33 / 53
33 明らかに怪しい
しおりを挟む
ミランダ様と合流した事により、婚約発表の話は有耶無耶になったまま、その日は帰宅した。
すると屋敷に帰るなり、リアが私に駆け寄ってきた。
「おかえり! どうだった? ジンさんとミランダ様、うまくやってた?」
ラス様の言う通りの言葉をリアが言うから、なんとも言えない気分になる。
自分のことは全然言わないんだから。
「ただいま。これ、ユウヤくん達からそれぞれお土産」
「え?! 何?!」
「これがジンさんでケーキの詰め合わせ、ユウヤくんがハーブティーのセット、ラス様が押し花の栞」
「え? みんな一人ずつあるの?!」
まとめていた袋から、一つ一つ出していくと、リアが嬉しそうに手を合わせる。
「私とミランダ様からはおそろいのハンカチ」
「わー、ありがと!」
「ちゃんと私のお小遣いで出したから」
「ありがとね!」
リアがぎゅうと私に抱きついてきたから、そんなリアをつかまえて言う。
「リア、どうして言ってくれなかったの」
「ん? もしかして、アレンくんの事?」
「そうだよ。何も言わないから、最近はおとなしいのかと思ってた」
「ごめんごめん。ユーニも何かと忙しそうだったからさ」
「そりゃ、聞かなかった私も悪いけど」
でも、相談くらいしてほしかったな。
そう思うのは勝手な事かもしれないけど。
「機嫌直してよ。せっかくだし、ジンさんからもらったケーキ一緒に食べよ。一個ずつは小さいけどたくさんあるし、さすがに食べきれないかも」
ジンさんは私も一緒に食べれるようにと、色んな種類のケーキを買ってくれたから、それは一人で食べるのはキツいかもしれない。
「でも、今日、すでに3つも食べたんだよね」
「え?!」
「太るよね」
「いや、でも一個一個は小さいし、大丈夫じゃない?」
「そうかな」
「でも、なんで3つも食べたの?」
リアに言われ、カフェでの事を思い出してしまう。
その動揺を隠して答えようとしたけど、
「い、いや、な、なんでもない、よ」
「なんでもなくないでしょ! どうせ嘘つけないんだから、とっとと吐きなさい!」
あっさりバレてしまった。
結局、リアの話は聞けず、場所を私の部屋に変えて、お土産のケーキを食べながら、私の話をする事になってしまった。
「婚約お披露目パーティーかあ。どうせいつかしないといけないんだし悪くないんじゃない?」
「リアはどうするの?」
「私はまだいいかな。どうせ婚約してるっていうのは、周りはわかってるんだし、ウダウダ言う人がいたら、私は相手になるわよ」
「リアみたいに、私もはっきり言えたらいいんだけどな」
リアからおすそ分けしてもらったケーキを切り分けながら、私が言葉をこぼすと、リアは笑って言ってくれる。
「ユーニはそれがユーニらしいからいいの。それに私みたいに噛みつくことは良くない事なんだから」
「私もリアみたいにがつんと言い返したいよ」
「何言ってんの! 言い返せてたじゃない」
「え?」
「前のお茶会では、はっきり言えてたよ」
リアがにっと笑ってから続ける。
「ユーニもちゃんと強くなってるよ。昔のユーニだったら、もう泣いて逃げ出してるんじゃない?」
そうかもしれない。
立ち向かわずに嫌なことから、とっくに逃げ出してたかもしれない。
もちろん、逃げる事は悪い事じゃない。
だけど、立ち向かわないといけない時にも、無条件で逃げていた気がする。
「私、戦えるかな」
「大丈夫よ。私だってついてるし。ユウヤくんもラス様も、役には立たないかもだけど、ユウマくんだっているよ!」
「ありがと、リア」
ユウマくんへの言い方がどうかと思うところもあるけど、素直にお礼を伝える。
正直、嫌なものは嫌なんだけど、私が逃げることによって、ユウヤくんが嫌な思いをするのなら、ちゃんと覚悟を決めなくちゃ。
そう決意した。
「無理しなくていいんだぞ」
次の日、ユウヤくんが仕事を終えるくらいの時間を見計らって行ってみたけど、やはり昨日に仕事をしなかったせいか、いつもより遅くなると言われてしまったので、改めて夜遅くに訪ねてみた。
