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60 妖精姫 なる?ならない?
しおりを挟む崇ちゃんとの話のあと、病室には私とぼんちゃんだけ残った。ベッドには青白い顔をした私が、色々なチューブに繋がれて眠っている。
『何もしなければ、この身体が死ぬと同時に私は死ぬの…かな』
いつものように独り言を呟くように話をした。そんな呟きもぼんちゃんは聞き逃さず相手をしてくれる。
『まぁなぁ…陽香が人間でいたいってっ気持ちも分かる。怖いんじゃろ?変わるのが……』
さすがぼんちゃんだ。
的確な指摘に何も言えない。
そう……死ぬのも怖いけど、変わるのも怖い。
それに…宮田くんが私と契約ということは、崇ちゃんや美里ちゃんのようになるんだろうと思う。それは、宮田くんも変化するということじゃないの?
私も知らないことを、宮田くんにろくに教えもしないで契約を迫るって…悪徳商法みたいだよ…崇ちゃん。
『宮田くんにちゃんと話さないと。美里ちゃんに話して貰えるのが一番いいのかな…』
恐らく身体の変化も伴う契約だろうと予想する。だって、美里ちゃんって年齢相応じゃないもんね。
『ぼんちゃん。明日、美里ちゃんの所に付き合ってもらえる?通訳頼みたいの……』
どうしようもなくテンションが下がる真夜中。ぼんちゃんに明日の通訳を無事了承してもらい、ぼんちゃんが帰るのを見送った。
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