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52 なんとかなりそうで良かった!
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「あ、あの、大丈夫ですよ! 入ってください。私も謝りたいことがあるので」
「いえ、そうなるとまた二人きりになりますし」
「そ、そうですけど、なんか今更ですよ?」
「しかも女性の寝室ですから駄目ですよ」
こんな事を言っては駄目なんだろうけど、ラス様がおどおどしている感じで、なんだか可愛らしく思える。
「大丈夫ですってば」
「大丈夫じゃなかったから、あんな事したんですよ」
ラス様はあの時の事を思い出したのか、口元を手でおさえて横を向いてしまう。
うう。
いや、それは私もわかってますけど。
あれは、元々は私が悪いのだし。
「あの、じゃあ私が部屋の外に出ますよ」
「駄目ですよ! 寝ていてください! 薬に抗おうとして、脳に負担がきたはずですから」
「じゃあ、こっちに来てくださいよ。来てくれないんなら行きます」
ベッドからおりようとすると観念したのか、ラス様は部屋に入ってきたけど扉は開けたままで、ベッドからだいぶ離れた所に立った。
私も、もぞもぞとベッドの上に起き上がって正座をする。
「ユーニさん、寝ていてください、と言いましたが」
「いえ、まずは謝らせてください」
「謝る?」
「本当に申し訳ございませんでした」
身体を折り曲げて、両手をつけて謝った。
私とキスするなんて、ラス様にしてみれば、それはもう迷惑だっただろう。
本当に申し訳ない。
「どうしてユーニさんが謝るんですか」
「え?! そりゃ謝らないと駄目でしょ? あんなものを食べて、ラス様を困らせたんですから」
食べ物には注意しないといけないとわかってたのに、気を抜いてしまった。
「ユーニさんは悪くありません。私が悪いんです」
ラス様はそこで言葉を止めて、深々と頭を下げた。
「俺の意志が弱かったから、あなたに手を出してしまいました。誠に申し訳ございませんでした」
「ちょっ! ちょっと待って下さい! ラス様は悪くないですってば! その、先にキスしちゃったのは私ですから」
う。
うわあ。
口に出すと、あの時の事が思い出されて、ひっくり返りってもがきたくなる。
「いやでも、その、俺からも、しましたし」
頭を下げたまま、ラス様も照れているのか、カタコトになってしまっている。
どうしよう。
なんて答えたらいいのか。
恥ずかしい!!
「おいおい、付き合い始めのカップルかよ」
突然、扉の向こうから顔を出したのは、ユウマくん。
い、いつからいたの?!
「いつから聞いてた?!」
ラス様が頭を上げて、ユウマくんのところに行き、首をつかんだ。
「お、落ち着けって! オマエの謝罪くらいからだから、そんなに聞いてねぇよ」
「聞かれたくないとこをバッチリ聞かれてんだよ!」
「ちょっ! ユーニちゃん、ラスを止めてくれ!」
聞かれていた事が恥ずかしくて固まっていた私だけれど、ユウマくんの助けを求める声で我に返った。
「だ、だめですよ、ラス様!」
起き上がって、二人のところに裸足で駆け寄り、ラス様の腕をつかんだ。
「・・・・・わかりました。というか、あなたは大人しく寝ていて下さい」
ラス様は少し不服そうにしながらも、ユウマくんから手を放したところで、ユウヤくんが帰ってきた。
「何してんだよ、そんな所で。スープは今、頼んできた」
「何でもありません」
「何でもなかったかなぁ」
ユウマくんがまだ茶化そうとするから、ラス様が睨むと口を閉ざした。
「ユーニさん、謝罪はまた改めて。ユウマ殿下を連れて、リアさんの所へ戻ります」
「あ、あの謝罪なんていいですよ!」
「ですが」
「では、お互い様、という事でどうでしょうか?」
良い案が浮かんだ! と思って言ってみたら、ラス様はきょとんとした顔をしたあと、すぐに笑った。
