愛しているなら何でもできる? どの口が言うのですか

風見ゆうみ

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番外編

元夫の両親のその後③

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「どうして謝るんですか?」

 理由がわからなくて尋ねると、ランドウ様はテーブルに額を付けて、また謝罪の言葉を口にする。

「申し訳ございませんでした。謝りますから勘弁してください」
「勘弁してくださいの意味がわかりません。それよりもパトロア様の具合はどうなのですか」

 ランドウ様は私の質問に答えるために、額をテーブルから離しはしたけれど、俯いた状態で話し始める。

「良くはありません。正気に戻ったり、突然、変なことを言い出したりして大変です。薬を飲ませれば落ち着くかもしれませんが、そんな高価なものを買うお金はありません」

 現在のリグマ伯爵から、仕送りをもらってはいるけれど、薬を買うお金まではないとのことだった。

「ですから、もう、あなたに何もお渡しすることはできません。息子が本当に申し訳ございませんでした。そして、あの時、息子を止めなかった私も悪いのです。本当に申し訳ございませんでした」

 ランドウ様は顔を上げたかと思うと、大粒の涙を流して謝罪した。

「今更、あなたたちからお金をとろうだなんて思っていません」
「あの時、息子の浮気を責めずに、理解を示さないあなたを責めたことを本当に後悔しています」

 ランドウ様は立ち上がると、床に額を付けて謝ってきた。
 周りの人が驚いた顔をして、こちらを見てくる。

「あの、ランドウ様、やめてください」
「おい。そういうのは卑怯だぞ。席にもどれ」

 フェリックスに冷たく言われ、ランドウ様は慌てて立ち上がり、席に座り直した。

 周囲の目が気になるので、小声で話しかける。

「私が聞きたいのはパトロア様のことです。私に話したいことがあるそうですが、どんな話なのでしょうか」
「………息子を返してほしいと言っています」
「息子を返してほしいと言われましても……。ロン様の症状は良くなっているのですか」
「かなり、落ち着いてきています。あまりにも辛い出来事だったのか、ロンはあなたのことを記憶から消し去ろうとしているようです」

 予想していなかった話を聞いて、私とフェリックスは思わず顔を見合わせた。

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