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17 王女の誤算 ①
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「嘘をつくな! 結婚したなんて話は聞いていない!」
エルンに睨みつけられてもシアルリアは、動じる様子もなく答える。
「まだ公に発表していないだけです。明日には新聞に出ますから、多くの国民が知ることになるでしょう」
「なぜ、私たちに先に連絡しないんだ!」
「チモチノモ王国に連絡は入れていますが、エルン王女殿下は旅に出ておられましたので確認ができなかったのでしょう」
「そんな……っ」
エルンは一瞬だけ焦った顔になったが、まだ諦めるのは早いと言わんばかりにブレイズを見て笑みを浮かべる。
「ブレイズ陛下、あなたはシアルリアに騙されています」
「……どういうことだ?」
「私があなたとの婚約を解消することになったのは、シアルリアによって仕組まれたことだったのです!」
(どんな嘘の話をするつもりかしら)
シアルリアが呆れてものも言えなくなっていると、ブレイズは興味を示したふりをしてエルンに尋ねる。
「仕組まれたってなんだ? シアが悪いことをしたのか?」
「そうです! 自分がマロック……、隣にいるこの男のことですが、彼と結婚したくないがために、私に彼を誘惑させるように仕組んだのです!」
馬鹿馬鹿しい話だが、エルンは子供相手なら、こんな嘘でも通じると思っていた。ブレイズはため息をつくのをこらえて、首を傾げてみせる。
「よくわからない。それって、シアがそこにいる男よりも俺と結婚したかったってことか?」
「そ、そういうわけではないのです。この男でなければ誰でも良かったのです!」
「……そうなの?」
ブレイズが振り返ってシアルリアを見つめた。
「いいえ。ブレイズ陛下、私はエルン王女殿下がおっしゃったようなことを考えたこともありません。私は婚約者を王女殿下に奪われたのです」
「そうだよな。エルン王女は嘘つきだ!」
ブレイズはうなずき、エルンを指差して叫んだ。思った通りの展開にならず、エルンは焦って眉尻を下げる。
「陛下、騙されてはいけません! 嘘をついているのはシアルリアのほうです!」
「俺はシアルリアを信じる! だからもう帰ってくれ!」
「そういうわけにはいきません!」
このまま帰るわけにはいかない。そう思ったエルンは必死に訴える。
「陛下、あなたはまだ子供です! 代わりの誰かと話をさせてください! あなたは純粋すぎて話をする意味がありません!」
「話をする意味がないだと? 無礼だな。大体、俺はもう子供じゃない」
「何をおっしゃっているのですか。陛下には5歳の頃からの記憶はないのでしょう?」
「そうだな。でも、それは今までの話だ」
「……え?」
エルンはぽかんと口を開け、信じられないものを見たような目でブレイズを見つめた。そんな彼女にシアルリアが問いかける。
「エルン王女殿下、いつかブレイズ陛下の記憶が戻ることがあると考えたことはありましたか?」
「ま、まさか……、そんなっ」
子供ならなんとでも言いくるめられると思っていた。宰相相手なら、王女という立場を全面に出せば、何とかなると思っていた。
エルンは必死に頭の中で考えを巡らせたのだった。
エルンに睨みつけられてもシアルリアは、動じる様子もなく答える。
「まだ公に発表していないだけです。明日には新聞に出ますから、多くの国民が知ることになるでしょう」
「なぜ、私たちに先に連絡しないんだ!」
「チモチノモ王国に連絡は入れていますが、エルン王女殿下は旅に出ておられましたので確認ができなかったのでしょう」
「そんな……っ」
エルンは一瞬だけ焦った顔になったが、まだ諦めるのは早いと言わんばかりにブレイズを見て笑みを浮かべる。
「ブレイズ陛下、あなたはシアルリアに騙されています」
「……どういうことだ?」
「私があなたとの婚約を解消することになったのは、シアルリアによって仕組まれたことだったのです!」
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「そうです! 自分がマロック……、隣にいるこの男のことですが、彼と結婚したくないがために、私に彼を誘惑させるように仕組んだのです!」
馬鹿馬鹿しい話だが、エルンは子供相手なら、こんな嘘でも通じると思っていた。ブレイズはため息をつくのをこらえて、首を傾げてみせる。
「よくわからない。それって、シアがそこにいる男よりも俺と結婚したかったってことか?」
「そ、そういうわけではないのです。この男でなければ誰でも良かったのです!」
「……そうなの?」
ブレイズが振り返ってシアルリアを見つめた。
「いいえ。ブレイズ陛下、私はエルン王女殿下がおっしゃったようなことを考えたこともありません。私は婚約者を王女殿下に奪われたのです」
「そうだよな。エルン王女は嘘つきだ!」
ブレイズはうなずき、エルンを指差して叫んだ。思った通りの展開にならず、エルンは焦って眉尻を下げる。
「陛下、騙されてはいけません! 嘘をついているのはシアルリアのほうです!」
「俺はシアルリアを信じる! だからもう帰ってくれ!」
「そういうわけにはいきません!」
このまま帰るわけにはいかない。そう思ったエルンは必死に訴える。
「陛下、あなたはまだ子供です! 代わりの誰かと話をさせてください! あなたは純粋すぎて話をする意味がありません!」
「話をする意味がないだと? 無礼だな。大体、俺はもう子供じゃない」
「何をおっしゃっているのですか。陛下には5歳の頃からの記憶はないのでしょう?」
「そうだな。でも、それは今までの話だ」
「……え?」
エルンはぽかんと口を開け、信じられないものを見たような目でブレイズを見つめた。そんな彼女にシアルリアが問いかける。
「エルン王女殿下、いつかブレイズ陛下の記憶が戻ることがあると考えたことはありましたか?」
「ま、まさか……、そんなっ」
子供ならなんとでも言いくるめられると思っていた。宰相相手なら、王女という立場を全面に出せば、何とかなると思っていた。
エルンは必死に頭の中で考えを巡らせたのだった。
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