「そうですね。そう言っていただけるならありがたいです」
「いえいえ、こちらこそ」
「なんだよ、二人で。というか、ユーニも寝てないと駄目だろ」
ユウヤくんが拗ねた顔をしながら、私の身体を抱きかかえた。
いわゆる、お姫様抱っこというやつ。
「うわぁ! 大丈夫、歩けるよ!」
「こうでもしねぇと大人しくしてないだろ」
「ね、ユウヤくん、私もリアのとこ行きたいんだけど」
「ちゃんとスープ飲んで、リアちゃんが起きたらな」
子供に言い聞かせるような優しい口調で言われてしまい、私は大人しくユウヤくんにベッドに戻されたのだった。
それから約一時間後くらいに、リアが目を覚ましたという知らせを聞いた。
まずは、パニックになっているリアを落ち着かせたあとに、ユウマくんとラス様が、リアに何が起こったかを説明し、彼女が理解してから、私もリアに会っても良い、という段取りになった。
「ユーニちゃん、お待たせ」
しばらくして、ユウマくんが私の部屋まで呼びに来てくれたので、私は寝間着のまま、ユウヤくんと一緒にリアの部屋へ向かった。
「ユーニ!」
「リア!」
ベッドの上で上半身を起こしていたリアに、私は飛びつくようにして彼女の身体を抱きしめた。
リアもぎゅうっと、私の背中に腕をまわしてくれる。
「ごめんね。話は聞いたよ。私が食べるかなんて聞かなかったら良かった」
「そんな事ないよ! 食べるって言ったのは私だし、それに」
言葉を区切ると、リアの耳元に口を持っていって小さな声で言った。
「嫌じゃなかったから」
「?! えっ! どういう事?!」
リアの顔を見ると、それはもうニヤニヤした顔になっていて、彼女が少しでも悲しまなくていいように、と思って言った事をすごく後悔した。
「お二人共、興奮すると、また身体に障りますよ」
「はーい!」
ラス様に二人で声をそろえて返事をしたあと、私はリアからはなれる。
でも、思ったよりもリアが元気そうで良かった。
アレンくんのと事で落ち込んでいるんじゃないかと思ったから。
「ユーニが媚薬を食べた時にいた相手が、ラス様で良かったです。全然、知らない人だったり、嫌いな人だったりしたら、私」
「そう言っていただけてありがたいですが、どんな場合だったとしても、あなたのせいじゃありませんから」
ラス様がベッドの横にしゃがむと、リアの手を優しくとって言った。
「ラ、ラス様ぁ」
「というか、ごめんな、リアちゃん。悪いのはアレンだ。夫を二人にしろだなんて言うこと自体もおかしかったが、今回はひどすぎる」
泣き出しそうな顔をするリアに、ユウヤくんが謝ってからリアの頭をぽんぽんと撫でる。
「ありがとう! ユウヤくんもユーニの件、ごめんね」
「だから、リアちゃんのせいじゃないって」
「そういや、あっちの件はどうにかなりそうか?」
ユウマくんがリアの手を握っていたラス様の手をさりげなくはなさせて、自分が代わりにリアの手を握り直しながら、ラス様に尋ねた。
「根回しはします。ちょうどいいコネがありますので」
「どういう事ですか?」
ラス様の返答に、今度は私が聞き返すと、口元に笑みを浮かべて答えてくれた。
「婚姻届に関しては、結局は役所に届けをして認められなければ意味がありません。という事は役所が受け取ったとしても、それを認めないと判断した場合どうなります?」
「もしかして、無効に出来るんですか?」
「ここ最近、相手の意思を無視して、勝手に婚姻届を提出する人が増えているそうで、時間は少しかかりますが、本人に確認がいきます」
「じゃあ、リアがそれを拒否すればいいんですね!」
「そうなります」
良かった!
胸の前で手を合わせて、リアの方を振り向くと、笑顔を返してくれた。
「ユーニさんとリアさんもご存知の子爵令嬢のお兄さんが、役所に勤めておられるので、もしそのような動きがあった場合、いち早く教えてもらえるよう根回ししました。王族の結婚なんて、部署が違ってもすぐにわかりますからね」
子爵令嬢、ということは、最近友達になった、あの子のことかな?
