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44 宮田の場合
しおりを挟む天は二物も三物も与えるーー…
俺を見て周囲の人達は言うが…こう見えて表に出ないだけで、勉強はかなり頑張っている。運動は、まぁ目立つ程じゃないけどそこそこできるけど、それだってそれなりに頑張っている。っていうかそれぐらい出来ないと、万葉の目に止まらなかったから。
そんな恋もなんとなく終わり、気が付けば俺はまた恋をしていた。
『また鈍い子を好きになったねぇ~。それに身近に兄付きじゃねぇー…?』
とは里奈の言葉だ。
最初はちょっとボケボケしたやつだと思った。この学校に入ったのだからバカではない。いわゆる天然か?…とその程度だった。
そう思っている内に、なんだか目が離せなくなっていた。
外見で惚れたんだろ…とかよく言われる。
まぁ、そう言われるくらい彼女は…渡利はかわいかったし、ボケボケしてる割には思いがけないところでしっかりしてるものだから、なんだかんだと男子にも人気はあった。
『渡利さんってかわいいけどさ、近づけないんだよな。ほら、周りがわりとがっちり守ってんじゃん』
と……同じ部活の奴が話していた通り、彼女の周りには里奈がいて、万葉がいて双子の兄もいる。そんじょそこらの彼氏持ちより遥かに固い守りだ。
ただ…問題は、俺もその守りを超えられるのか…なのだ。
『素っ気ない態度してるけど、あの兄は里奈の周りには目を光らせてるよ』
幼馴染であり同士の里奈はちょこちょこ情報をくれる。
そしてある日……里奈の口から意外なことを聞いた。それは、万葉と渡利兄がいい感じの雰囲気になってるという事だった。
「いいのか?お前、万葉のこと……」
はっきり聞いたことは無かったけど、なんとなくは分かっていた。俺には依存に近いものにしか見えなかったけど、里奈の心が平和ならそれでも良いと思っていた。けど……
『いいんだ。そろそろ区切りつけないと行けないんだと思う。万葉はきっと私と友達であることを選んだんだと思う』
泣きそうな顔で諦めの言葉をはく里奈に、何も言ってやれない自分が悲しかった。
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