二人が仲良く喧嘩しているのを見守っていると、ジンさん達も私達の様子を見ていたらしく、ミランダ様が駆け寄ってきてくれた。
「見ていることしかできず、申し訳ございませんでした」
「全然です! それよりも、せっかくの二人のデートに余計な思い出を作ってしまってごめんなさい」
「え、あ、二人のデートだなんて!!」
きゃー、とミランダ様が両頬をおさえて照れる。
ミランダ様は可愛く思えるのに、同じようなことをしてたマーガレット様が可愛く思えなかったのはなんでだろう。
「その先にテラスのあるカフェがありました。奢りますんで機嫌をなおしてくださいよ」
「オレが食いもんで騙されるわけねぇだろ」
「ユーニさんは、ケーキはお好きですよね?」
「お肉が一番ですが、ケーキも好きです!」
「ユーニさんは喜んでくれてますが? それでもカフェに行かないんですか?」
ラス様は笑顔でユウヤくんに言った。
うーん、ラス様にはやっぱりユウヤくんも勝てそうにないね。
「わかったよ」
「了承していただき、ありがとうございます。ジン達はどうする?」
ラス様に尋ねられ、ジンさんとミランダ様は顔を見合わせる。
「どうされますか?」
「えと、もう少しだけ庭園をみてまわっても?」
「僕は良いですよ。ゆっくり見て回れませんでしたしね」
ジンさんはミランダ様にそう言うと、ラス様の方に振り返る。
「先に行っていてください。あとから向かいます」
「ゆっくり見て回ってこい」
「はい」
私はミランダ様達に手を振り、姿が見えなくなったところで大きく息を吐く。
「なんかもう疲れました」
「ですから休憩しましょうとお誘いしたんです」
ラス様は私の頭を優しく撫でてくれた。
「じゃあ行くか」
「席は確保してあります」
「予約してたんか?」
「いいえ。金の力、とだけ言っておきましょう」
ラス様のしれっとした答えに、やはり住む世界が違うな、と思ってしまう私がいた。
「は?」
私にしてみれば、今からパーティーにでも出かけるの? と言いたくなるくらい派手なドレスに身を包んだマーガレット様は、キツそうには見えるけれど綺麗な顔立ちをふにゃりと崩して、ユウヤくんへとすり寄っていく。
香水だろうか、えらく甘ったるい匂いがキツすぎて、ユウヤくんから離れ、ラス様の方に逃げてしまうと、ユウヤくんにすごく悲しそうな顔をされてしまった。
「どうしたら良いですかね」
「とりあえず、私には気付いていないようですし去ります」
ラス様が何もなかったかのように立ち去ろうとする。
それはそうか。
私がラス様と一緒にいるのを見られると、彼女が攻撃する理由を与えてしまう事になるし良くないんだ。
ラス様に目を合わせると、私の意思が伝わったのか、静かに他の人達に紛れていった。
どうするんだろう?
先に帰ったりはしないだろうから、ミランダ様達と合流するのかな?
と、そんな事を考えてる場合じゃなかった。
「やっぱり運命ですのね。婚約者がいるだなんて、周りの嘘に惑わされませんでしたわ。本当の婚約者は私ですもの」
いや、それなら婚約者がいる、は間違ってなくない?
