人外さんに選ばれたのは私でした ~それでも私は人間です~

こひな

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デスクで唸っていると部屋のドアが開き、社長と都築川さんが入ってきた。
社長は今日は朝から人間仕様だ。
二人共抜かりない服装で…それがまたすっごく似合っていてなんだか悔しい。


「「おはよう(ございます)」」


二人揃っての挨拶に慌てて返し、今日の業務連絡をする。全くの通常営業な社長を時々チラチラ見ながら、メモをしたり質問をしたり。


「今日は俺は別なやつと行動する。美里はツヅキとだ。今日は絶対一人で行動するなよ」


こんな事を言う日は絶対何かあるので、言うことを聞くに限る。
面倒ごとは嫌なのだよ。


そんな事を考えながら、今日は諾々と都築川さんの言う仕事を黙々とこなす。
まぁ、私が出向くような案件は人間の役所関係の手続きや登録がほとんどなので、買付け等の仕事以外はいつも通りほぼ社内で過ごす。

そんな感じで、今日も今日とて書類書き。
先日お客様が売りに来た物が警察より問い合わせがった物らしい。


「これ、お客様の対応はどうしたの?」


都築川さんに聞くと、事前に問い合わせがあった物に関しては、すぐに鑑定しないで後日連絡するようにしているらしい。


「警察の方には連絡は済ませてあります。今日の午後に品物の確認があり、もし警察案件であった場合、担当の方に立ち会って頂き対応をお願いしております」


今まで販売・買い取りには対応をした事がない為ちょっと興味があったので聞いたのだけれど……。


「ウチは色々と特殊な事もありますし、取り扱う物も年代物の高価な物が多いので、他所とは少し勝手が違うかも知れません」

…と教えてくれた。
前の会社は全く部門が別だったので、聞いたこともなかった。他所と違うと言うけれど、参考にはなった。


……かと言って今後に役立つかは謎だよね。
と、未だ自分のこれからを決めかねている自分にとって、今後もこの椅子に座っているかどうかは、自分でも分かっていない。


とりあえず、今週中にでもおじいちゃん&伯父さんに会って話をしなければ…。
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