生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~

こひな

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「急にどうしたんですか?」


訝しげなメアリの声もしょうがないだろうと思う。
だって、マリーも使いに出して、おまけに防音結界も張ったのだから。


人生初の防音結界。
貴族社会で生きるなら、これくらいできた方が良いだろうと思って……というか、魔力を吸収して結界を張る魔道具の副産物って言うのかな?
まぁ、ぶっちゃけ偶然できた物だ。


何が違って防音になったのかは検証したから、複製可ですよ。
お父様と兄様にも渡したら絶賛されちゃったのよね~って、ちがーう!そうじゃない!


と…思考が逸れそうになった自分にセルフツッコミをしてメアリに…というか、まさきにいに相談する。ここは乙女ゲーム経験が生きる時!


なんて思ってたら、思いっきりガックリ。


「ルートもへったくれも無いくらい人間関係崩れちゃってるしね…」


という事だった。
一応、主役であろう男爵令嬢は神殿の保護を受け、聖女として修行を積んでいるらしい。
ゲームであれば、このあと第二王子と婚姻。聖女と婚姻した第二王子が王位に着く…筈だけど…。


「継承権放棄しちゃったし…ね」


おそらく夢の話がホントならば、ウィリアム殿下の中の人はレオナルド殿下…。
えーっと…頭がごちゃごちゃしちゃってるけど…継承権の復活っていう手もあるから…と考えていると、メアリが軽い調子で言い切った。


「ウィリアム殿下にお会いしてきましょう!」


って…えぇぇぇぇぇぇえええええっ!
おいぃぃーって思いっきりつっこんじゃった…てへっ。




⚫〇⚫〇




有言実行のメアリさん。
何をどう話したのか解らないけど、ウィリアム殿下に会いに王都に行くことをお父様に了承頂きました。
もちろん、レオナルド殿下はウィンステッド領で大人しくしているらしい。


魔力過多症も落ち着いたので、一度王都に戻ってもいいのだけれど、もう少しこちらにいるとの事。第二王子から襲撃を受けた事については…ぶっちゃけ、昔からこんな事をちょこちょこ仕掛けて、返り討ちにしてやっているそうで、今回もその延長…いわゆるお咎め無しってことらしい。


ツッコミどころ満載の第二王子は、今現在は城にて謹慎しているそうで、あちらで会えるように、お父様が手配してくれた。


もちろんメアリも一緒。今回はアルベルトとして同行、メイドにマリーと最強?の布陣。
あっそうそう、夢のことは他言無用だって。


"夢のお告げ"なんて言われたらそれこそ聖女だなんだと騒がれる可能性もあるから。


と…お父様の司令です。はい。
迂闊な事して、聖女修行しているご令嬢の邪魔しちゃいけないしね。





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