マーガレット様はユウヤくんが何も言わないのをいい事に、何やら一人で会話を続けている。
侍女さんやメイドさん達は、いつものことで慣れているのか、マーガレット嬢の近くに立ち、黙って下を向いていた。
「ユーニ」
「え? あ、はい!」
ユウヤくんに名を呼ばれ、予想外のタイミングだったので動揺していると、
「行くぞ」
彼は私の手を取って歩き始めた。
「え? マーガレット様は?」
「会話したらまた、違うようにとられて面倒な事になりそうだから無視するに限る」
「お待ちになって!」
マーガレット様はユウヤくんの様子などおかまいなしに付いてくる。
というか、私の姿は一切見えていないらしい。
まぁ、それはそれで楽でいいけれども。
結局、最終的にはマーガレット様が私とは反対側のユウヤくんの腕をつかみ、なぜか一緒に庭園をまわる事になってしまった。
ここまで来ると、ヤキモチを妬くとかいう問題ではない。
面倒くさい。
関わりたくない。
の方が先にきてしまう。
もちろん、ユウヤくんは気の毒だけど。
彼の方をちらりと見てみると、もう何も考えたくなさそうな顔をしていた。
やっぱり、ちょっとユウヤくんが可哀想になってきたかも・・・。
助けてあげるべきかな。
「あの、ウッグス伯爵令嬢」
勇気を出して話しかけてみたけど無視されたので続ける。
「申し訳ないんですけど、ユウヤ殿下とは私がお約束していたんです」
「何かおっしゃって? ああ、ユウヤ殿下、あちらを見てください! あちらには」
と、私の言葉は聞こえないふりをして、ユウヤくんに話し始めてしまった。
こんなに返事が返ってこないのに、よくめげずに話しかけられるものだな。
「ごめん」
「え?」
ユウヤくんがそっと耳元で囁くので聞き返す。
「このままだとミランダ嬢とジン達にも迷惑かかるよな」
「そこは、ラス様がうまくやってくれるんじゃないかな」
「というか、ラスはどこ行ったんだよ」
気候がいいからか、色とりどりの花が咲き誇っていて、それを見るためか人も多い。
人混みの中にラス様の姿を探すけど、やはり中々見つからなかった。
「聞いてらっしゃいます?」
「というか、オレが君の話を聞かないといけない理由があるか?」
「そういうつれない所も素敵です」
マーガレット様は俯いて頬を赤く染めた。
うわあ。
すごいな。
これは中々手強いわ。
「そういえば、ユウヤ殿下」
「・・・・・」
ユウヤくんが返事を返さずにいると、彼女は勝手に話し始める。
「婚約のお披露目はいつになさいますの」
「勝手にするよ」
「私、もうそろそろ皆さんにお伝えしたいですわ。そうでないと、そちらの女性のような悪い虫が」
そこまで言ったところで、ユウヤくんがマーガレット様の手を振り払った。
「悪いが、気分を害したんで外してくれ」
「え、ユウヤ殿下?」
「わかるだろ」
ユウヤくんはマーガレット様に言うのではなく、彼女の周りの人間に向かって言った。
すると、執事らしき男の人がすっと現れて、ユウヤくんに一礼したあと、マーガレット様の腕をやさしく取った。
「お嬢様。本日は帰りましょう」
「嫌よ。まだ、殿下とお話したりないわ」
「殿下は今日はもうお話されたくないようです」
「どうしてですの?!」
話の内容が片方は子供のような感じ。
駄々をこねる子供を大人があやしている。
マーガレット様っていくつくらいなんだろ。
まぁ、私よりも年下なんだろうけど。
他人事のように思って見ていると、マーガレット様と視線がかち合ってしまい、怒りの矛先がこちらに向けられた。
「どうして邪魔をするの!!」
「どうして、と言われてましても」
「あなたのせいで私のユウヤ殿下が」
マーガレット様はその先を言葉にできなかった。
なぜなら、執事さん達に引きずられるように連れて行かれたから。
「覚えてなさいよ!」
「それ、前回も言ってましたよ」
引きずられながら叫ぶマーガレット様に小さく言葉を返したあと、隣のユウヤくんを見る。
明らかに表情は疲れ切っていて、慰めてあげたいけれど、今はマーガレット様のせいで他の人達から視線を浴びている状態なので、過度なスキンシップはできない。
だから、そっと手を取る。
