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39 アネモネ姫登場
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私があの時、イヤーカフでラス様に連絡する前の話をリアが説明すると、ラス様が表情を歪める。
「そういえば、マヌグリラの王家の剣を返しましたね。あの時がありましたか・・・・・」
「うう、忘れてました・・・。ごめんなさい」
「リアさんが謝ることではないですよ」
「そうだって。リアちゃんはユーニを守ろうとしてくれたんだろ?」
しょげるリアの頭をユウヤくんが優しく撫でる。
「そうだよ。リアがいなかったら私はまあ、回復魔法使えるから死ななかったかもしれないけど、絶対に痛い思いしてたし」
考えたらあの時、アスラン王太子殿下はリアが止めなかったら、ちゃんと助けてくれたんだろうか。
今、思うとゾッとするけど、どうやら悪い人でもなさそうだし、いや、でも、嘘でもあんな風にする必要あったかな。
「そう言ってくれるのはありがたいけど・・・・、まあ、そうだね! もう過ぎたことはしょうがないか!」
リアは開き直ったようにそう言うと、いつもの明るい笑顔に戻って続ける。
「よっしゃ、どんな試練でもどんと来いだわ!」
「あんま無理はすんなよ?」
「大丈夫よ!」
リアは明るく言うけど、ユウマくんはどこかまだ心配そう。
ユウマくんの気持ちもわかる。
果たし状を送りつけてくるという事や、女性で騎士という事はきっと色んな意味で強そうなイメージ。
もちろん、リアも気は強いけど騎士ではないし、体格だってそう大きいわけじゃない。
というか、身長はある方かもしれないけど、すごく細いし。
相手の女の人はどんな人なんだろう?
「大丈夫よ」
リアは不安そうにしている私に気が付いて、にっこり笑ってくれた。
次の日、今晩は顔合わせも兼ねての晩餐会を催してくれるらしく、私達も完全装備で城へと向かった。
まあ、装備といっても、ドレスやアクセサリーと化粧だけど。
馬車を降りると正装姿のユウヤくんが待ってくれていて、手を差し出してくれた。
いつもなら、ぴょんと飛び降りちゃうけど、ここは異国の地だし、何より私にとって戦いの場だから、ちゃんとしなくては!
誰に見られているかわからないし。
「ありがとう」
ユウヤくんの手の上に自分の手を重ねて微笑む。
「今日は、なんか、違うな」
「え、そうかな?」
「ああ。可愛いっつーより綺麗だ」
「えっ?! あ、えっと、ありがと」
ユウヤくんがなんだか可愛く笑って言うから、頬が熱くなる。
綺麗だなんて、言われたのは初めてだし嬉しい。
エスコートしてもらった状態で、リア達を待たずにユウヤくんが歩いていこうとするから、私は足を止める。
「リア達がまだだよ」
「なんか話があるから先に行っててくれって、ユウマは言ってたけど」
「ふぅん」
リアの方を見ると、今日は髪をアップにせず全部おろしているから、本当のお姫様みたい。
横にいるユウマくんも正装で前髪を上げているから、いつもよりカッコ良く見えるし、二人が並んでいるのは何度見ても目の保養になる。
そんな二人は何やら真剣な表情で会話をしていて、邪魔しても悪いから、ラス様の姿を探す。
「ラス様は?」
「まだ来てないみたいだな」
「宿から出る時はすぐに追いつきます、って言ってたのに」
「とりあえず先に行くぞ」
「うん」
今日は顔合わせもあるみたいだけど、私としてはラス様がいるからお断りします、という事で、ちゃんと紹介できるように一緒に来てもらう事になったんだけど、まさか、嫌になって逃げたんじゃないよね?
ラス様はそんな人じゃないよね?
ちょっと不安になってきた。
いや、でも真面目だし、何も言わずに逃げ出すことのほうが嫌がるか。
そんな事を考えていたら、いつの間にか城の中に入っていた。
お城の外見も内側もアダルシュのお城と変わりはあまり変わらないようにも思える。
まだ、エントランスだからだろうか。
もちろん装飾品だったり、中のつくりは違うけど。
時間が早いからか、招待客らしき人は見当たらず、準備の最中なのか、メイドさん達が行き交っている。
「ユウヤくんは昨日はどこに泊まったの?」
「昨日は別棟」
「というか、ダンスホールはどこにあるの?」
「あっち、って」
ユウヤくんが後ろを振り返った瞬間。
「きゃー、ユウヤ、会いたかったー!」
がばっ。
突然、可愛らしい顔立ちの小柄な女の子がユウヤくんの首に抱きついた。
「好き好き! 会いたかった! ユウヤはどうだった?」
私よりも少し年下だろうか、ユウヤくんの瞳と同じ紅色のプリンセスラインのドレスに身を包み、さらさらの長い黒髪につけている花のコサージュも紅色で、彼女の今の行動通りユウヤくんへの愛を感じられる出で立ち。
「残念ながらオレは会いたくなかった」
ユウヤくんに飛びついて、必死に顔にキスをしようとしてくる女の子の顔をユウヤくんはおさえつけていたけど、呆気にとられている私に気が付いて、突然慌て始めた。
「ユーニ! これは違うからな!」
「え?」
何が違うの?
