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10 王女からのふざけた手紙
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シアルリアの誕生日パーティー当日の朝は朝から晴天で、少し暑く感じるくらいだった。シアルリアは起きてからずっと、今日のパーティーの準備で忙しかったが、ブレイズは違った。
城の中庭で虫を追いかけてはしゃぐ彼の声が聞こえてくるたびに、転んだりしないかと準備を中断して2階の窓辺から見守った。
「陛下は今日もお元気そうですね」
メイドに話しかけられ、シアルリアは微笑んでうなずく。
「体は大人だから、最初は戸惑ったけど今では可愛らしく思えるのよね。だけど、可愛いと言ったら怒るのよ」
「お嫁さんにはカッコいいと思ってほしいのでしょう」
「そんなものかしら」
「陛下は心は子供のままですから」
「……そうよね」
ブレイズと過ごせば過ごすほどに、違和感を感じているシアルリアだが、未だに打ち明けられないでいる。ベルノスとも話す機会がなくて、今日まで何も言えずにいた。
「ブレイズ陛下は……」
(記憶が戻っているのではないかしら。しかも、つい最近ではなくもっと前に)
自分にそのことを伝えてくれないのは、まだ信用されていないからだろうと思うと、少し悲しくなった。
「シアルリア様、どうかされましたか?」
「ごめんなさい。準備をしないと間に合わないわね!」
気持ちを切り替え、髪を結ってもらおうとした時、ブレイズの怒声が聞こえてきた。
「どうしてこんな馬鹿なことが言えるんだよ!」
「陛下、落ち着いてください。一体、何が書かれていたのですか?」
すぐにベルノスの声も耳に届き、シアルリアはメイドに謝ってから窓辺に近づいた。
「やっぱり俺の妻になりたいって言ってる! しかも、シアの元婚約者をシアに返すって言ってるんだ!」
「「なんですって!?」」
ベルノスとシアルリアの声が重なった。視線を感じたブレイズが2階にいるシアルリアを見つけて叫ぶ。
「シア! 今の話、聞こえたか?」
メイドが慌てて窓を開けてくれたので、少しだけ身を乗り出して答える。
「聞こえました! 理由はなんなのです!?」
「ここには書いてない。ただ、嫁入り準備ができ次第、こっちに来るって言ってる」
「……そんな」
また婚約者を奪われてしまうのか。シアルリアの胸にそんな不安がよぎった。眉尻を下げた彼女にブレイズがいたずらっ子のような笑みを浮かべる。
「安心しろ。俺の妻はシアしかいない」
「……ありがとうございます」
(また、大人の顔をしたわ)
心臓の鼓動が速くなり、シアルリアは胸を押さえた。
「陛下、無駄かもしれませんが、お断りの手紙を送ったほうが良いでしょう」
「……そうする!」
ブレイズはまた無邪気な表情に戻ると、ベルノスと一緒に王城内に戻っていった。
「今さら、ブレイズ陛下の妻になりたいなんて信じられません!」
「自分が婚約者を変更したのではないですか!」
文句を言ったメイドたちは、黙ったままのシアルリアに話しかける。
「ブレイズ陛下がエルン王女殿下を選ぶことは絶対にありませんわ!」
「そうです! たとえ押しかけてきても、ブレイズ陛下が追い返してくださります!」
「ありがとう。私もそう信じているわ」
(誕生日なのに最悪な知らせを聞いてしまったわ)
「さあ、シアルリア様! 今日は最高の誕生日にしましょう!」
メイドたちは嫌な雰囲気を振り払うように、明るい声でシアルリアを促す。
「そうね。自分の機嫌は自分でとらなくちゃ!」
彼女も明るい声で応え、パーティーに参加する準備を再開した。
城の中庭で虫を追いかけてはしゃぐ彼の声が聞こえてくるたびに、転んだりしないかと準備を中断して2階の窓辺から見守った。
「陛下は今日もお元気そうですね」
メイドに話しかけられ、シアルリアは微笑んでうなずく。
「体は大人だから、最初は戸惑ったけど今では可愛らしく思えるのよね。だけど、可愛いと言ったら怒るのよ」
「お嫁さんにはカッコいいと思ってほしいのでしょう」
「そんなものかしら」
「陛下は心は子供のままですから」
「……そうよね」
ブレイズと過ごせば過ごすほどに、違和感を感じているシアルリアだが、未だに打ち明けられないでいる。ベルノスとも話す機会がなくて、今日まで何も言えずにいた。
「ブレイズ陛下は……」
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自分にそのことを伝えてくれないのは、まだ信用されていないからだろうと思うと、少し悲しくなった。
「シアルリア様、どうかされましたか?」
「ごめんなさい。準備をしないと間に合わないわね!」
気持ちを切り替え、髪を結ってもらおうとした時、ブレイズの怒声が聞こえてきた。
「どうしてこんな馬鹿なことが言えるんだよ!」
「陛下、落ち着いてください。一体、何が書かれていたのですか?」
すぐにベルノスの声も耳に届き、シアルリアはメイドに謝ってから窓辺に近づいた。
「やっぱり俺の妻になりたいって言ってる! しかも、シアの元婚約者をシアに返すって言ってるんだ!」
「「なんですって!?」」
ベルノスとシアルリアの声が重なった。視線を感じたブレイズが2階にいるシアルリアを見つけて叫ぶ。
「シア! 今の話、聞こえたか?」
メイドが慌てて窓を開けてくれたので、少しだけ身を乗り出して答える。
「聞こえました! 理由はなんなのです!?」
「ここには書いてない。ただ、嫁入り準備ができ次第、こっちに来るって言ってる」
「……そんな」
また婚約者を奪われてしまうのか。シアルリアの胸にそんな不安がよぎった。眉尻を下げた彼女にブレイズがいたずらっ子のような笑みを浮かべる。
「安心しろ。俺の妻はシアしかいない」
「……ありがとうございます」
(また、大人の顔をしたわ)
心臓の鼓動が速くなり、シアルリアは胸を押さえた。
「陛下、無駄かもしれませんが、お断りの手紙を送ったほうが良いでしょう」
「……そうする!」
ブレイズはまた無邪気な表情に戻ると、ベルノスと一緒に王城内に戻っていった。
「今さら、ブレイズ陛下の妻になりたいなんて信じられません!」
「自分が婚約者を変更したのではないですか!」
文句を言ったメイドたちは、黙ったままのシアルリアに話しかける。
「ブレイズ陛下がエルン王女殿下を選ぶことは絶対にありませんわ!」
「そうです! たとえ押しかけてきても、ブレイズ陛下が追い返してくださります!」
「ありがとう。私もそう信じているわ」
(誕生日なのに最悪な知らせを聞いてしまったわ)
「さあ、シアルリア様! 今日は最高の誕生日にしましょう!」
メイドたちは嫌な雰囲気を振り払うように、明るい声でシアルリアを促す。
「そうね。自分の機嫌は自分でとらなくちゃ!」
彼女も明るい声で応え、パーティーに参加する準備を再開した。
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