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16 愛もお金も大事
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「フレシア様はホーリルから私のことを何も聞いていないのかしら」
「フェルナンディはそんなことをいちいち話すような人間でもなさそうだから知らないんじゃないか。もしくは、彼がついている嘘を本気で信じてるんだろう」
何だか、ミーグスの機嫌が悪いような気がした。
あんまり不機嫌なところを顔に出す人間じゃないのに珍しい。
フレシア様にからまれたことが嫌だったのか、それとももしかして、さっきの私の両親の話について怒ってくれてるのかしら。
「ミ、じゃない、ディラン」
「何?」
「もしかして、怒ってくれてるの?」
「もしかしなくてもそうだよ。あんなデリカシーのない話を聞いて怒らない奴がいると思うわけ?」
「まあ、そりゃあ私だって良い気はしないし言われた相手が自分じゃなかったら何か言っちゃうかもしれないけど、あなたが怒ることではないでしょう」
「自分のことでも怒ったほうがいいよ」
ミーグスに手を引かれたまま早足で付いていくと、パーティー会場の外に出ていくので、焦って尋ねる。
「どこに行くつもりなの?」
「あの二人の姿が見えないところまで。特にフェルナンディ」
「そういえば、さっき間抜けな顔をしてたけど、どうかしたのかしら」
すれ違いざま、私を見て口を大きく開けていたフェルナンディ卿の顔を思い出しながら言うと、ミーグスが鼻で笑いながら答える。
「君に見惚れてたんだろ」
「は? どういうこと?」
「言っておくけど、今日の君はいつもと違って化粧もしているし、全然、イメージが違う」
「それは私も思ったわ! 化粧の力ってすごいし、ディランの家の使用人はみんなすごいのね! 自分のことを褒めてるみたいに聞こえるかもしれないけど、今日の私は魔法をかけてもらったみたいに別人だもの」
無邪気に頷くと、ミーグスは眉根を寄せて言う。
「だからだろ。君の姿を見て彼は驚いたんだ。まあ、彼も少しは後悔したんじゃないかな」
「捨てた女が思ったよりも綺麗だった、とか思ってくれていたら嬉しいわね」
「かもしれない」
「ふっふっふ。ざまぁみろだわ。って、本当にそう思ってるかわからないけど」
にやりと笑う私に、ミーグスは呆れた顔をしたあと、小さく息を吐いてから言う。
「まあ、あの顔が見たくて来たわけだし、今日は挨拶したら帰ろうか」
「え? 夕食はどうするの」
「今まで、疲れた顔してたのに食欲はあるんだね」
「それとこれとは別よ」
「……ここじゃなくて、違うところで食べよう」
「そんなお金がないわ」
「僕が出すに決まってるだろ。良い店がなければ僕の家で食べればいい」
答えたあと、ミーグスは掴んでいた私の腕を離し、胸の前で腕を組んで大きくため息を吐いた。
「まったく、ムードもへったくれもないよね、君は」
「どういう意味よ!? というか、へったくれって公爵令息が使っていいの!?」
「そのままの意味。それに目上の人以外の前では使ってはいけないとは言われてない」
どうでも良い会話を続けていると、フェルナンディ卿とフレシア様が追いかけてきた。
「ちょっと、ミゼライトさん! どうして逃げるのよ!?」
「そうだ! 逃げるなよ!」
「……不愉快だと言ったはずなんだけど」
ミーグスは私の前に立ち、フレシア様とフェルナンディ卿から私の姿を隠すように立った。
突然目の前に現れた背中に困惑して話しかける。
「ちょっと、ディラン」
「君は大人しくしてて」
「うきぃ」
「何なの、その返事」
「……わかったって言ったの」
「わかりづらいよ」
ミーグスは私のほうは見ず、顔をフェルナンディ卿たちのほうから動かさないまま答えると、そのままの状態でフェルナンディ卿に話しかける。