疲れてるだろうし、すぐに帰ろうと思ってたけど、彼の自室へ案内された。
「遅い時間にごめんね。話したらすぐに帰るから」
「一緒に寝てもいいんだぞ?」
「皆が心配するから帰ります」
「残念。で、話ってなんだよ」
座るように促されたので、私は書物机の椅子、ユウヤくんはベッドの上に座って、パーティーの話をしたところ、そう言われてしまった。
「でも、いつかはしなくちゃいけないんでしょ」
「だけど、そうしようって決めたのは昨日のことがあったからだろ」
どこかユウヤくんが拗ねた感じで言うので、気になって聞いてみる。
「何か気に食わない?」
「気に食わないっつーか、ユーニが望んだことじゃねぇだろ」
「そんな事ないよ?」
「ラスに言われたから、しようと思ったんじゃねえの?」
「言われたから、というのは当たってるけど、私的にはユウヤくんのためなんだけど?」
小首を傾げて、ユウヤくんを見る。
すると、ユウヤくんが立ち上がって私の元まで来ると抱きついてきた。
「どうしたの?」
身をかがめてるユウヤくんの背中に腕を回して、ポンポンと撫でてみる。
「カッコ悪いだろ?」
「そんな事ないよ」
「最近はオマエにカッコ悪いとこばっか見せて、本当に嫌になる」
「子供だなあって思うときはあるけど、カッコ悪いと思った事はないよ」
そんなやり取りをしていると、一気に部屋の外が騒がしくなった。
気になったのか、ユウヤくんが身体を放すと、バタバタと人が走る足音が聞こえ、すぐにユウヤくんの部屋の扉がノックされた。
「ユウヤ、ラスが」
返事も返っていないのに扉を開けたのはユウマくんで、私の姿を見つけるなり、言葉を止めた。
「悪かったな。ごゆっくり」
「ちょっと待って!」
扉を閉めようとするユウマくんを叫んで止める。
「ユウヤくん、ちゃんと話聞いてきて」
促すと、ユウヤくんは扉に近づきながら尋ねる。
「今、なんて言おうとしてた?」
「言うから、ちょっと部屋の外に出ろ」
ユウヤくんの問いかけにユウマくんはそう答えた。
「ちょっと悪い」
「いいよ」
また椅子に座って頷くと、ユウヤくんは部屋を出ていった。
今、ラス様の名前が出てたよね。
なんで?
私の前で言えない話というのはわからないでもないけど、ラス様の名前が出てたとなると気になってしょうがない。
少しして、ユウヤくんが部屋に戻ってきたから、話してもらえるかはわからないけど、一応聞いてみる。
「どうしたの?」
「いや、別に、ちょっと仕事の話をしてた」
「こんな時間に?」
「急用だったらしい。まあ、オマエは気にしなくて大丈夫だから。もう遅いし部屋まで送る。お披露目についての話は明日、改めてにするか」
「ラス様がどうしたの」
明らかに怪しい。
私を早くに帰らせようとしている。
もちろん時間が時間だから、おかしい事はなくもない。
でも、さっきまで冗談であったとしても、一緒に寝ようと言ってたんだから、この感じはおかしい。
「ラス様に何かあったの?」
もう一度聞く。
気になることはそれだけ。
何もなければ大人しく帰る。
「ラスは、関係ねえよ」
「ユウマくんはラス様の名前を出してたよ」
「聞き間違いだろ」
「絶対にそれはない!」
強く言うと、ユウヤくんは肩を落として言う。
「他の奴には平気で嘘をつけるんだけどな」
ユウヤくんは腰を曲げて、私の額に自分の額を合わせた。
「何? 何があったの?」
「今から行くから付いてくるか?」
「わかんないけど行く!」
額を合わせたまま、ユウヤくんの両頬をつかんで頷くと、私の手に自分の手を重ねてから立ち上がる。
「ラスにはオマエやリアちゃんに言うなって口止めされたみたいだから、連れてったら怒られるだろうなあ」
「大丈夫! 一緒に怒られてあげる!」
私が立ち上がって言うと、ユウヤくんは手を引いてくれた。
「じゃ行くか」
前みたいに過労で倒れたとか?
でも、口止めされたって事は、ラス様は話せるって事みたいだし大丈夫だよね?