とりあえず、仲良さそうには見えないんだけど、もしかして私が妬いてると思ってる?
「大丈夫だよ。びっくりしただけだから」
「それはそれで悲しいんだが」
私が笑いながら手を横に振ると、ユウヤくんは女の子を無理矢理、自分から引き剥がすと、私に向かってくるなり抱きしめてきた。
「ちょっと! 人前だよ」
「いいんだよ」
私のあごをつかんでキスしようとしてきたので、手でユウヤくんの口を塞ぐ。
「駄目!」
「なんで」
「というか、今ここでそれをする意味がわからないよ」
「つーか、もうちょっと、なんか反応があってもいいんじゃねぇの?」
なぜか不貞腐れたようにユウヤくんは言う。
うーん。
これはヤキモチを妬いて欲しかったって事なのかな?
でもそれってユウヤくんを信じてないって風にも思えるから。
「私はユウヤくんを信じてるんだけど?」
「・・・・・やばい。やっぱ可愛い」
「えっ?!」
上目遣いで言ってみたところ、予想以上に喜んでくれたようで、私にとっては名もしらぬ女の子の前で、再度抱きしめられてしまった。
「ちょっ、ユウヤくん!」
「ユウヤ! 私がいるんだけど!」
女の子は頬を膨らませながら、私達に近付いてくると、ユウヤくんの腕をつかみ叫ぶ。
「誰なの、この女!」
睨まれた上に指をさされたので、ついつい眉をひそめてしまう。
何より、キャンキャンわめかれると耳に響く。
リアなら毒舌掃いてるだろうな。
なんて、呑気な事を考えた。
「あの、こんな格好で申し訳ありません。私、ユウヤ殿下の婚約者の」
抱きしめられたままの状態で、挨拶をしようとすると、
「婚約者なら名前は知ってるわ! ユーニ様でしょ! あなたがいなかったら、ユウヤは私のものだったのに!」
私の顔の前に指を突きつけて叫んだ。
「それは申し訳ありませんでした」
「ユーニ」
心配そうな顔でユウヤくんが見てくるから、無言で頷く。
私自身は不安にならないくらいの愛情をユウヤくんから受け取ってるつもりでいる。
返せるときは返さないと。
というか、この子だれ?
「あの、失礼ですが」
私が口を開くと、その先の言葉をユウヤくんが察してくれて耳打ちしてくる。
「アネモネ・アンドリッシュ」
「え?!」
その名を聞いて、思わず耳を疑った。
ということは、目の前にいる彼女が、マヌグリラのお姫様?!
「そういえば、マヌグリラの王家の剣を返しましたね。あの時がありましたか・・・・・」
「うう、忘れてました・・・。ごめんなさい」
「リアさんが謝ることではないですよ」
「そうだって。リアちゃんはユーニを守ろうとしてくれたんだろ?」
しょげるリアの頭をユウヤくんが優しく撫でる。
「そうだよ。リアがいなかったら私はまあ、回復魔法使えるから死ななかったかもしれないけど、絶対に痛い思いしてたし」
考えたらあの時、アスラン王太子殿下はリアが止めなかったら、ちゃんと助けてくれたんだろうか。
今、思うとゾッとするけど、どうやら悪い人でもなさそうだし、いや、でも、嘘でもあんな風にする必要あったかな。
「そう言ってくれるのはありがたいけど・・・・、まあ、そうだね! もう過ぎたことはしょうがないか!」
リアは開き直ったようにそう言うと、いつもの明るい笑顔に戻って続ける。
「よっしゃ、どんな試練でもどんと来いだわ!」
「あんま無理はすんなよ?」
「大丈夫よ!」
リアは明るく言うけど、ユウマくんはどこかまだ心配そう。
ユウマくんの気持ちもわかる。
果たし状を送りつけてくるという事や、女性で騎士という事はきっと色んな意味で強そうなイメージ。
もちろん、リアも気は強いけど騎士ではないし、体格だってそう大きいわけじゃない。
というか、身長はある方かもしれないけど、すごく細いし。
相手の女の人はどんな人なんだろう?
「大丈夫よ」
リアは不安そうにしている私に気が付いて、にっこり笑ってくれた。
次の日、今晩は顔合わせも兼ねての晩餐会を催してくれるらしく、私達も完全装備で城へと向かった。
まあ、装備といっても、ドレスやアクセサリーと化粧だけど。
馬車を降りると正装姿のユウヤくんが待ってくれていて、手を差し出してくれた。
いつもなら、ぴょんと飛び降りちゃうけど、ここは異国の地だし、何より私にとって戦いの場だから、ちゃんとしなくては!