「もう彼女に近付くなと言ったはずだけど」
「……あ、謝ってやろうと思ったんです」
「は?」
聞き返したのは私だった。
すると、ミーグスが眉根を寄せて、こちらを振り返る。
「君は黙ってて」
「大人しくしてろとしか言われてないじゃない!」
「じゃあ、大人しくしてて、それから黙ってて」
「うきぃ」
本当はわかったっていう意味じゃないけど、もういいわ。
ミーグスの場合だけ、わかったというのは、この返事でいこう。
半ば自棄糞な気持ちになっていると、ミーグスがフェルナンディ卿に再度、話しかける。
「ビアラに何を謝るの」
「俺を驚かすために努力したんだなって思ったんで、そんなことができる子だなんて思っていなかったことを謝ろうと思ったんです」
「「はあ?」」
黙っていろと言われたのに無理だった。
でも、聞き返した声はミーグスの声と重なったから、文句を言われることもなかった。
フェルナンディ卿は私に訴えてくる。
「ビアラ、俺に婚約破棄をされたことがショックで、それだけ努力したんだろ? 見抜けなくて悪かったな。でも、俺にはフレシアがいるんだ。だから、愛人にならしてやってもいい」
「ふざ、むぐっ!」
私が、けないで、という言葉が紡げなかったのは、振り向いたミーグスの胸に私の顔を押し付けられたからだ。
「ちょっ、 鼻を打ったんだけど!?」
「悪いね。ビアラが綺麗なのは君のためじゃなくて僕のためなんだ。フェルナンディ卿、君は本当に見る目がないよね。彼女を手放したこと絶対に後悔することになるよ」
ここは、私もフレシア様に何か言ったほうがいいのかしら。
腰にはミーグスの腕が回っていて、後頭部は手で押さえつけられていた。
なんとか頭をずらしてフレシア様のほうを向いて叫ぶ。
「フレシア様! あなたも後悔する日がきますからね。この人、公爵令息ですから、かなりのお金持ちですよ」
「君さぁ」
呆れるミーグスは無視して話を続ける。
「愛も大事ですけど、お金も大事ですからね!」
私の言葉を聞いたフレシア様の目が見開いたことを、私は見逃さなかった。
「フェルナンディはそんなことをいちいち話すような人間でもなさそうだから知らないんじゃないか。もしくは、彼がついている嘘を本気で信じてるんだろう」
何だか、ミーグスの機嫌が悪いような気がした。
あんまり不機嫌なところを顔に出す人間じゃないのに珍しい。
フレシア様にからまれたことが嫌だったのか、それとももしかして、さっきの私の両親の話について怒ってくれてるのかしら。
「ミ、じゃない、ディラン」
「何?」
「もしかして、怒ってくれてるの?」
「もしかしなくてもそうだよ。あんなデリカシーのない話を聞いて怒らない奴がいると思うわけ?」
「まあ、そりゃあ私だって良い気はしないし言われた相手が自分じゃなかったら何か言っちゃうかもしれないけど、あなたが怒ることではないでしょう」
「自分のことでも怒ったほうがいいよ」
ミーグスに手を引かれたまま早足で付いていくと、パーティー会場の外に出ていくので、焦って尋ねる。
「どこに行くつもりなの?」
「あの二人の姿が見えないところまで。特にフェルナンディ」
「そういえば、さっき間抜けな顔をしてたけど、どうかしたのかしら」
すれ違いざま、私を見て口を大きく開けていたフェルナンディ卿の顔を思い出しながら言うと、ミーグスが鼻で笑いながら答える。
「君に見惚れてたんだろ」
「は? どういうこと?」
「言っておくけど、今日の君はいつもと違って化粧もしているし、全然、イメージが違う」
「それは私も思ったわ! 化粧の力ってすごいし、ディランの家の使用人はみんなすごいのね! 自分のことを褒めてるみたいに聞こえるかもしれないけど、今日の私は魔法をかけてもらったみたいに別人だもの」
無邪気に頷くと、ミーグスは眉根を寄せて言う。