すると屋敷に帰るなり、リアが私に駆け寄ってきた。
「おかえり! どうだった? ジンさんとミランダ様、うまくやってた?」
ラス様の言う通りの言葉をリアが言うから、なんとも言えない気分になる。
自分のことは全然言わないんだから。
「ただいま。これ、ユウヤくん達からそれぞれお土産」
「え?! 何?!」
「これがジンさんでケーキの詰め合わせ、ユウヤくんがハーブティーのセット、ラス様が押し花の栞」
「え? みんな一人ずつあるの?!」
まとめていた袋から、一つ一つ出していくと、リアが嬉しそうに手を合わせる。
「私とミランダ様からはおそろいのハンカチ」
「わー、ありがと!」
「ちゃんと私のお小遣いで出したから」
「ありがとね!」
リアがぎゅうと私に抱きついてきたから、そんなリアをつかまえて言う。
「リア、どうして言ってくれなかったの」
「ん? もしかして、アレンくんの事?」
「そうだよ。何も言わないから、最近はおとなしいのかと思ってた」
「ごめんごめん。ユーニも何かと忙しそうだったからさ」
「そりゃ、聞かなかった私も悪いけど」
でも、相談くらいしてほしかったな。
そう思うのは勝手な事かもしれないけど。
「機嫌直してよ。せっかくだし、ジンさんからもらったケーキ一緒に食べよ。一個ずつは小さいけどたくさんあるし、さすがに食べきれないかも」
ジンさんは私も一緒に食べれるようにと、色んな種類のケーキを買ってくれたから、それは一人で食べるのはキツいかもしれない。
「でも、今日、すでに3つも食べたんだよね」
「え?!」
「太るよね」
「いや、でも一個一個は小さいし、大丈夫じゃない?」
「そうかな」
「でも、なんで3つも食べたの?」
リアに言われ、カフェでの事を思い出してしまう。
その動揺を隠して答えようとしたけど、
「い、いや、な、なんでもない、よ」
「なんでもなくないでしょ! どうせ嘘つけないんだから、とっとと吐きなさい!」
あっさりバレてしまった。
結局、リアの話は聞けず、場所を私の部屋に変えて、お土産のケーキを食べながら、私の話をする事になってしまった。
「婚約お披露目パーティーかあ。どうせいつかしないといけないんだし悪くないんじゃない?」
「リアはどうするの?」
「私はまだいいかな。どうせ婚約してるっていうのは、周りはわかってるんだし、ウダウダ言う人がいたら、私は相手になるわよ」
「リアみたいに、私もはっきり言えたらいいんだけどな」
リアからおすそ分けしてもらったケーキを切り分けながら、私が言葉をこぼすと、リアは笑って言ってくれる。
「ユーニはそれがユーニらしいからいいの。それに私みたいに噛みつくことは良くない事なんだから」
「私もリアみたいにがつんと言い返したいよ」
「何言ってんの! 言い返せてたじゃない」
「え?」
「前のお茶会では、はっきり言えてたよ」
リアがにっと笑ってから続ける。
「ユーニもちゃんと強くなってるよ。昔のユーニだったら、もう泣いて逃げ出してるんじゃない?」
そうかもしれない。
立ち向かわずに嫌なことから、とっくに逃げ出してたかもしれない。
もちろん、逃げる事は悪い事じゃない。
だけど、立ち向かわないといけない時にも、無条件で逃げていた気がする。
「私、戦えるかな」
「大丈夫よ。私だってついてるし。ユウヤくんもラス様も、役には立たないかもだけど、ユウマくんだっているよ!」
「ありがと、リア」
ユウマくんへの言い方がどうかと思うところもあるけど、素直にお礼を伝える。
正直、嫌なものは嫌なんだけど、私が逃げることによって、ユウヤくんが嫌な思いをするのなら、ちゃんと覚悟を決めなくちゃ。
そう決意した。
「無理しなくていいんだぞ」
次の日、ユウヤくんが仕事を終えるくらいの時間を見計らって行ってみたけど、やはり昨日に仕事をしなかったせいか、いつもより遅くなると言われてしまったので、改めて夜遅くに訪ねてみた。
