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しおりを挟む「次に目覚めた時には自分が誰なのか…既に分からない状態になっていてね…でも、何となく記憶に引っかかる事もあって、あちこち動いたんだ…幸い、この姿が見える人間はそんなにいなかったしね」
私にはそんな風に動いている時に会ったらしい。自分でもよく分からない感覚だったらしいけど……何となく一緒に居たかったらしい。
「あの……話の途中申し訳ございません。補足をさせて頂いても宜しいでしょうか?」
都筑川さんが、この子が悪魔と相対した後の事、その時の水晶玉の事等の事を教えてくれた。
水晶玉は先々代…つまりこの子の祖父の時代にこちらに渡って来た悪魔の記憶を封印したものらしい。
都筑川さんも直接聞いたわけではないとの事だけど、先々代とその悪魔はかなり友好的なお付き合いをしていたと聞いていたらしい。
それが一転……悪魔の暴走による破壊行為、そして暴走した悪魔の封印。
何がどうなってそうなったのか…過程を書いた先々代の日記のような物が蔵にあるとの事なので、あとで見せてくれるらしい。
「先々代様が亡くなる際に、その水晶玉をその悪魔の仲間へ引渡すようにと言われていたそうですが、人間界での戦争が激化してしまい、あちらからもこちらからも行き来できず、今になってしまいました」
「え?それなら、この子の記憶を食べたのって逆恨みじゃないの?」
私が思ったことをそのまま言ったら、何故か二人に目を逸らされた。
「先代が引退する時に、言われてはいたんだよ……最優先事項で……けどまぁ…忘れてたんだ単純に」
気まずそうに答える二人に思わず言ってしまいました…。
「自業自得ってこと?」
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