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6 元婚約者が馬鹿すぎた
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その日の昼休みのことだった。
いつもは別々に食べているルームメイトのエアリスとノノレイと、今日は3人で昼食をとることになった。
ノノレイに婚約破棄の話をしながら食事をしていると、ノノレイが急に眉根を寄せた。
視線を追って後ろを振り返ると、ホーリルがこちらに向かって歩いてきているのがわかった。
私よりも先にフォークを置いたノノレイがホーリルを睨み、彼に気がついたエアリスがため息を吐いてから話しかけた。
「フェルナンディ。話は聞いたわ。あなたの新しい婚約者はここにはいないわよ。目障りだから、どこかへ消えてくれない?」
「ノラベルは冷たいな。ビアラの性格の悪さがうつったのか?」
「ビアラの性格が悪いとは思わないけど、まあたとえ、そうだったとしても、あなたやあなたの婚約者の馬鹿がうつるよりマシよ」
「同感」
エアリスの言葉にノノレイも軽く右手を挙げて言った。
すると、ホーリルは顔を真っ赤にして、エアリスに叫ぶ。
「この子爵家風情が! 生意気なことを言うな!」
「私の家と違って借金まみれの子爵家のくせにうるさいわね。大体、あなたの家だって子爵家なんだから、子爵家風情と言われる筋合いはないわよ」
「なんだと!?」
エアリスにピシャリと言い返されたホーリルは人前であるにもかかわらず、大声を上げた。
ホーリルの用事は私にあるのだろうから、私の真後ろに立っている彼に身体を向け、座ったままで尋ねる。
「で、ホーリル、私に何か用なの?」
「そうだよ。とっとと慰謝料を払え」
「「「はい?」」」
私だけでなく、エアリスとノノレイも一緒になって聞き返した。
「婚約破棄してやったんだから、その分の慰謝料を払え」
「あなた、自分で何を言っているのかわかってる?」
「わかってるよ。婚約破棄はお前への優しさでもある!」
「そう言われたらそうかもしれないけれど、普通はあなたのほうが払うものなのよ」
この人に対して、真面目に相手をする必要はあるのかしら。
そう思いながらも説明してあげた。
でも、ホーリルは納得がいかない顔をしている。
すると、そんなホーリルを見たノノレイが言う。
「……ちょっと、ヤバくない? フェルナンディってEクラスだっけ? Eの子、こいつと同じレベルだと思われたりしたら可哀想」
「たしかこの人、毎回最下位らしいわよ。この人よりも頭の悪い人は、この学園にいないから大丈夫じゃないかしら。というか、勉強と常識は違うから一緒にしちゃ失礼よ」
「そう言われればそうね。謝るわ」
ノノレイはそう言って「ごめんなさい」とEクラスがある方向を見て言った。
「どうして、ビアラはフェルナンディの成績を知ってるの?」
エアリスに聞かれたので、ホーリルを見ながら答える。
「成績表を見せびらかしてきてたのよ。うちの学園、総合評価の順位が出るでしょう。ある意味、一番だって言っていたわよ」
「お、俺は本気を出していないだけだ! それに学問なんて社会に出たら関係ないからな!」
「学問ができなくても良いはいいにしても、常識は学んだほうが良いわよ」
言い返すと、ホーリルは私たちが使っているテーブルに、いきなり拳を振り下ろした。
大きな音のあとに、コップや食器などが揺れてガチャガチャと音を立てた。
そして、その音に驚いた周りが私たちのほうに目を向けた。
「生意気なことばかり言いやがって! 常識を学ぶのはお前だろ! 親の保険金でしか金を返せねぇくせによ」
「は? 誰のせいで家族が死ぬことになったと思ってるのよ!」
キレて聞き返したと同時に、ノノレイとエアリスが立ち上がった。
「あんた、今、自分が何言ったかわかってんの?」
「ノノレイ、こんな大勢の人の前でキレちゃ駄目よ。やるなら、人のいないところに連れていきましょう。ビアラはもっとだと思うけど、私はホーリルを殴りたくてしょうがないわ」
「騒がしいな。どうかしたの?」
ノノレイとエアリスがホーリルの腕をつかもうとした時、ミーグスがやって来た。
ミーグスが殺気立っているノノレイとエアリスに問いかけると、ノノレイが答える。
「ディラン様。この男が訳のわからないことばかり言うので、少し痛い目に遭わそうかと思うんです」
