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とうとう入れ替わり決行日。
この日は、お子様時間におねむの第二バカ王子に睡眠時間を合わせてもらうようにお願いしてあった。


と言っても、朝方に寝るような人がお子様時間に寝ることは中々難しいかったようで、朝から運動したりなんだりと今までになく身体を虐めて、ようやくお子様時間に眠りに入れたようだ。
まぁ、あとで労いの言葉でもかけてあげようと思う位には、お互い友人として距離は近くなったと思っている。
この関係が、この空間限定なのかどうかは分からないけれど……。


「そろそろ殿下方を呼ぶから、片方のバカ王子を取り押さえられるように準備しててね♪」


テーブルにティーセットを運んでいるアシスタントうさぎに声を掛ける。
決してバニーちゃんではない……お尻フリフリしてワゴンを押してるけどね。


「分かったよ子猫ちゃん。でも、そろそろ俺の名前を呼んでくれても良いんじゃないかい?」


いやいや…呼ぶとかの前に、名前決まっていないからね。もう。


「名前はこの空間出てからね。候補とかあったらあとで教えてね。じゃぁ、呼ぶわよ~」




●○●○



はい……。
あんだけ色々考えていた割に、さっくり二人とも呼べて……おまけにバカ王子は熟睡中。
一応目覚めた時の為にふんじばってはいるけれど、多分こいつは起きないだろうと思う。


「で…殿下は身体に戻る前に、使い魔?を作るんですよね?」


前回宣言していったので忘れない内に聞くと、どんな使い魔にするかはミュリエッタ様と相談してきたらしい。
他言無用の約束の代わりに、自分も欲しいとのミュリエッタ様からの伝言をもらい、思わず苦笑する。


「この空間で、あくまで殿下が作るので、当然ながら殿下の魔力を糧に生きるモノができると思います。その辺は殿下とミュリエッタ様でお話してください。それと…この空間での姿が、現実で維持できるかは正直分かりません。ちなみに…私付きの魔法士が作ったモノは、この空間では背丈ほどもある獣でしたが、現実では成猫サイズになっていました」


前例を聞きながらうんうんと頷き、しばらく考える…を繰り返す殿下。


「多分ですが、かなり大量の魔力をつかうかと思いますが大丈夫ですか?」


確認の為聞くと、大丈夫としっかりした返事が返ってきた。
あまり時間もないので、殿下には申し訳ないけれど、早々に準備に入ってもらう。


「ねえねえ、そっちの転がってる方を、あっちにポイってしてきて欲しいんだけど」


働き者のアシスタントうさぎに、第二バカ王子を戻れるようポイっとしてもらう。
一応だけど、身体まで魔力の滑り台を作ってやった。
寝ているから、最小限だけれどサポートはしないとね。


ちなみに……今夜は二人の身体はどちらもバイエルンの王宮にいるらしく、第二バカ王子の身体の傍にはポーラが、レオナルド殿下の身体の傍にはサイラス様に待機してもらっているそうだ。


特にポーラにはバカ王子が錯乱することも念頭においてもらい、暴れるような時は部屋に軟禁してくように言ってあるらしい。頑張れ!ポーラ!






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