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しおりを挟む「王子様いらっしゃいました~♪」
口にしてないけど、声に出していないけど…メアリの後ろ姿が語っている。
"男は背中で語る"なんて冗談でもメアリには言えないけど。
間違って言っちゃったものなら、氷点下ブリザードが部屋中に展開…なんてシャレにならない事態になっちゃう。
この間も、何の地雷を踏んだんだか、マーキスが半分凍りかけてて、慌てて止めたのよね。
まぁ、あのマーキスだし…考えなしに何か言ったんだと思うけどね。
そうそう…先ほどここウィンステッド公爵邸に、無事レオナルド殿下が到着しました。
マーキスの手の者(忍者A)によると、途中、第二バカ王子の手の者による襲撃が数度あったけれど、予想していた事だったのかあっさり撃退。
予定通り、10日の日程をかけて王都よりご来訪。
ちなみに…通常は女性同伴の旅でも7日程で到着するそうです。
レオナルド殿下の場合は、ご本人の体調もあるけれど、殿下の魔力にあてられ疲弊してしまうお供や馬の体調をみながらの移動だったので、だいぶゆっくりになってしまったそう。
「もしかして、以前お会いしていた時より魔力が強まっているのかしら?」
あくまでも、予想の範囲内でメアリに聞いてみる。
メアリは直接殿下とは会ったことはなかったので、元の魔力量を知らないけれど…メアリでもかなりのプレッシャーを感じるらしく、相当な魔力量だと言っていた。
え?わたし?…私はね、なんでか知らないけど、魔力の抑え方・魔力の流し方が上手くできているようで、魔力量は多いけど、周囲にプレッシャーをかける程じゃないんだよね。
私はほぼ無意識にやっているから、やり方は何となくしか解らないんだけど…今回、殿下の滞在中に同じようにできないか、殿下にも試してもらおうかと思っている。
貴族の義務だし、別に殿下の事を嫌いではないので、婚約を無しにしたいわけではないんだけど、人に頼らず魔力循環ができれば万々歳じゃない?
もちろん、最近完成した魔道具も試してみるけど、どうせなら人生楽しくがいいじゃない?
命の欠片の交換も、きっと悪くはないと思うんだ。
好きな人なら…好きになった人なら。
でも、人間だしね。
心変わりの確率を考えると辛いじゃない?
この世界に来てまで「俺と○○どっちが大事なんだよ」なんて言われたくないしね。もちろん、そうならないように努力はするけど。
でも、命の欠片を交換して…あげくそんなことを言われた日にはどうにもなんなくなっちゃうし…殿下の魔力過多症の為の婚約ってどう見ても、殿下が弱い立場じゃない?
婚約後にすっごく悪い噂が流れそうじゃない?
なので…の対策です。
いまさら乙女ゲームの悪役令嬢なんてマジ勘弁なので、フラグは折っておかないとね。
ちなみに…悪役令嬢の立場に立たされそうになったら、すたこらサッサと逃げますよ。
当たり前です。たとえ、本気で殿下を好きになってしまったとしても、相手の望まない結果に導いてしまうのは無しだと思うし、心変わりした殿下を恨むことはあるかもしれないが、相手の令嬢をいじめたり嫌がらせしたりはしちゃダメだと思のよね。
とばっちりで死んだ経験者語るってやつです。
まぁ…私の場合は転生できたし、まさきにいには会えたし…。
真純君とはもう会えないけど、新しい生を…人生を楽しく生きようと思えるようにはなったから良いんだけどね。
応援ありがとうございます!
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