今度、会ったらお礼を言わなくちゃ。
心配事がなくなって、ホッとした途端、ぐるるる、とお腹が鳴った。
「ユーニ、お腹へってたの? ちゃんと食べた?」
「スープを食べただけ! リア、なんか一緒に食べよう! お菓子以外で!」
「そうね、お肉食べよ!」
リアが手を叩いて言うと、ラス様が呆れた顔で言う。
「いきなりそんな脂っこいものを食べて大丈夫なんですか」
「好きなものは別腹ですー。あ、リアも着替えなくちゃ駄目だよね。ラス様とユウヤくんも出ましょ」
二人の手をつかんで引っ張ると、ホッとしたみたいな顔をしてから、優しく笑ってくれた。
「いえ、そうなるとまた二人きりになりますし」
「そ、そうですけど、なんか今更ですよ?」
「しかも女性の寝室ですから駄目ですよ」
こんな事を言っては駄目なんだろうけど、ラス様がおどおどしている感じで、なんだか可愛らしく思える。
「大丈夫ですってば」
「大丈夫じゃなかったから、あんな事したんですよ」
ラス様はあの時の事を思い出したのか、口元を手でおさえて横を向いてしまう。
うう。
いや、それは私もわかってますけど。
あれは、元々は私が悪いのだし。
「あの、じゃあ私が部屋の外に出ますよ」
「駄目ですよ! 寝ていてください! 薬に抗おうとして、脳に負担がきたはずですから」
「じゃあ、こっちに来てくださいよ。来てくれないんなら行きます」
ベッドからおりようとすると観念したのか、ラス様は部屋に入ってきたけど扉は開けたままで、ベッドからだいぶ離れた所に立った。
私も、もぞもぞとベッドの上に起き上がって正座をする。
「ユーニさん、寝ていてください、と言いましたが」
「いえ、まずは謝らせてください」
「謝る?」
「本当に申し訳ございませんでした」
身体を折り曲げて、両手をつけて謝った。
私とキスするなんて、ラス様にしてみれば、それはもう迷惑だっただろう。
本当に申し訳ない。
「どうしてユーニさんが謝るんですか」
「え?! そりゃ謝らないと駄目でしょ? あんなものを食べて、ラス様を困らせたんですから」
食べ物には注意しないといけないとわかってたのに、気を抜いてしまった。
「ユーニさんは悪くありません。私が悪いんです」
ラス様はそこで言葉を止めて、深々と頭を下げた。
「俺の意志が弱かったから、あなたに手を出してしまいました。誠に申し訳ございませんでした」
「ちょっ! ちょっと待って下さい! ラス様は悪くないですってば! その、先にキスしちゃったのは私ですから」
う。
うわあ。
口に出すと、あの時の事が思い出されて、ひっくり返りってもがきたくなる。
「いやでも、その、俺からも、しましたし」
頭を下げたまま、ラス様も照れているのか、カタコトになってしまっている。
どうしよう。
なんて答えたらいいのか。
恥ずかしい!!
「おいおい、付き合い始めのカップルかよ」
突然、扉の向こうから顔を出したのは、ユウマくん。
い、いつからいたの?!
「いつから聞いてた?!」
ラス様が頭を上げて、ユウマくんのところに行き、首をつかんだ。
「お、落ち着けって! オマエの謝罪くらいからだから、そんなに聞いてねぇよ」
「聞かれたくないとこをバッチリ聞かれてんだよ!」
「ちょっ! ユーニちゃん、ラスを止めてくれ!」
聞かれていた事が恥ずかしくて固まっていた私だけれど、ユウマくんの助けを求める声で我に返った。
「だ、だめですよ、ラス様!」
起き上がって、二人のところに裸足で駆け寄り、ラス様の腕をつかんだ。
「・・・・・わかりました。というか、あなたは大人しく寝ていて下さい」
ラス様は少し不服そうにしながらも、ユウマくんから手を放したところで、ユウヤくんが帰ってきた。
「何してんだよ、そんな所で。スープは今、頼んできた」
「何でもありません」
「何でもなかったかなぁ」
ユウマくんがまだ茶化そうとするから、ラス様が睨むと口を閉ざした。
「ユーニさん、謝罪はまた改めて。ユウマ殿下を連れて、リアさんの所へ戻ります」
「あ、あの謝罪なんていいですよ!」
「ですが」
「では、お互い様、という事でどうでしょうか?」
良い案が浮かんだ! と思って言ってみたら、ラス様はきょとんとした顔をしたあと、すぐに笑った。
「そうですね。そう言っていただけるならありがたいです」
「いえいえ、こちらこそ」
「なんだよ、二人で。というか、ユーニも寝てないと駄目だろ」
ユウヤくんが拗ねた顔をしながら、私の身体を抱きかかえた。
いわゆる、お姫様抱っこというやつ。
