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しおりを挟むそう…いつもなら断る案件。
だって私…仕事ならなんでもいい!っていうタイプじゃない。
はたから見ればだいぶ我儘に見えると思うけれど、先の目標の為ならなんのその!
なので、このお誘いは……
「ホントですか?ホントに?やっぱり無しとかってダメですよ?」
そう言って、『おじさま』の手を取り握手をする。古書店への就職……まじラッキーである。
ちなみに、私の前職はアンティークショップを経営、美術品なども扱い、個人の資産家もお得意様にいる、古物商としてはかなり大手の会社に勤務していた。
好きな事を仕事にできる…。
こんな幸せな事はない♪なんて思いながらやっていたせいか、私の営業成績はうなぎ登り。
お客様受けもよいとの事で、入社以来五年程で順調に昇進してきたのだけれど…これ以上昇進すると、実務の仕事から外されるらしいので、先月付けであっさりきっぱり辞めてきた。
「あら、美里ちゃんお仕事始めるの?約束は忘れていないと思うんだけど……お手伝いはよろしくね?」
すっかり忘れていた約束に、スマホの予定表とにらめっこしていたら、『おじさま』から提案があった。
「正式入社は来月の頭から…それまでは時々アルバイトでいらっしゃいませんか?もちろん、お休みは希望通りの日に取れますので…」
ありがたい申し出に感謝しつつ、今度は姉の予定を聞こうかと思っていたら、姉からストップがかかった。
すっかり忘れていたけれど…今出店中だった……。
とりあえず、古書店の『おじさま』に名刺を頂き、後日改めてお店に寄らせてもらうことにした。
ちなみにこの間、いつもなら肩に座っているあの子は、なぜか『おじさま』の周りをフヨフヨと飛んでいた。
飛んだのなんて初めて見たからちょっとびっくりしたけれど、妖精とかの類であれば飛んでも違和感はないのかもしれないなんて思いつつ、今年のフリマは終了した。
もちろん…売り上げに関しては、私の古物商の免許が必要になるほど盛況でした。
チラッと出した姉の絵も残らず売れ、三人ともほくほく顔で帰宅となった。
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