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しおりを挟む雪斗さんのお屋敷に泊り、いつもの如く幸せ気分に浸り気持ちのいい朝を迎えた私は、朝食の給仕にナヅナさんがいて、言葉が出ない程驚いた。あれ?おばあちゃんの家に行ったのって昨日よね?
そう思っていたのが顔に出ていたのか、笑いながら都築川さんが教えてくれた。
実を言うと、ナヅナさんがこのお屋敷を夜空けたのは初めてだったらしい。
いつもはお休みでもお屋敷に寝泊まりしているし、いまだ伴侶がいないナヅナさんには特に遠出する用事もないらしく、最悪でも夜には必ずお屋敷にいるらしい。
「え?要はお屋敷が心配で落ち着かないから…え?終電ギリギリで各駅を乗り継いで帰って来たの?」
こう言っちゃあなんだが……一人でお泊りが出来ず帰ってきてしまった子供みたいで、思わず大笑いしそうになった。けどまぁ、忠誠心ゆえなのだろうと思い笑うのを堪えた。
ちなみに…他の二人は行きの新幹線の中からすでにいかにも新婚旅行という雰囲気が出ていて、終始居心地が悪かったらしい。早々に帰って来たのも必然だったのかもしれない。
お疲れさまでした…ナヅナさん。
「で……どうだったか聞いた?」
食事をしながら、ナヅナさんに聞いたであろう詳細を都築川さんに聞く。
私達の朝食の準備を終えたナヅナさんは、午前中はお休みするらしく(私の視線に居たたまれなくなったのかも…なんて雪斗さんは言ってたけど)後の事は都築川さんが引き継いだらしい。
「ナヅナと聡、どちらもミヤコの親族として現在のご当主であられます女性にご挨拶したそうです…」
二人は子供としてではなく、ミヤコさんの親族として…子孫として挨拶したそうだ。
まぁ…薄情な話なのかもしれないけれど、その辺は都築川さん達の都合…人外さん達の都合もある。
子供ではなく親族と名乗ったのを責めるわけにはいかないし、おばあちゃんの方も知らない方が良い事はある。
知って何かあるより、知らないで今まで通り生活できるのなら知らない方が良いと思うから。
「それと…勝手して申し訳ございませんが、ご当主の…ミヤコの姪御様の一部の記憶と人外が見える力は封印させて頂きました。代わりと言ってはなんですが、人外が見える力の方向性を生命維持に向けさせて頂きました。今度なさる手術は無事乗り越えることは出来るものと思います」
お姉ちゃんの出産の時といい、今回のおばあちゃんの事といい……謎な人外さんの力だけど、母や私を襲った呪いのような力でなければ、とてもありがたいものだと思った。
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