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しおりを挟む王都から領地へ帰還し、久々に自室で寛ぐ。
やっぱり自分の部屋が一番よねぇ~と陽当たりのいい場所にソファを持ってきて、ちょっとゴロゴロ。
こんな姿は誰にも見せられない…。
令嬢たるもの!と言い始める人続出しちゃうからね。
でもね~元が日本人だから、時々思うんだよね。
畳の上でゴロゴロしたいって。
そんな事をメアリに言ったら、メアリの屋敷には狭いけれど、い草に近い素材で作った敷物を敷いた部屋があるそうだ。
最初作った時は、ギルバートに不思議な顔をされたらしいが、メアリが寛いでいるのを見て真似して寛いでいたら、自然と二人でそこにいる時間が増えたそうだ。
いいなぁその部屋。
呟いたら苦笑された。
私の立場では出来ることも多いけど、出来ないことも多い。
今はせいぜい簡易キッチンか…と思ったところで、思い出した。
「宿で作った味噌漬け、忘れて来たァァ…」
と、頭を抱えていたらメアリに上機嫌で言われた。
「あれはお嬢様がお作りになったんですか?出発時に宿の主人が持たせてくれたので、ギル様と美味しく頂いちゃいました♪」
と、ご機嫌で返された…このリア充め。
今日はとりあえず、午後にはお父様からお話があるという以外は用事がないので、好きな事をする予定。思いつきで一日を過ごそうdayだ。
「メアリ。殿下達の現状って確認出来る?もしかしたら、お父様から何か言われるかもしれないんだけど、それ以外にも知っておきたいことあるし…」
午後の空いた時間に話が出来るように、情報の整理をお願いして…あまりに暇なので、魔法の勉強をする事にした。
まぁ、勉強と言っても一通りの座学は終わっているので、どちらかと言うと開発と言った方が早いかもしれない。
「ねえねえメアリ。前世に読んだことある本で…もちろんファンタジーだけどね…マジックバッグとかイベントリーとかってあったんだけど、今世でもあったりする?」
ファンタジーモノでは定番のモノが当たり前にあるわけでは無いので、一応聞いてみる。
「あると聞いたことはございますが、噂ではとてもお高いものだと。空間を操るには豊富な魔力量と創造力が必要らしいので、なかなか手に入らない物らしいですよ?」
創造力ね……あれか?あの有名な青いヤツが持ってるポケットみたいな物を想像して創造すればいいのか?
でもなぁ…創造っていうのが難しそうだ。
と、うんうん唸っていたら、メアリがゴソゴソと小さな袋を持ってきた。
「試しに、この袋に魔法を込めて見てみれば、コツが掴めるかも知れません」
と言って、袋の口の辺りに魔力を込めた魔石をササッと縫いつけた。
いやぁ~メアリさん、女子力ハンパないっス。
前世から、仕事は出来てもこういうのは大の苦手だったからなぁ~…と感心しながら手元を覗く。
「メアリはこういうの作った事はないの?」
試しに聞いてみたら、こういう形ではない…という返答が。
気になって突っ込んで聞いてみたらあらビックリ…空中にパッカーンとなんかの入口登場。
メアリさん?ちょっと規格外過ぎません?
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