「うわぁ! 大丈夫、歩けるよ!」
「こうでもしねぇと大人しくしてないだろ」
「ね、ユウヤくん、私もリアのとこ行きたいんだけど」
「ちゃんとスープ飲んで、リアちゃんが起きたらな」
子供に言い聞かせるような優しい口調で言われてしまい、私は大人しくユウヤくんにベッドに戻されたのだった。
それから約一時間後くらいに、リアが目を覚ましたという知らせを聞いた。
まずは、パニックになっているリアを落ち着かせたあとに、ユウマくんとラス様が、リアに何が起こったかを説明し、彼女が理解してから、私もリアに会っても良い、という段取りになった。
「ユーニちゃん、お待たせ」
しばらくして、ユウマくんが私の部屋まで呼びに来てくれたので、私は寝間着のまま、ユウヤくんと一緒にリアの部屋へ向かった。
「ユーニ!」
「リア!」
ベッドの上で上半身を起こしていたリアに、私は飛びつくようにして彼女の身体を抱きしめた。
リアもぎゅうっと、私の背中に腕をまわしてくれる。
「ごめんね。話は聞いたよ。私が食べるかなんて聞かなかったら良かった」
「そんな事ないよ! 食べるって言ったのは私だし、それに」
言葉を区切ると、リアの耳元に口を持っていって小さな声で言った。
「嫌じゃなかったから」
「?! えっ! どういう事?!」
リアの顔を見ると、それはもうニヤニヤした顔になっていて、彼女が少しでも悲しまなくていいように、と思って言った事をすごく後悔した。
「お二人共、興奮すると、また身体に障りますよ」
「はーい!」
ラス様に二人で声をそろえて返事をしたあと、私はリアからはなれる。
でも、思ったよりもリアが元気そうで良かった。
アレンくんのと事で落ち込んでいるんじゃないかと思ったから。
「ユーニが媚薬を食べた時にいた相手が、ラス様で良かったです。全然、知らない人だったり、嫌いな人だったりしたら、私」
「そう言っていただけてありがたいですが、どんな場合だったとしても、あなたのせいじゃありませんから」
ラス様がベッドの横にしゃがむと、リアの手を優しくとって言った。
「ラ、ラス様ぁ」
「というか、ごめんな、リアちゃん。悪いのはアレンだ。夫を二人にしろだなんて言うこと自体もおかしかったが、今回はひどすぎる」
泣き出しそうな顔をするリアに、ユウヤくんが謝ってからリアの頭をぽんぽんと撫でる。
「ありがとう! ユウヤくんもユーニの件、ごめんね」
「だから、リアちゃんのせいじゃないって」
「そういや、あっちの件はどうにかなりそうか?」
ユウマくんがリアの手を握っていたラス様の手をさりげなくはなさせて、自分が代わりにリアの手を握り直しながら、ラス様に尋ねた。
「根回しはします。ちょうどいいコネがありますので」
「どういう事ですか?」
ラス様の返答に、今度は私が聞き返すと、口元に笑みを浮かべて答えてくれた。
「婚姻届に関しては、結局は役所に届けをして認められなければ意味がありません。という事は役所が受け取ったとしても、それを認めないと判断した場合どうなります?」
「もしかして、無効に出来るんですか?」
「ここ最近、相手の意思を無視して、勝手に婚姻届を提出する人が増えているそうで、時間は少しかかりますが、本人に確認がいきます」
「じゃあ、リアがそれを拒否すればいいんですね!」
「そうなります」
良かった!
胸の前で手を合わせて、リアの方を振り向くと、笑顔を返してくれた。
「ユーニさんとリアさんもご存知の子爵令嬢のお兄さんが、役所に勤めておられるので、もしそのような動きがあった場合、いち早く教えてもらえるよう根回ししました。王族の結婚なんて、部署が違ってもすぐにわかりますからね」
子爵令嬢、ということは、最近友達になった、あの子のことかな?
今度、会ったらお礼を言わなくちゃ。
心配事がなくなって、ホッとした途端、ぐるるる、とお腹が鳴った。
「ユーニ、お腹へってたの? ちゃんと食べた?」
「スープを食べただけ! リア、なんか一緒に食べよう! お菓子以外で!」
「そうね、お肉食べよ!」
リアが手を叩いて言うと、ラス様が呆れた顔で言う。
「いきなりそんな脂っこいものを食べて大丈夫なんですか」
「好きなものは別腹ですー。あ、リアも着替えなくちゃ駄目だよね。ラス様とユウヤくんも出ましょ」
二人の手をつかんで引っ張ると、ホッとしたみたいな顔をしてから、優しく笑ってくれた。
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