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13 産まれた時の影響らしい
しおりを挟むあれから十分程。
ゆっくりはなしをするつもりが、興奮してしまったみたいだ。
自分でも力が入り過ぎてしまい涙が出て、その後大泣きに発展……
美琴ちゃんと都築川さんは私が落ち着くまで待っていてくれた。
「陽香さま…お聞きになりたい事の前に陽香さまと怜さまが産まれた時の事をお話させて頂いてもよろしいでしょうか?ただ……ここからは他言無用のお話になります。陽香さまは誰にも言わないとお約束して頂けますか?」
そう言って都築川さんが美琴ちゃんの横に立ち、私達双子の出産の話しをしてくれた。
なぜ、他人の都築川さんが知っているのか、不思議に思わなかった私も私だけど、話を聞いた後では話の内容自体が驚きの出来事で、最後にはそのことをすっかり忘れていた。
「あのまま私達が何もしなければお二人……というか、陽香さまとお母様のお命はなかったやも知れません」
そう言ってお茶の替えを取りに部屋を出て行った。
なんと言うのか…普段自分が見ている風景だってファンタジーだと思うけど、この話も充分ファンタジーだった。
「陽香?それでね、その時に言われたの。陽香と怜…お姉ちゃんにも少しだけど、雪斗さんの力の名残があるの。それが周りの子達に影響が出てしまっていてね、雪斗さんはこの付近……んー…この辺り一帯の人外を治める当主なの。だから、どうしてもね」
ごめんね…と謝られたけれど、何も美琴ちゃんや崇ちゃんが気に病まなくてはいけないものではないのは、わたしにだって分かる。だけど……怜くんは?怜くんの周りには、私と違っていっぱいいるのに……。
考えていることが顔に出てしまっていたのか、それも美琴ちゃんが教えてくれた。
「怜はね、陽香より小さい時に契約を結んでしまったの。本来ならば、人間で言うところの神に誓ってするものなのだろうけど、何がどうなったのか "仮契約" と言う形で成立しちゃったのよ」
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