「だからだろ。君の姿を見て彼は驚いたんだ。まあ、彼も少しは後悔したんじゃないかな」
「捨てた女が思ったよりも綺麗だった、とか思ってくれていたら嬉しいわね」
「かもしれない」
「ふっふっふ。ざまぁみろだわ。って、本当にそう思ってるかわからないけど」
にやりと笑う私に、ミーグスは呆れた顔をしたあと、小さく息を吐いてから言う。
「まあ、あの顔が見たくて来たわけだし、今日は挨拶したら帰ろうか」
「え? 夕食はどうするの」
「今まで、疲れた顔してたのに食欲はあるんだね」
「それとこれとは別よ」
「……ここじゃなくて、違うところで食べよう」
「そんなお金がないわ」
「僕が出すに決まってるだろ。良い店がなければ僕の家で食べればいい」
答えたあと、ミーグスは掴んでいた私の腕を離し、胸の前で腕を組んで大きくため息を吐いた。
「まったく、ムードもへったくれもないよね、君は」
「どういう意味よ!? というか、へったくれって公爵令息が使っていいの!?」
「そのままの意味。それに目上の人以外の前では使ってはいけないとは言われてない」
どうでも良い会話を続けていると、フェルナンディ卿とフレシア様が追いかけてきた。
「ちょっと、ミゼライトさん! どうして逃げるのよ!?」
「そうだ! 逃げるなよ!」
「……不愉快だと言ったはずなんだけど」
ミーグスは私の前に立ち、フレシア様とフェルナンディ卿から私の姿を隠すように立った。
突然目の前に現れた背中に困惑して話しかける。
「ちょっと、ディラン」
「君は大人しくしてて」
「うきぃ」
「何なの、その返事」
「……わかったって言ったの」
「わかりづらいよ」
ミーグスは私のほうは見ず、顔をフェルナンディ卿たちのほうから動かさないまま答えると、そのままの状態でフェルナンディ卿に話しかける。
「もう彼女に近付くなと言ったはずだけど」
「……あ、謝ってやろうと思ったんです」
「は?」
聞き返したのは私だった。
すると、ミーグスが眉根を寄せて、こちらを振り返る。
「君は黙ってて」
「大人しくしてろとしか言われてないじゃない!」
「じゃあ、大人しくしてて、それから黙ってて」
「うきぃ」
本当はわかったっていう意味じゃないけど、もういいわ。
ミーグスの場合だけ、わかったというのは、この返事でいこう。
半ば自棄糞な気持ちになっていると、ミーグスがフェルナンディ卿に再度、話しかける。
「ビアラに何を謝るの」
「俺を驚かすために努力したんだなって思ったんで、そんなことができる子だなんて思っていなかったことを謝ろうと思ったんです」
「「はあ?」」
黙っていろと言われたのに無理だった。
でも、聞き返した声はミーグスの声と重なったから、文句を言われることもなかった。
フェルナンディ卿は私に訴えてくる。
「ビアラ、俺に婚約破棄をされたことがショックで、それだけ努力したんだろ? 見抜けなくて悪かったな。でも、俺にはフレシアがいるんだ。だから、愛人にならしてやってもいい」
「ふざ、むぐっ!」
私が、けないで、という言葉が紡げなかったのは、振り向いたミーグスの胸に私の顔を押し付けられたからだ。
「ちょっ、 鼻を打ったんだけど!?」
「悪いね。ビアラが綺麗なのは君のためじゃなくて僕のためなんだ。フェルナンディ卿、君は本当に見る目がないよね。彼女を手放したこと絶対に後悔することになるよ」
ここは、私もフレシア様に何か言ったほうがいいのかしら。
腰にはミーグスの腕が回っていて、後頭部は手で押さえつけられていた。
なんとか頭をずらしてフレシア様のほうを向いて叫ぶ。
「フレシア様! あなたも後悔する日がきますからね。この人、公爵令息ですから、かなりのお金持ちですよ」
「君さぁ」
呆れるミーグスは無視して話を続ける。
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