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第2章 kinds
隣の席の新入生
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会場はすっかり静まり返っていた。時間には間に合っているのだが、この空気の中で動き回るのはなんだか恥ずかしい。さっさと受付を済ませて自分の席へ座ろう。
高校の入学式は大事なものだ。式がどんなに長かろうが今日は寝ないようにしよう。
目が覚めると式はもう終わりに近づいていた。校長先生の話が長すぎる。現在時刻と照らし合わせると、どうやら20分ほど寝ていたらしい。
いっそ最後まで寝てしまおうかと思ったが、先程から周囲の視線が痛い。そんなに目立つ眠り方だったのか…?
この学校は一学年が約240人いて5クラスで分けられる。人数も多いため入学式で一人一人名前を呼ぶことはないが、校長先生や教科の先生方、生徒の決意表明など眠くなるものばかり、さて、もうひと眠りしようか。
覚えてもいない校歌を歌い、入学式が終わった。皆歌えてたけど、これって事前に覚えないといけなかったのか…。
式の中で紹介された担任が指示をする。よかった、怖そうな人じゃなくて。
「よし、じゃあ1組の人はついて来い」
皆は先生の後ろをついて行く。変に緊張した人、前の学校の友達らしき人と喋ってい人。そして、作り笑いで誤魔化してグループで会話をしている1人の女の子。
教室に着いた。まだ友達もいないので、どのクラスになってもよかったのだが、1組は階段やトイレが近いので便利だろう。
黒板に貼られてある座席表を確認する。どうやら俺は窓から2番目の一番後ろの席らしい。視力は悪くないので問題はない。考えられる問題といえば、周囲の人に問題があることが問題だが、入学初日でそれもわからない。とにかく、座席表で周囲の人の名前を確認してみる。ついでに、近くに女子がいないかも探してみる。
タカシに…、アツキ……、お、怜花っていうのは女子っぽいな。男女比半々なのに、周りに女子は1人だけか。…まあ、いないよりましか。
それじゃあ、席に着いて左隣の怜花という女子を待つ、…もとい、先生を待つとしようかな。
しばらくすると、廊下にいた生徒も教室に入ってきて席に着き出した。前の学校の友達と喋っていたのだろう。友達いない組は教室のなかで静かに過ごしていたというのに…。
「あら、こんにちは」
聞き覚えのある声だ。今日の朝からずっと聞いてる声。車に乗っていた時から聞いてる声。
この透き通るような声は、…あいつか。
「お、おう、よろしく」
俺の隣の席の音無怜花は朝から会っていたのか。
それにしても、バッグがパンパンだな。朝のパン全部買ったのか…。
高校の入学式は大事なものだ。式がどんなに長かろうが今日は寝ないようにしよう。
目が覚めると式はもう終わりに近づいていた。校長先生の話が長すぎる。現在時刻と照らし合わせると、どうやら20分ほど寝ていたらしい。
いっそ最後まで寝てしまおうかと思ったが、先程から周囲の視線が痛い。そんなに目立つ眠り方だったのか…?
この学校は一学年が約240人いて5クラスで分けられる。人数も多いため入学式で一人一人名前を呼ぶことはないが、校長先生や教科の先生方、生徒の決意表明など眠くなるものばかり、さて、もうひと眠りしようか。
覚えてもいない校歌を歌い、入学式が終わった。皆歌えてたけど、これって事前に覚えないといけなかったのか…。
式の中で紹介された担任が指示をする。よかった、怖そうな人じゃなくて。
「よし、じゃあ1組の人はついて来い」
皆は先生の後ろをついて行く。変に緊張した人、前の学校の友達らしき人と喋ってい人。そして、作り笑いで誤魔化してグループで会話をしている1人の女の子。
教室に着いた。まだ友達もいないので、どのクラスになってもよかったのだが、1組は階段やトイレが近いので便利だろう。
黒板に貼られてある座席表を確認する。どうやら俺は窓から2番目の一番後ろの席らしい。視力は悪くないので問題はない。考えられる問題といえば、周囲の人に問題があることが問題だが、入学初日でそれもわからない。とにかく、座席表で周囲の人の名前を確認してみる。ついでに、近くに女子がいないかも探してみる。
タカシに…、アツキ……、お、怜花っていうのは女子っぽいな。男女比半々なのに、周りに女子は1人だけか。…まあ、いないよりましか。
それじゃあ、席に着いて左隣の怜花という女子を待つ、…もとい、先生を待つとしようかな。
しばらくすると、廊下にいた生徒も教室に入ってきて席に着き出した。前の学校の友達と喋っていたのだろう。友達いない組は教室のなかで静かに過ごしていたというのに…。
「あら、こんにちは」
聞き覚えのある声だ。今日の朝からずっと聞いてる声。車に乗っていた時から聞いてる声。
この透き通るような声は、…あいつか。
「お、おう、よろしく」
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