誰に見られているかわからないし。
「ありがとう」
ユウヤくんの手の上に自分の手を重ねて微笑む。
「今日は、なんか、違うな」
「え、そうかな?」
「ああ。可愛いっつーより綺麗だ」
「えっ?! あ、えっと、ありがと」
ユウヤくんがなんだか可愛く笑って言うから、頬が熱くなる。
綺麗だなんて、言われたのは初めてだし嬉しい。
エスコートしてもらった状態で、リア達を待たずにユウヤくんが歩いていこうとするから、私は足を止める。
「リア達がまだだよ」
「なんか話があるから先に行っててくれって、ユウマは言ってたけど」
「ふぅん」
リアの方を見ると、今日は髪をアップにせず全部おろしているから、本当のお姫様みたい。
横にいるユウマくんも正装で前髪を上げているから、いつもよりカッコ良く見えるし、二人が並んでいるのは何度見ても目の保養になる。
そんな二人は何やら真剣な表情で会話をしていて、邪魔しても悪いから、ラス様の姿を探す。
「ラス様は?」
「まだ来てないみたいだな」
「宿から出る時はすぐに追いつきます、って言ってたのに」
「とりあえず先に行くぞ」
「うん」
今日は顔合わせもあるみたいだけど、私としてはラス様がいるからお断りします、という事で、ちゃんと紹介できるように一緒に来てもらう事になったんだけど、まさか、嫌になって逃げたんじゃないよね?
ラス様はそんな人じゃないよね?
ちょっと不安になってきた。
いや、でも真面目だし、何も言わずに逃げ出すことのほうが嫌がるか。
そんな事を考えていたら、いつの間にか城の中に入っていた。
お城の外見も内側もアダルシュのお城と変わりはあまり変わらないようにも思える。
まだ、エントランスだからだろうか。
もちろん装飾品だったり、中のつくりは違うけど。
時間が早いからか、招待客らしき人は見当たらず、準備の最中なのか、メイドさん達が行き交っている。
「ユウヤくんは昨日はどこに泊まったの?」
「昨日は別棟」
「というか、ダンスホールはどこにあるの?」
「あっち、って」
ユウヤくんが後ろを振り返った瞬間。
「きゃー、ユウヤ、会いたかったー!」
がばっ。
突然、可愛らしい顔立ちの小柄な女の子がユウヤくんの首に抱きついた。
「好き好き! 会いたかった! ユウヤはどうだった?」
私よりも少し年下だろうか、ユウヤくんの瞳と同じ紅色のプリンセスラインのドレスに身を包み、さらさらの長い黒髪につけている花のコサージュも紅色で、彼女の今の行動通りユウヤくんへの愛を感じられる出で立ち。
「残念ながらオレは会いたくなかった」
ユウヤくんに飛びついて、必死に顔にキスをしようとしてくる女の子の顔をユウヤくんはおさえつけていたけど、呆気にとられている私に気が付いて、突然慌て始めた。
「ユーニ! これは違うからな!」
「え?」
何が違うの?
とりあえず、仲良さそうには見えないんだけど、もしかして私が妬いてると思ってる?
「大丈夫だよ。びっくりしただけだから」
「それはそれで悲しいんだが」
私が笑いながら手を横に振ると、ユウヤくんは女の子を無理矢理、自分から引き剥がすと、私に向かってくるなり抱きしめてきた。
「ちょっと! 人前だよ」
「いいんだよ」
私のあごをつかんでキスしようとしてきたので、手でユウヤくんの口を塞ぐ。
「駄目!」
「なんで」
「というか、今ここでそれをする意味がわからないよ」
「つーか、もうちょっと、なんか反応があってもいいんじゃねぇの?」
なぜか不貞腐れたようにユウヤくんは言う。
うーん。
これはヤキモチを妬いて欲しかったって事なのかな?
でもそれってユウヤくんを信じてないって風にも思えるから。
「私はユウヤくんを信じてるんだけど?」
「・・・・・やばい。やっぱ可愛い」
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上目遣いで言ってみたところ、予想以上に喜んでくれたようで、私にとっては名もしらぬ女の子の前で、再度抱きしめられてしまった。
「ちょっ、ユウヤくん!」
「ユウヤ! 私がいるんだけど!」
女の子は頬を膨らませながら、私達に近付いてくると、ユウヤくんの腕をつかみ叫ぶ。
「誰なの、この女!」
睨まれた上に指をさされたので、ついつい眉をひそめてしまう。
何より、キャンキャンわめかれると耳に響く。
リアなら毒舌掃いてるだろうな。
なんて、呑気な事を考えた。
「あの、こんな格好で申し訳ありません。私、ユウヤ殿下の婚約者の」
抱きしめられたままの状態で、挨拶をしようとすると、
「婚約者なら名前は知ってるわ! ユーニ様でしょ! あなたがいなかったら、ユウヤは私のものだったのに!」
私の顔の前に指を突きつけて叫んだ。
「それは申し訳ありませんでした」
「ユーニ」
心配そうな顔でユウヤくんが見てくるから、無言で頷く。
私自身は不安にならないくらいの愛情をユウヤくんから受け取ってるつもりでいる。
返せるときは返さないと。
というか、この子だれ?
「あの、失礼ですが」
私が口を開くと、その先の言葉をユウヤくんが察してくれて耳打ちしてくる。
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ということは、目の前にいる彼女が、マヌグリラのお姫様?!
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