「二人がここまで怒るなんてよっぽどのことを言ったんだろうね。で、ビアラ。君は僕にどうしてほしい?」
ミーグスの私への問いかけに、聞き耳を立てていた周りの生徒だけでなく、ホーリルも驚いた顔をした。
「えっと、ミーグス様、その、なぜ、ビアラにそんなことを尋ねるんです?」
ホーリルが恐る恐るといった感じで、ミーグスに尋ねた。
すると、ミーグスはホーリルを軽く睨みつけてから答える。
「昨日、君たちに一方的に婚約破棄をされたから、僕と彼女は慰め合っていたんだ。それで同じ境遇同士で、付き合うことになったんだ。そして、その時にビアラが望むなら僕がそれを叶えてあげることに決めたんだよ」
「そういうことよ。そのかわり、ディランの望みは私が叶えてあげるの」
本当はお付き合いなんてしてないけどね。
椅子から立ち上がって、ミーグスの横に立ってお願いする。
皆が見ているんだもの。
ミーグス呼びじゃ駄目よね。
「ディラン、とにかく、私の今の望みは、この食堂内からホーリルを追い出してほしいということかしら」
「エアリスやノノレイは、そんなことくらいじゃ許せないって顔してるけど」
ミーグスに言われて二人に目をやると、今にも噛みつきそうな顔をして、エアリスとノノレイがホーリルを睨みつけていた。
二人がいてくれて良かったわ。
二人が立ち上がってくれなかったら、私は感情に任せてホーリルをこの場で殴っていたと思う。
「大丈夫。ありがとう、エアリス、ノノレイ」
お礼を言うと、二人は大きな息を吐いてから椅子に座った。
「お、おい、なんなんだよ!?」
突然、黒いスーツを着た大柄な男性がミーグスの後ろから現れたかと思うと、ホーリルの所へ行き、彼を羽交い締めにした。
「ちょ、ちょっと何をするんだ!? こんな乱暴なことをしても良いと思ってるのかよ!?」
「うるさいな。少し黙ってくれ」
ミーグスがそう言うと、スーツの男性は無言でフェルナンディを絞め技で気絶させると、ミーグスに一礼してからホーリルの体を担ぎ上げて、食堂の外へ出て行った。
しばらく呆気にとられていた私だったけれど、我に返ってすぐにミーグスに尋ねる。
「あの人は、あなたのお付きの人なの?」
「護衛だよ」
「何にしても助かったわ。ありがとう」
「どういたしまして」
ミーグスはそう言うと、もう用はなくなったと言わんばかりに、自分の友人の待つテーブルに戻っていった。
いつもは別々に食べているルームメイトのエアリスとノノレイと、今日は3人で昼食をとることになった。
ノノレイに婚約破棄の話をしながら食事をしていると、ノノレイが急に眉根を寄せた。
視線を追って後ろを振り返ると、ホーリルがこちらに向かって歩いてきているのがわかった。
私よりも先にフォークを置いたノノレイがホーリルを睨み、彼に気がついたエアリスがため息を吐いてから話しかけた。
「フェルナンディ。話は聞いたわ。あなたの新しい婚約者はここにはいないわよ。目障りだから、どこかへ消えてくれない?」
「ノラベルは冷たいな。ビアラの性格の悪さがうつったのか?」
「ビアラの性格が悪いとは思わないけど、まあたとえ、そうだったとしても、あなたやあなたの婚約者の馬鹿がうつるよりマシよ」
「同感」
エアリスの言葉にノノレイも軽く右手を挙げて言った。
すると、ホーリルは顔を真っ赤にして、エアリスに叫ぶ。
「この子爵家風情が! 生意気なことを言うな!」
「私の家と違って借金まみれの子爵家のくせにうるさいわね。大体、あなたの家だって子爵家なんだから、子爵家風情と言われる筋合いはないわよ」
「なんだと!?」
エアリスにピシャリと言い返されたホーリルは人前であるにもかかわらず、大声を上げた。
ホーリルの用事は私にあるのだろうから、私の真後ろに立っている彼に身体を向け、座ったままで尋ねる。
「で、ホーリル、私に何か用なの?」
「そうだよ。とっとと慰謝料を払え」
「「「はい?」」」
私だけでなく、エアリスとノノレイも一緒になって聞き返した。
「婚約破棄してやったんだから、その分の慰謝料を払え」
「あなた、自分で何を言っているのかわかってる?」
「わかってるよ。婚約破棄はお前への優しさでもある!」
「そう言われたらそうかもしれないけれど、普通はあなたのほうが払うものなのよ」
この人に対して、真面目に相手をする必要はあるのかしら。
そう思いながらも説明してあげた。
でも、ホーリルは納得がいかない顔をしている。