「とりあえず、デートの続きする? まずはラス様を探さないと」
「そうだな」
そう言って、ユウヤくんが手を握り直してくれたところで、ラス様の声が聞こえる。
「ここにいますよ」
「お前、今までどこにいたんだ」
「どこにいたって、ジン達と野次馬にまぎれてました」
「じゃあ、今まで全部見てただけかよ」
「助けに行ったら面倒になるだけじゃないですか」
半眼で言うラス様にユウヤくんが恨めしそうに言葉を返す。
「友達が困ってるときに助けるのが友達なんじゃねぇの?」
「どうしようもなくなったら助けに入るつもりでしたよ」
「ほんとかよ?!」
二人が仲良く喧嘩しているのを見守っていると、ジンさん達も私達の様子を見ていたらしく、ミランダ様が駆け寄ってきてくれた。
「見ていることしかできず、申し訳ございませんでした」
「全然です! それよりも、せっかくの二人のデートに余計な思い出を作ってしまってごめんなさい」
「え、あ、二人のデートだなんて!!」
きゃー、とミランダ様が両頬をおさえて照れる。
ミランダ様は可愛く思えるのに、同じようなことをしてたマーガレット様が可愛く思えなかったのはなんでだろう。
「その先にテラスのあるカフェがありました。奢りますんで機嫌をなおしてくださいよ」
「オレが食いもんで騙されるわけねぇだろ」
「ユーニさんは、ケーキはお好きですよね?」
「お肉が一番ですが、ケーキも好きです!」
「ユーニさんは喜んでくれてますが? それでもカフェに行かないんですか?」
ラス様は笑顔でユウヤくんに言った。
うーん、ラス様にはやっぱりユウヤくんも勝てそうにないね。
「わかったよ」
「了承していただき、ありがとうございます。ジン達はどうする?」
ラス様に尋ねられ、ジンさんとミランダ様は顔を見合わせる。
「どうされますか?」
「えと、もう少しだけ庭園をみてまわっても?」
「僕は良いですよ。ゆっくり見て回れませんでしたしね」
ジンさんはミランダ様にそう言うと、ラス様の方に振り返る。
「先に行っていてください。あとから向かいます」
「ゆっくり見て回ってこい」
「はい」
私はミランダ様達に手を振り、姿が見えなくなったところで大きく息を吐く。
「なんかもう疲れました」
「ですから休憩しましょうとお誘いしたんです」
ラス様は私の頭を優しく撫でてくれた。
「じゃあ行くか」
「席は確保してあります」
「予約してたんか?」
「いいえ。金の力、とだけ言っておきましょう」
ラス様のしれっとした答えに、やはり住む世界が違うな、と思ってしまう私がいた。
11
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢に転生したと気付いたら、咄嗟に婚約者の記憶を失くしたフリをしてしまった。
ねーさん
恋愛
あ、私、悪役令嬢だ。
クリスティナは婚約者であるアレクシス王子に近付くフローラを階段から落とそうとして、誤って自分が落ちてしまう。
気を失ったクリスティナの頭に前世で読んだ小説のストーリーが甦る。自分がその小説の悪役令嬢に転生したと気付いたクリスティナは、目が覚めた時「貴方は誰?」と咄嗟に記憶を失くしたフリをしてしまって──…
拝啓、愛しの侯爵様~行き遅れ令嬢ですが、運命の人は案外近くにいたようです~
藤原ライラ
恋愛
心を奪われた手紙の先には、運命の人が待っていた――
子爵令嬢のキャロラインは、両親を早くに亡くし、年の離れた弟の面倒を見ているうちにすっかり婚期を逃しつつあった。夜会でも誰からも相手にされない彼女は、新しい出会いを求めて文通を始めることに。届いた美しい字で洗練された内容の手紙に、相手はきっとうんと年上の素敵なおじ様のはずだとキャロラインは予想する。
彼とのやり取りにときめく毎日だがそれに難癖をつける者がいた。幼馴染で侯爵家の嫡男、クリストファーである。
「理想の相手なんかに巡り合えるわけないだろう。現実を見た方がいい」
四つ年下の彼はいつも辛辣で彼女には冷たい。
そんな時キャロラインは、夜会で想像した文通相手とそっくりな人物に出会ってしまう……。
文通相手の正体は一体誰なのか。そしてキャロラインの恋の行方は!?