疲れてるだろうし、すぐに帰ろうと思ってたけど、彼の自室へ案内された。
「遅い時間にごめんね。話したらすぐに帰るから」
「一緒に寝てもいいんだぞ?」
「皆が心配するから帰ります」
「残念。で、話ってなんだよ」
座るように促されたので、私は書物机の椅子、ユウヤくんはベッドの上に座って、パーティーの話をしたところ、そう言われてしまった。
「でも、いつかはしなくちゃいけないんでしょ」
「だけど、そうしようって決めたのは昨日のことがあったからだろ」
どこかユウヤくんが拗ねた感じで言うので、気になって聞いてみる。
「何か気に食わない?」
「気に食わないっつーか、ユーニが望んだことじゃねぇだろ」
「そんな事ないよ?」
「ラスに言われたから、しようと思ったんじゃねえの?」
「言われたから、というのは当たってるけど、私的にはユウヤくんのためなんだけど?」
小首を傾げて、ユウヤくんを見る。
すると、ユウヤくんが立ち上がって私の元まで来ると抱きついてきた。
「どうしたの?」
身をかがめてるユウヤくんの背中に腕を回して、ポンポンと撫でてみる。
「カッコ悪いだろ?」
「そんな事ないよ」
「最近はオマエにカッコ悪いとこばっか見せて、本当に嫌になる」
「子供だなあって思うときはあるけど、カッコ悪いと思った事はないよ」
そんなやり取りをしていると、一気に部屋の外が騒がしくなった。
気になったのか、ユウヤくんが身体を放すと、バタバタと人が走る足音が聞こえ、すぐにユウヤくんの部屋の扉がノックされた。
「ユウヤ、ラスが」
返事も返っていないのに扉を開けたのはユウマくんで、私の姿を見つけるなり、言葉を止めた。
「悪かったな。ごゆっくり」
「ちょっと待って!」
扉を閉めようとするユウマくんを叫んで止める。
「ユウヤくん、ちゃんと話聞いてきて」
促すと、ユウヤくんは扉に近づきながら尋ねる。
「今、なんて言おうとしてた?」
「言うから、ちょっと部屋の外に出ろ」
ユウヤくんの問いかけにユウマくんはそう答えた。
「ちょっと悪い」
「いいよ」
また椅子に座って頷くと、ユウヤくんは部屋を出ていった。
今、ラス様の名前が出てたよね。
なんで?
私の前で言えない話というのはわからないでもないけど、ラス様の名前が出てたとなると気になってしょうがない。
少しして、ユウヤくんが部屋に戻ってきたから、話してもらえるかはわからないけど、一応聞いてみる。
「どうしたの?」
「いや、別に、ちょっと仕事の話をしてた」
「こんな時間に?」
「急用だったらしい。まあ、オマエは気にしなくて大丈夫だから。もう遅いし部屋まで送る。お披露目についての話は明日、改めてにするか」
「ラス様がどうしたの」
明らかに怪しい。
私を早くに帰らせようとしている。
もちろん時間が時間だから、おかしい事はなくもない。
でも、さっきまで冗談であったとしても、一緒に寝ようと言ってたんだから、この感じはおかしい。
「ラス様に何かあったの?」
もう一度聞く。
気になることはそれだけ。
何もなければ大人しく帰る。
「ラスは、関係ねえよ」
「ユウマくんはラス様の名前を出してたよ」
「聞き間違いだろ」
「絶対にそれはない!」
強く言うと、ユウヤくんは肩を落として言う。
「他の奴には平気で嘘をつけるんだけどな」
ユウヤくんは腰を曲げて、私の額に自分の額を合わせた。
「何? 何があったの?」
「今から行くから付いてくるか?」
「わかんないけど行く!」
額を合わせたまま、ユウヤくんの両頬をつかんで頷くと、私の手に自分の手を重ねてから立ち上がる。
「ラスにはオマエやリアちゃんに言うなって口止めされたみたいだから、連れてったら怒られるだろうなあ」
「大丈夫! 一緒に怒られてあげる!」
私が立ち上がって言うと、ユウヤくんは手を引いてくれた。
「じゃ行くか」
前みたいに過労で倒れたとか?
でも、口止めされたって事は、ラス様は話せるって事みたいだし大丈夫だよね?
11
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢に転生したと気付いたら、咄嗟に婚約者の記憶を失くしたフリをしてしまった。
ねーさん
恋愛
あ、私、悪役令嬢だ。
クリスティナは婚約者であるアレクシス王子に近付くフローラを階段から落とそうとして、誤って自分が落ちてしまう。
気を失ったクリスティナの頭に前世で読んだ小説のストーリーが甦る。自分がその小説の悪役令嬢に転生したと気付いたクリスティナは、目が覚めた時「貴方は誰?」と咄嗟に記憶を失くしたフリをしてしまって──…
拝啓、愛しの侯爵様~行き遅れ令嬢ですが、運命の人は案外近くにいたようです~
藤原ライラ
恋愛
心を奪われた手紙の先には、運命の人が待っていた――
子爵令嬢のキャロラインは、両親を早くに亡くし、年の離れた弟の面倒を見ているうちにすっかり婚期を逃しつつあった。夜会でも誰からも相手にされない彼女は、新しい出会いを求めて文通を始めることに。届いた美しい字で洗練された内容の手紙に、相手はきっとうんと年上の素敵なおじ様のはずだとキャロラインは予想する。
彼とのやり取りにときめく毎日だがそれに難癖をつける者がいた。幼馴染で侯爵家の嫡男、クリストファーである。
「理想の相手なんかに巡り合えるわけないだろう。現実を見た方がいい」
四つ年下の彼はいつも辛辣で彼女には冷たい。
そんな時キャロラインは、夜会で想像した文通相手とそっくりな人物に出会ってしまう……。
文通相手の正体は一体誰なのか。そしてキャロラインの恋の行方は!?
じれじれ両片思いです。
※他サイトでも掲載しています。
イラスト:ひろ様(https://xfolio.jp/portfolio/hiro_foxtail)
【完結】アッシュフォード男爵夫人-愛されなかった令嬢は妹の代わりに辺境へ嫁ぐ-
七瀬菜々
恋愛
ブランチェット伯爵家はずっと昔から、体の弱い末の娘ベアトリーチェを中心に回っている。
両親も使用人も、ベアトリーチェを何よりも優先する。そしてその次は跡取りの兄。中間子のアイシャは両親に気遣われることなく生きてきた。
もちろん、冷遇されていたわけではない。衣食住に困ることはなかったし、必要な教育も受けさせてもらえた。
ただずっと、両親の1番にはなれなかったというだけ。
---愛されていないわけじゃない。
アイシャはずっと、自分にそう言い聞かせながら真面目に生きてきた。
しかし、その願いが届くことはなかった。
アイシャはある日突然、病弱なベアトリーチェの代わりに、『戦場の悪魔』の異名を持つ男爵の元へ嫁ぐことを命じられたのだ。
かの男は血も涙もない冷酷な男と噂の人物。
アイシャだってそんな男の元に嫁ぎたくないのに、両親は『ベアトリーチェがかわいそうだから』という理由だけでこの縁談をアイシャに押し付けてきた。
ーーーああ。やはり私は一番にはなれないのね。
アイシャはとうとう絶望した。どれだけ願っても、両親の一番は手に入ることなどないのだと、思い知ったから。
結局、アイシャは傷心のまま辺境へと向かった。
望まれないし、望まない結婚。アイシャはこのまま、誰かの一番になることもなく一生を終えるのだと思っていたのだが………?
※全部で3部です。話の進みはゆっくりとしていますが、最後までお付き合いくださると嬉しいです。
※色々と、設定はふわっとしてますのでお気をつけください。
※作者はザマァを描くのが苦手なので、ザマァ要素は薄いです。
一途な皇帝は心を閉ざした令嬢を望む
浅海 景
恋愛
幼い頃からの婚約者であった王太子より婚約解消を告げられたシャーロット。傷心の最中に心無い言葉を聞き、信じていたものが全て偽りだったと思い込み、絶望のあまり心を閉ざしてしまう。そんな中、帝国から皇帝との縁談がもたらされ、侯爵令嬢としての責任を果たすべく承諾する。
「もう誰も信じない。私はただ責務を果たすだけ」
一方、皇帝はシャーロットを愛していると告げると、言葉通りに溺愛してきてシャーロットの心を揺らす。
傷つくことに怯えて心を閉ざす令嬢と一途に想い続ける青年皇帝の物語
【完結済】隣国でひっそりと子育てしている私のことを、執着心むき出しの初恋が追いかけてきます
鳴宮野々花@書籍4作品発売中
恋愛
一夜の過ちだなんて思いたくない。私にとって彼とのあの夜は、人生で唯一の、最良の思い出なのだから。彼のおかげで、この子に会えた────
私、この子と生きていきますっ!!
シアーズ男爵家の末娘ティナレインは、男爵が隣国出身のメイドに手をつけてできた娘だった。ティナレインは隣国の一部の者が持つ魔力(治癒術)を微力ながら持っており、そのため男爵夫人に一層疎まれ、男爵家後継ぎの兄と、世渡り上手で気の強い姉の下で、影薄く過ごしていた。
幼いティナレインは、優しい侯爵家の子息セシルと親しくなっていくが、息子がティナレインに入れ込みすぎていることを嫌う侯爵夫人は、シアーズ男爵夫人に苦言を呈す。侯爵夫人の機嫌を損ねることが怖い義母から強く叱られ、ティナレインはセシルとの接触を禁止されてしまう。
時を経て、貴族学園で再会する二人。忘れられなかったティナへの想いが燃え上がるセシルは猛アタックするが、ティナは自分の想いを封じ込めるように、セシルを避ける。
やがてティナレインは、とある商会の成金経営者と婚約させられることとなり、学園を中退。想い合いながらも会うことすら叶わなくなった二人だが、ある夜偶然の再会を果たす。
それから数ヶ月。結婚を目前に控えたティナレインは、隣国へと逃げる決意をした。自分のお腹に宿っていることに気付いた、大切な我が子を守るために。
けれど、名を偽り可愛い我が子の子育てをしながら懸命に生きていたティナレインと、彼女を諦めきれないセシルは、ある日運命的な再会を果たし────
生まれ育った屋敷で冷遇され続けた挙げ句、最低な成金ジジイと結婚させられそうになったヒロインが、我が子を守るために全てを捨てて新しい人生を切り拓いていこうと奮闘する物語です。
※いつもの完全オリジナルファンタジー世界の物語です。全てがファンタジーです。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
私を簡単に捨てられるとでも?―君が望んでも、離さない―
喜雨と悲雨
恋愛
私の名前はミラン。街でしがない薬師をしている。
そして恋人は、王宮騎士団長のルイスだった。
二年前、彼は魔物討伐に向けて遠征に出発。
最初は手紙も返ってきていたのに、
いつからか音信不通に。
あんなにうっとうしいほど構ってきた男が――
なぜ突然、私を無視するの?
不安を抱えながらも待ち続けた私の前に、
突然ルイスが帰還した。
ボロボロの身体。
そして隣には――見知らぬ女。
勝ち誇ったように彼の隣に立つその女を見て、
私の中で何かが壊れた。
混乱、絶望、そして……再起。
すがりつく女は、みっともないだけ。
私は、潔く身を引くと決めた――つもりだったのに。
「私を簡単に捨てられるとでも?
――君が望んでも、離さない」
呪いを自ら解き放ち、
彼は再び、執着の目で私を見つめてきた。
すれ違い、誤解、呪い、執着、
そして狂おしいほどの愛――
二人の恋のゆくえは、誰にもわからない。
過去に書いた作品を修正しました。再投稿です。
完 独身貴族を謳歌したい男爵令嬢は、女嫌い公爵さまと結婚する。
水鳥楓椛
恋愛
男爵令嬢オードリー・アイリーンはある日父が負った借金により、大好きな宝石だけでは食べていけなくなってしまった。そんな時、オードリーの前に現れたのは女嫌いと有名な公爵エドワード・アーデルハイトだった。愛する家族を借金苦から逃すため、オードリーは悪魔に嫁ぐ。結婚の先に待ち受けるのは不幸か幸せか。少なくとも、オードリーは自己中心的なエドワードが大嫌いだった………。
イラストは友人のしーなさんに描いていただきました!!
駆け落ちした姉に代わって、悪辣公爵のもとへ嫁ぎましたところ 〜えっ?姉が帰ってきた?こっちは幸せに暮らしているので、お構いなく!〜
あーもんど
恋愛
『私は恋に生きるから、探さないでそっとしておいてほしい』
という置き手紙を残して、駆け落ちした姉のクラリス。
それにより、主人公のレイチェルは姉の婚約者────“悪辣公爵”と呼ばれるヘレスと結婚することに。
そうして、始まった新婚生活はやはり前途多難で……。
まず、夫が会いに来ない。
次に、使用人が仕事をしてくれない。
なので、レイチェル自ら家事などをしないといけず……とても大変。
でも────自由気ままに一人で過ごせる生活は、案外悪くなく……?
そんな時、夫が現れて使用人達の職務放棄を知る。
すると、まさかの大激怒!?
あっという間に使用人達を懲らしめ、それからはレイチェルとの時間も持つように。
────もっと残忍で冷酷な方かと思ったけど、結構優しいわね。
と夫を見直すようになった頃、姉が帰ってきて……?
善意の押し付けとでも言うべきか、「あんな男とは、離婚しなさい!」と迫ってきた。
────いやいや!こっちは幸せに暮らしているので、放っておいてください!
◆小説家になろう様でも、公開中◆
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる