人外さんに選ばれたのは私でした ~それでも私は人間です~

こひな

文字の大きさ
6 / 113

しおりを挟む


あのフリマから一ヶ月。
今日から正式に、あの古書店の社員になった私。


ちなみに…お店の名前はないらしい…。
特に決めずに営業開始…近所で被る業種もないからいいか……なんて感じで今まで来たらしい。
一応会社の形をとっているので、何かしらの屋号のようなものはついているんだろうけど……聞いたらがっかりしそうな名前っぽい予感がしたので聞かない事にした。
税の申告時期になれば嫌でも判る事なので、とりあえず放置でも大丈夫だろう…。


「渡利さん、やっと皆さんが揃ったので紹介しますね」


『おじさま』こと都築川さんが、一人一人の名前を呼びそれぞれが自己紹介をしていく。
今日は全員出社らしいので、ここにいる十人で全員なんだろうと思っていたらちょっと違ったらしい。


「細かい会社の事業内容は後ほどご説明します。この古書店には他にあと三名ほどおりますが…買い付けで世界中を回っている為、ご紹介は難しいかもしれません。帰って来た時にその都度紹介するようにいたします」


そう説明されながらお店の奥…突き当りの部屋に案内される。
ここは応接室らしい。今までお客様が来たことはありませんが…との注釈付きだった。



「渡利さん…まぁ、そんな緊張せず少し肩の力を抜いてください。今からそんなんでは疲れてしまいますよ?」


そう言われながら座るように指示された場所は、どう見ても事務机等ではない、高級感と重厚感が溢れ出すような机。えーっと…これはどんな状況なんだろう?
とりあえず促されるまま座り、目の前にサッと出された書類を見て血の気が引いた……。



「…って…えっ?…は…はぁ?ちょっ…ちょっとこれ…へぇ?」


正直、自分でも間抜けな声が出ているのは自覚していた。
びっくりし過ぎて言葉が出ない事も……。


だってしょうがないと思う。
目の前に出された書類には、でかでかと『副社長 渡利美里』と書いてあったんだから。


「これは渡利さんにしかできないお仕事なので、ぜひ引き受けて頂きたいのですが…」


一応困ったような演技をしている都築川さん……。
胡散臭さが滲み出ていますよ………。



「お返事をする前に…もし私がお受けできないとなった場合は、どのようになるのでしょうか?」


予想できた質問だったのか、にんまりしながら答えてくれる。
特に何かあるわけではないようだ。
ただ…またここに座ってくれる人をまた探すだけらしい。


「あとは…ちょっと記憶の改ざんをさせて頂くようになるかもしれません」



記憶を改ざん?
ちょっと突拍子もない恐ろしい単語が出てきて思いがけず無言になってしまった。



しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……

karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

【完結】緑の手を持つ花屋の私と、茶色の手を持つ騎士団長

五城楼スケ(デコスケ)
ファンタジー
〜花が良く育つので「緑の手」だと思っていたら「癒しの手」だったようです〜 王都の隅っこで両親から受け継いだ花屋「ブルーメ」を経営するアンネリーエ。 彼女のお店で売っている花は、色鮮やかで花持ちが良いと評判だ。 自分で花を育て、売っているアンネリーエの店に、ある日イケメンの騎士が現れる。 アンネリーエの作る花束を気に入ったイケメン騎士は、一週間に一度花束を買いに来るようになって──? どうやらアンネリーエが育てている花は、普通の花と違うらしい。 イケメン騎士が買っていく花束を切っ掛けに、アンネリーエの隠されていた力が明かされる、異世界お仕事ファンタジーです。 *こちらの作品、一旦完結しましたが、31話以降を加筆修正し、ネオページ様で連載することになりました。  新エピソードに加え、新キャラも出てきますので、興味ある方は是非。 *HOTランキング1位、エールに感想有難うございました!とても励みになっています! ※花の名前にルビで解説入れてみました。読みやすくなっていたら良いのですが。(;´Д`)  話の最後にも花の名前の解説を入れてますが、間違ってる可能性大です。  雰囲気を味わってもらえたら嬉しいです。  お読みいただいた皆様に感謝です!(人´∀`).☆.。.:*・゚

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。 生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。 母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。 そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。 それから〜18年後 約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。 アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。 いざ〜龍国へ出発した。 あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね?? 確か双子だったよね? もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜! 物語に登場する人物達の視点です。

処理中です...