じれじれ両片思いです。
※他サイトでも掲載しています。
イラスト:ひろ様(https://xfolio.jp/portfolio/hiro_foxtail)
【完結】アッシュフォード男爵夫人-愛されなかった令嬢は妹の代わりに辺境へ嫁ぐ-
七瀬菜々
恋愛
ブランチェット伯爵家はずっと昔から、体の弱い末の娘ベアトリーチェを中心に回っている。
両親も使用人も、ベアトリーチェを何よりも優先する。そしてその次は跡取りの兄。中間子のアイシャは両親に気遣われることなく生きてきた。
もちろん、冷遇されていたわけではない。衣食住に困ることはなかったし、必要な教育も受けさせてもらえた。
ただずっと、両親の1番にはなれなかったというだけ。
---愛されていないわけじゃない。
アイシャはずっと、自分にそう言い聞かせながら真面目に生きてきた。
しかし、その願いが届くことはなかった。
アイシャはある日突然、病弱なベアトリーチェの代わりに、『戦場の悪魔』の異名を持つ男爵の元へ嫁ぐことを命じられたのだ。
かの男は血も涙もない冷酷な男と噂の人物。
アイシャだってそんな男の元に嫁ぎたくないのに、両親は『ベアトリーチェがかわいそうだから』という理由だけでこの縁談をアイシャに押し付けてきた。
ーーーああ。やはり私は一番にはなれないのね。
アイシャはとうとう絶望した。どれだけ願っても、両親の一番は手に入ることなどないのだと、思い知ったから。
結局、アイシャは傷心のまま辺境へと向かった。
望まれないし、望まない結婚。アイシャはこのまま、誰かの一番になることもなく一生を終えるのだと思っていたのだが………?
※全部で3部です。話の進みはゆっくりとしていますが、最後までお付き合いくださると嬉しいです。
※色々と、設定はふわっとしてますのでお気をつけください。
※作者はザマァを描くのが苦手なので、ザマァ要素は薄いです。
一途な皇帝は心を閉ざした令嬢を望む
浅海 景
恋愛
幼い頃からの婚約者であった王太子より婚約解消を告げられたシャーロット。傷心の最中に心無い言葉を聞き、信じていたものが全て偽りだったと思い込み、絶望のあまり心を閉ざしてしまう。そんな中、帝国から皇帝との縁談がもたらされ、侯爵令嬢としての責任を果たすべく承諾する。
「もう誰も信じない。私はただ責務を果たすだけ」
一方、皇帝はシャーロットを愛していると告げると、言葉通りに溺愛してきてシャーロットの心を揺らす。
傷つくことに怯えて心を閉ざす令嬢と一途に想い続ける青年皇帝の物語
婚約者は冷酷宰相様。地味令嬢の私が政略結婚で嫁いだら、なぜか激甘溺愛が待っていました
春夜夢
恋愛
私はずっと「誰にも注目されない地味令嬢」だった。
名門とはいえ没落しかけの伯爵家の次女。
姉は美貌と才覚に恵まれ、私はただの飾り物のような存在。
――そんな私に突然、王宮から「婚約命令」が下った。
相手は、王の右腕にして恐れられる冷酷宰相・ルシアス=ディエンツ公爵。
40を目前にしながら独身を貫き、感情を一切表に出さない男。
(……なぜ私が?)
けれど、その婚約は国を揺るがす「ある計画」の始まりだった。
【完結済】隣国でひっそりと子育てしている私のことを、執着心むき出しの初恋が追いかけてきます
鳴宮野々花@書籍4作品発売中
恋愛
一夜の過ちだなんて思いたくない。私にとって彼とのあの夜は、人生で唯一の、最良の思い出なのだから。彼のおかげで、この子に会えた────
私、この子と生きていきますっ!!