すると、そんなホーリルを見たノノレイが言う。
「……ちょっと、ヤバくない? フェルナンディってEクラスだっけ? Eの子、こいつと同じレベルだと思われたりしたら可哀想」
「たしかこの人、毎回最下位らしいわよ。この人よりも頭の悪い人は、この学園にいないから大丈夫じゃないかしら。というか、勉強と常識は違うから一緒にしちゃ失礼よ」
「そう言われればそうね。謝るわ」
ノノレイはそう言って「ごめんなさい」とEクラスがある方向を見て言った。
「どうして、ビアラはフェルナンディの成績を知ってるの?」
エアリスに聞かれたので、ホーリルを見ながら答える。
「成績表を見せびらかしてきてたのよ。うちの学園、総合評価の順位が出るでしょう。ある意味、一番だって言っていたわよ」
「お、俺は本気を出していないだけだ! それに学問なんて社会に出たら関係ないからな!」
「学問ができなくても良いはいいにしても、常識は学んだほうが良いわよ」
言い返すと、ホーリルは私たちが使っているテーブルに、いきなり拳を振り下ろした。
大きな音のあとに、コップや食器などが揺れてガチャガチャと音を立てた。
そして、その音に驚いた周りが私たちのほうに目を向けた。
「生意気なことばかり言いやがって! 常識を学ぶのはお前だろ! 親の保険金でしか金を返せねぇくせによ」
「は? 誰のせいで家族が死ぬことになったと思ってるのよ!」
キレて聞き返したと同時に、ノノレイとエアリスが立ち上がった。
「あんた、今、自分が何言ったかわかってんの?」
「ノノレイ、こんな大勢の人の前でキレちゃ駄目よ。やるなら、人のいないところに連れていきましょう。ビアラはもっとだと思うけど、私はホーリルを殴りたくてしょうがないわ」
「騒がしいな。どうかしたの?」
ノノレイとエアリスがホーリルの腕をつかもうとした時、ミーグスがやって来た。
ミーグスが殺気立っているノノレイとエアリスに問いかけると、ノノレイが答える。
「ディラン様。この男が訳のわからないことばかり言うので、少し痛い目に遭わそうかと思うんです」
「二人がここまで怒るなんてよっぽどのことを言ったんだろうね。で、ビアラ。君は僕にどうしてほしい?」
ミーグスの私への問いかけに、聞き耳を立てていた周りの生徒だけでなく、ホーリルも驚いた顔をした。
「えっと、ミーグス様、その、なぜ、ビアラにそんなことを尋ねるんです?」
ホーリルが恐る恐るといった感じで、ミーグスに尋ねた。
すると、ミーグスはホーリルを軽く睨みつけてから答える。
「昨日、君たちに一方的に婚約破棄をされたから、僕と彼女は慰め合っていたんだ。それで同じ境遇同士で、付き合うことになったんだ。そして、その時にビアラが望むなら僕がそれを叶えてあげることに決めたんだよ」
「そういうことよ。そのかわり、ディランの望みは私が叶えてあげるの」
本当はお付き合いなんてしてないけどね。
椅子から立ち上がって、ミーグスの横に立ってお願いする。
皆が見ているんだもの。
ミーグス呼びじゃ駄目よね。
「ディラン、とにかく、私の今の望みは、この食堂内からホーリルを追い出してほしいということかしら」
「エアリスやノノレイは、そんなことくらいじゃ許せないって顔してるけど」
ミーグスに言われて二人に目をやると、今にも噛みつきそうな顔をして、エアリスとノノレイがホーリルを睨みつけていた。
二人がいてくれて良かったわ。
二人が立ち上がってくれなかったら、私は感情に任せてホーリルをこの場で殴っていたと思う。
「大丈夫。ありがとう、エアリス、ノノレイ」
お礼を言うと、二人は大きな息を吐いてから椅子に座った。
「お、おい、なんなんだよ!?」
突然、黒いスーツを着た大柄な男性がミーグスの後ろから現れたかと思うと、ホーリルの所へ行き、彼を羽交い締めにした。
「ちょ、ちょっと何をするんだ!? こんな乱暴なことをしても良いと思ってるのかよ!?」
「うるさいな。少し黙ってくれ」
ミーグスがそう言うと、スーツの男性は無言でフェルナンディを絞め技で気絶させると、ミーグスに一礼してからホーリルの体を担ぎ上げて、食堂の外へ出て行った。
しばらく呆気にとられていた私だったけれど、我に返ってすぐにミーグスに尋ねる。
「あの人は、あなたのお付きの人なの?」
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