人外さんに選ばれたのは私でした ~それでも私は人間です~

こひな

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雪斗さんに和装の衣裳を選んでもらい、ドレスの方に移る。
ちなみに、和装は白無垢・綿帽子、それと色打掛の二点になった。
今はカツラを被らなくても違和感なくできるそうなので、美容師さんと打ち合わせの際にカツラ不使用でお願いする方向で決まった。


美里みさちゃん!」


ドレスを選ぼうと待合ホールを挟んだ部屋に移動しようとした時、どこからともなく知っている声が聞こえたので、キョロキョロしていたら、入り口に母と雪斗さんのお姉さんの姿が見えた。


「もうっ!美里ちゃん、こんな大事な日にお母さんを呼ばないでどうするのよっ!」


口調はぷりぷり怒った感じだけど微妙に笑顔な母を見て、知らせるのを忘れていたことを思い出した。


「ごめん。急に思い立っての事だったから、双子のお世話もあるし大変かなぁ…と思って」


我ながら言い訳じみたことを言っているなぁと思うのだけれど、そう思っていることも事実なのでしょうがない。
だって、今まではカルチャースクールだ何だと外出していた母が、ぱったりそれらを辞めたことを、姉を通して知っているし、母がいなければとっくに育児ノイローゼになったいた…というほど、母が子育て(孫だけど…)に奮闘しているのも聞いている。


そんななのに、私の事まで時間を取らせてしまうのは忍びなく…なんて言ったら怒られた。
怒られたと言っても、子供にするような『メッ!』と言う感じでだけど…。


母曰く…私の子供は美琴だけではないと…。当たり前に私の事も勇樹の事も心配していると…。
そして……まぁこれが一番怒っていた理由かもしれない…。


美琴みこちゃんは結婚式やらなかったし、ゆうくんはお嫁さんをもらう立場でしょ?娘の花嫁衣装を選べるのは、美里ちゃんの時しかないのよ!」


と力説していた。
まぁ…理解できるだけに何とも言えなかった。
ちなみに、母に連絡してくれたのは雪斗さんのお姉さんだったようだ。
担当は出来ないけれど、将来義理の兄弟になるのだから、少し余計なお節介をさせてもらったって言ってた。
当然だけど、とてもうれしいお節介だったことに感謝して、素直にお礼を言った。
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