シアーズ男爵家の末娘ティナレインは、男爵が隣国出身のメイドに手をつけてできた娘だった。ティナレインは隣国の一部の者が持つ魔力(治癒術)を微力ながら持っており、そのため男爵夫人に一層疎まれ、男爵家後継ぎの兄と、世渡り上手で気の強い姉の下で、影薄く過ごしていた。
幼いティナレインは、優しい侯爵家の子息セシルと親しくなっていくが、息子がティナレインに入れ込みすぎていることを嫌う侯爵夫人は、シアーズ男爵夫人に苦言を呈す。侯爵夫人の機嫌を損ねることが怖い義母から強く叱られ、ティナレインはセシルとの接触を禁止されてしまう。
時を経て、貴族学園で再会する二人。忘れられなかったティナへの想いが燃え上がるセシルは猛アタックするが、ティナは自分の想いを封じ込めるように、セシルを避ける。
やがてティナレインは、とある商会の成金経営者と婚約させられることとなり、学園を中退。想い合いながらも会うことすら叶わなくなった二人だが、ある夜偶然の再会を果たす。
それから数ヶ月。結婚を目前に控えたティナレインは、隣国へと逃げる決意をした。自分のお腹に宿っていることに気付いた、大切な我が子を守るために。
けれど、名を偽り可愛い我が子の子育てをしながら懸命に生きていたティナレインと、彼女を諦めきれないセシルは、ある日運命的な再会を果たし────
生まれ育った屋敷で冷遇され続けた挙げ句、最低な成金ジジイと結婚させられそうになったヒロインが、我が子を守るために全てを捨てて新しい人生を切り拓いていこうと奮闘する物語です。
※いつもの完全オリジナルファンタジー世界の物語です。全てがファンタジーです。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
完 独身貴族を謳歌したい男爵令嬢は、女嫌い公爵さまと結婚する。
水鳥楓椛
恋愛
男爵令嬢オードリー・アイリーンはある日父が負った借金により、大好きな宝石だけでは食べていけなくなってしまった。そんな時、オードリーの前に現れたのは女嫌いと有名な公爵エドワード・アーデルハイトだった。愛する家族を借金苦から逃すため、オードリーは悪魔に嫁ぐ。結婚の先に待ち受けるのは不幸か幸せか。少なくとも、オードリーは自己中心的なエドワードが大嫌いだった………。
イラストは友人のしーなさんに描いていただきました!!
駆け落ちした姉に代わって、悪辣公爵のもとへ嫁ぎましたところ 〜えっ?姉が帰ってきた?こっちは幸せに暮らしているので、お構いなく!〜
あーもんど
恋愛
『私は恋に生きるから、探さないでそっとしておいてほしい』
という置き手紙を残して、駆け落ちした姉のクラリス。
それにより、主人公のレイチェルは姉の婚約者────“悪辣公爵”と呼ばれるヘレスと結婚することに。
そうして、始まった新婚生活はやはり前途多難で……。
まず、夫が会いに来ない。
次に、使用人が仕事をしてくれない。
なので、レイチェル自ら家事などをしないといけず……とても大変。
でも────自由気ままに一人で過ごせる生活は、案外悪くなく……?
そんな時、夫が現れて使用人達の職務放棄を知る。
すると、まさかの大激怒!?
あっという間に使用人達を懲らしめ、それからはレイチェルとの時間も持つように。
────もっと残忍で冷酷な方かと思ったけど、結構優しいわね。
と夫を見直すようになった頃、姉が帰ってきて……?
善意の押し付けとでも言うべきか、「あんな男とは、離婚しなさい!」と迫ってきた。
────いやいや!こっちは幸せに暮らしているので、放っておいてください!
◆小説家になろう様でも、公開中◆
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる