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40 勝負を挑まれました
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「この度はお招きいただき」
とりあえず、こちらは大人の対応をしようと思い、お決まりの言葉を述べようとしたけれど、
「そういう堅苦しいのは嫌いなの!」
容赦なく拒否されてしまった。
一体どうすればいいの?
困ってしまい、ユウヤくんの方を見ると、私の手をつかんで言った。
「道を間違えたみたいだし行くか」
「え? あ、うん」
本当は良くないんだろうけど、なんだか面倒になって、二人してこの場から逃げようとしたけど、そんなに簡単に逃してくれるはずもなく、
「ちょっと待ちなさいよ! ユウヤは私よりこの人のどこがいいのよ?!」
アネモネ姫はユウヤくんの腕をつかんで叫ぶ。
「私の方が可愛いじゃない!」
「それは間違ってないですね」
彼女の言葉を私が肯定する。
「好みの問題だよ。オレにはユーニが一番なんだ。アネモネ姫にはオレなんかよりもっといい奴がいるよ」
「嫌よ! 私は昔からユウヤが好きなのよ!」
「その割に、ユウマと間違えた時があったよな」
「そ、それは久しぶりに会ったから! それにすぐに気が付いたじゃない!」
アネモネ姫は一生懸命弁明してるけど、さすがに好きな人を間違えるのはどうかと。
一卵性双生児ならまだしも、ユウヤくんとユウマくんはすぐに見分けられると思うんだけどな。
ユウヤくんに連れられるまま、もと来た道を戻っていくと、リア達と合流した。
「あれ、先に行ってたんじゃないの?」
「ちょっと色々とあって」
リアはユウヤくんの言葉に不思議そうにしたけど、すぐに私の反対側にいる、アネモネ姫に気が付いた。
「えっと、そちらは?」
「私を知らないの?! アネモネ・アンドリッシュよ!」
「え?!」
リアは名を聞いて驚いたあと、慌てて頭を下げた。
「ご尊顔を拝見でき光栄に存じます。リア・ライドと申します」
「あなたも知ってるわ! ユウマの婚約者でキュラスのライバルね!」
ユウヤくんの手を放し、アネモネ姫はリアに近づいていき、値踏みするように彼女を見ると、なぜか悔しそうな顔になった。
「まあ、可愛いわね。私ほどではないけど!」
「あ、ありがとうございます」
「リアの方が可愛いだろ」
静かに見守っていたユウマくんが口を挟むと、アネモネ姫はびくりと体を震わせた。
「な、なんだ、いたのね」
「最初からいたけど?」
アネモネ姫はどうやらユウマくんが苦手のようで、ユウヤくんの後ろにまわり、背中にしがみつく。
「リア、ラス様は?」
「あ、さっき着いたみたい。逃げたのかな、と思ったって言ったら、今すぐにでも逃げれるなら逃げたいって言ってたけど」
「逃げても良かったんですか」
リアの言葉を遮ったのは、当の本人のラス様。
うーん、正装するとどうして、こうもいつも以上にカッコ良く見えてしまうのか。
今日のラス様も御令嬢の注目を集めてしまうんだろうな、と思わせるくらいに素敵だ。
「逃げちゃ駄目ですよ。大事な婚約者に張り付いていてくださいね」
リアがそう言うと、
「ほらラス、アネモネ姫に挨拶は」
ユウマくんがラス様の背中を押した。
すると、アネモネ姫が、ものすごく嫌そうな顔をした。
ラス様を見て嫌がるなんて珍しい、そう思ったら、
「ラスはもういいわ! 散々、小言を言われるしうるさいもの!」
「そう言っていただけて光栄です」
「褒めてるんじゃないわよ!!」
どうやら、ラス様もアネモネ姫をよく知っているようだった。
そういえば、和平交渉の時にも会ってたみたいな話をラス様がしていた事を思い出す。
「相変わらずキャンキャンうるせえな。ユウヤも優しくするから、そいつに付きまとわれんだよ」
「普通にしてるし、拒否してるけどわかってくれねぇんだよ」
「ユウヤをユウマと一緒にしないで! 大体、ユウマが来てからよ。ユウヤはこんな話し方をする人じゃなかったのに!」
アネモネ姫は癇癪を起こし、ユウヤくんの後ろから出てくると、ユウマくんに向かって叫んだ。
「庶子のくせに!!」
「アネモネ姫」
ラス様が眉間にシワを寄せ、彼女に近づこうとするのを、ユウマくんは腕で制すると、笑いながら口を開いた。
「難しい言葉を知ってんだな。だけどよ、私生児との違いの意味はわかってんのか?」
「ユウマくん」
リアがユウヤくんの服の袖を掴むと、リアの手の上に自分の手を重ねて、視線はアネモネ姫に向けたまま続けた。
「父親が認知してるかどうか、だよ。残念ながらオレは、オマエが言うように庶子なんでね。一応、認知してもらってるんだよ、うちの国王陛下に」
「あ……」
さすがのアネモネ姫にも意味が伝わったようだった。
口元に手を当てて青ざめる。
それにしても、勢いとはいえ、他国の王族にそんな事を言うなんて。
お姫様だからって許されることじゃない。
「アネモネ姫、誰かに言伝をしてこちらにいらっしゃってるんですか?」
静まり返った中、ラス様が口を開くと、アネモネ姫はわざとらしいくらいに声を上げた。
「な、何も言ってないわ。きっと、皆が私を探しているわよね! 戻ることにするわ!!」
ユウマくんに謝ることなく、立ち去っていこうとしたアネモネ姫だったけど、やはり思うことがあったのか立ち止まる。
けれど、彼女から出てきた言葉は、私が予想していたような謝罪の言葉ではなかった。
「ユーニ様」
「は、はい」
ぎろりと睨まれて、ついたじろぎながら頷く。
「私と勝負しなさい!」
「は?」
「といっても、私とあなたが戦うんじゃないわ。ユウヤをかけて代理の人間に勝負させるの」
「意味がわかりません!」
本当に何を言っているのか、すぐにはわからなかったけど思い出したことがあり、ラス様の方を見る。
ラス様も同じことを考えていたみたいで、私の隣に立って言った。
「勝負とは?」
「それは今日の宴で発表する事になってるの。だから今は言えないわ。でも、これだけは教えておいてあげる」
なぜか、アネモネ様は胸を張って続けた。
「男女ペアを組むの。だけど対戦相手同士が戦うわけじゃないのよ。もちろん、危険は伴うけれどね。まあ、私の国の代表はラナンとダグラスだから、きっと圧勝でしょうね」
言いたい事だけ言い終えると、アネモネ姫はドレスの裾をもって、逃げるように走り去っていった。
「ラス様、さっき言ってた勝負って」
「たぶん、アスラン王太子殿下が言われてたものでしょうね」
「危険が伴うって言ってたが・・・」
ユウヤくんが呟いて、リアの方を見た。
リアはその視線に気がついて、にっこりと笑う。
「私に出ろって向こうは言ってくるんでしょうね」
「ちなみに、ダグラスってのは?」
ユウマくんがラス様に尋ねる。
そういえば、ラナンとダグラスって言ってたけど、誰なんだろ。
「ラナンはアネモネ姫の護衛騎士の名です。それからダグラスはマヌグリラの騎士隊のリーダーの名前ですね」
「騎士団長とは違うんですか?」
首を傾げて聞くと、
「騎士団の中にもチームがありますからね。そのうちの一つのチームのリーダーです」
ラス様がそう説明してくれた。
「よくわからんが、ペア戦になりそうだな」
「男女ペアなら、リアちゃんが出ないといけない場合はユウマが一緒に出たらいいだろ」
ユウマくんにユウヤくんが言うと、ラス様がなぜか渋い顔をして口元に手を当てたので、気になって尋ねる。
「どうかしました?」
「いや、向こうはユウマの実力を知ってますし、すんなりユウマの参加を認めてもらえるか、と思っただけです」
「大丈夫です! 私一人でも戦えますよ!」
リアは心配そうにしているラス様に、明るい笑顔で言った。
「いや、その時は、あ、いえ、そうならない事を祈ります」
ラス様が頷いたのを確認してから、目的地への移動を開始したのだった。
とりあえず、こちらは大人の対応をしようと思い、お決まりの言葉を述べようとしたけれど、
「そういう堅苦しいのは嫌いなの!」
容赦なく拒否されてしまった。
一体どうすればいいの?
困ってしまい、ユウヤくんの方を見ると、私の手をつかんで言った。
「道を間違えたみたいだし行くか」
「え? あ、うん」
本当は良くないんだろうけど、なんだか面倒になって、二人してこの場から逃げようとしたけど、そんなに簡単に逃してくれるはずもなく、
「ちょっと待ちなさいよ! ユウヤは私よりこの人のどこがいいのよ?!」
アネモネ姫はユウヤくんの腕をつかんで叫ぶ。
「私の方が可愛いじゃない!」
「それは間違ってないですね」
彼女の言葉を私が肯定する。
「好みの問題だよ。オレにはユーニが一番なんだ。アネモネ姫にはオレなんかよりもっといい奴がいるよ」
「嫌よ! 私は昔からユウヤが好きなのよ!」
「その割に、ユウマと間違えた時があったよな」
「そ、それは久しぶりに会ったから! それにすぐに気が付いたじゃない!」
アネモネ姫は一生懸命弁明してるけど、さすがに好きな人を間違えるのはどうかと。
一卵性双生児ならまだしも、ユウヤくんとユウマくんはすぐに見分けられると思うんだけどな。
ユウヤくんに連れられるまま、もと来た道を戻っていくと、リア達と合流した。
「あれ、先に行ってたんじゃないの?」
「ちょっと色々とあって」
リアはユウヤくんの言葉に不思議そうにしたけど、すぐに私の反対側にいる、アネモネ姫に気が付いた。
「えっと、そちらは?」
「私を知らないの?! アネモネ・アンドリッシュよ!」
「え?!」
リアは名を聞いて驚いたあと、慌てて頭を下げた。
「ご尊顔を拝見でき光栄に存じます。リア・ライドと申します」
「あなたも知ってるわ! ユウマの婚約者でキュラスのライバルね!」
ユウヤくんの手を放し、アネモネ姫はリアに近づいていき、値踏みするように彼女を見ると、なぜか悔しそうな顔になった。
「まあ、可愛いわね。私ほどではないけど!」
「あ、ありがとうございます」
「リアの方が可愛いだろ」
静かに見守っていたユウマくんが口を挟むと、アネモネ姫はびくりと体を震わせた。
「な、なんだ、いたのね」
「最初からいたけど?」
アネモネ姫はどうやらユウマくんが苦手のようで、ユウヤくんの後ろにまわり、背中にしがみつく。
「リア、ラス様は?」
「あ、さっき着いたみたい。逃げたのかな、と思ったって言ったら、今すぐにでも逃げれるなら逃げたいって言ってたけど」
「逃げても良かったんですか」
リアの言葉を遮ったのは、当の本人のラス様。
うーん、正装するとどうして、こうもいつも以上にカッコ良く見えてしまうのか。
今日のラス様も御令嬢の注目を集めてしまうんだろうな、と思わせるくらいに素敵だ。
「逃げちゃ駄目ですよ。大事な婚約者に張り付いていてくださいね」
リアがそう言うと、
「ほらラス、アネモネ姫に挨拶は」
ユウマくんがラス様の背中を押した。
すると、アネモネ姫が、ものすごく嫌そうな顔をした。
ラス様を見て嫌がるなんて珍しい、そう思ったら、
「ラスはもういいわ! 散々、小言を言われるしうるさいもの!」
「そう言っていただけて光栄です」
「褒めてるんじゃないわよ!!」
どうやら、ラス様もアネモネ姫をよく知っているようだった。
そういえば、和平交渉の時にも会ってたみたいな話をラス様がしていた事を思い出す。
「相変わらずキャンキャンうるせえな。ユウヤも優しくするから、そいつに付きまとわれんだよ」
「普通にしてるし、拒否してるけどわかってくれねぇんだよ」
「ユウヤをユウマと一緒にしないで! 大体、ユウマが来てからよ。ユウヤはこんな話し方をする人じゃなかったのに!」
アネモネ姫は癇癪を起こし、ユウヤくんの後ろから出てくると、ユウマくんに向かって叫んだ。
「庶子のくせに!!」
「アネモネ姫」
ラス様が眉間にシワを寄せ、彼女に近づこうとするのを、ユウマくんは腕で制すると、笑いながら口を開いた。
「難しい言葉を知ってんだな。だけどよ、私生児との違いの意味はわかってんのか?」
「ユウマくん」
リアがユウヤくんの服の袖を掴むと、リアの手の上に自分の手を重ねて、視線はアネモネ姫に向けたまま続けた。
「父親が認知してるかどうか、だよ。残念ながらオレは、オマエが言うように庶子なんでね。一応、認知してもらってるんだよ、うちの国王陛下に」
「あ……」
さすがのアネモネ姫にも意味が伝わったようだった。
口元に手を当てて青ざめる。
それにしても、勢いとはいえ、他国の王族にそんな事を言うなんて。
お姫様だからって許されることじゃない。
「アネモネ姫、誰かに言伝をしてこちらにいらっしゃってるんですか?」
静まり返った中、ラス様が口を開くと、アネモネ姫はわざとらしいくらいに声を上げた。
「な、何も言ってないわ。きっと、皆が私を探しているわよね! 戻ることにするわ!!」
ユウマくんに謝ることなく、立ち去っていこうとしたアネモネ姫だったけど、やはり思うことがあったのか立ち止まる。
けれど、彼女から出てきた言葉は、私が予想していたような謝罪の言葉ではなかった。
「ユーニ様」
「は、はい」
ぎろりと睨まれて、ついたじろぎながら頷く。
「私と勝負しなさい!」
「は?」
「といっても、私とあなたが戦うんじゃないわ。ユウヤをかけて代理の人間に勝負させるの」
「意味がわかりません!」
本当に何を言っているのか、すぐにはわからなかったけど思い出したことがあり、ラス様の方を見る。
ラス様も同じことを考えていたみたいで、私の隣に立って言った。
「勝負とは?」
「それは今日の宴で発表する事になってるの。だから今は言えないわ。でも、これだけは教えておいてあげる」
なぜか、アネモネ様は胸を張って続けた。
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言いたい事だけ言い終えると、アネモネ姫はドレスの裾をもって、逃げるように走り去っていった。
「ラス様、さっき言ってた勝負って」
「たぶん、アスラン王太子殿下が言われてたものでしょうね」
「危険が伴うって言ってたが・・・」
ユウヤくんが呟いて、リアの方を見た。
リアはその視線に気がついて、にっこりと笑う。
「私に出ろって向こうは言ってくるんでしょうね」
「ちなみに、ダグラスってのは?」
ユウマくんがラス様に尋ねる。
そういえば、ラナンとダグラスって言ってたけど、誰なんだろ。
「ラナンはアネモネ姫の護衛騎士の名です。それからダグラスはマヌグリラの騎士隊のリーダーの名前ですね」
「騎士団長とは違うんですか?」
首を傾げて聞くと、
「騎士団の中にもチームがありますからね。そのうちの一つのチームのリーダーです」
ラス様がそう説明してくれた。
「よくわからんが、ペア戦になりそうだな」
「男女ペアなら、リアちゃんが出ないといけない場合はユウマが一緒に出たらいいだろ」
ユウマくんにユウヤくんが言うと、ラス様がなぜか渋い顔をして口元に手を当てたので、気になって尋ねる。
「どうかしました?」
「いや、向こうはユウマの実力を知ってますし、すんなりユウマの参加を認めてもらえるか、と思っただけです」
「大丈夫です! 私一人でも戦えますよ!」
リアは心配そうにしているラス様に、明るい笑顔で言った。
「いや、その時は、あ、いえ、そうならない事を祈ります」
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