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ばあちゃん探索をする

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うむうむ

何もしなくてもちょっとの間はなんとか生きていけそうな気がしてきた。
食べるモノがあればなんとか。
娘のトコに行く荷物持っててよかったわー
改めて思う。
寝る場所があればなんとか。
下の収納庫ベッドで十分だし。
水があればなんとか。
外に井戸っぽいと見付けたし。

あれ?水・・台所、水とか出るの?
試してみようか。

キッチンに立って恐る恐る蛇口に手をかける。
水色の綺麗な石がレバー部分にはめ込まれている方を回す。
普通に元の世界と同じ動作をした。

水がでた。

ついでに火も・・と思い赤い石がはめ込まれている部分の触れると、火口に火がついた。
形状は、・・五徳があるコンロっぼくなくて、IHタイプのコンロみたい。

ヤカンとか鍋とかフライパンはあるのかな。
つり戸棚っぽいヤツを開けてみた。
鍋が1個あった。
よしよし、1個あればなんとかなる。

フライパンとヤカンは買い物で・・

はっ!!

買い物って、どこにいけばいいの?
つか
お金持ってなくね?

肩から斜め掛けしているスマホポーチを思わず確認したよ。

スマホポーチ

スマホ等が入れられるチャックがついたスペースが2か所。
小銭が入りそうなスペースが1ヶ所。
カード程度しかはいらなそうなスペースが1か所ある。
そんなスマホポーチにいつもスマホはもとより、小銭が500円玉2枚、100円玉5枚、50円玉1枚、10円玉4枚、5円玉1枚、1円玉4枚入れている。
普通ならお財布持つんだろうけど、身軽に過ごしたくて札のままポーチのスペースに入れていた。
1万円札1枚、5千円札1枚、1000円札5枚。

現在の全財産だ。
後はチャージカードとクレジットカードで過ごすので普通になっていた。
しかし此処は異世界だ。
使える筈がない。

諭吉先生は通用しない。

詰んだ。
ザラザラと小銭をポーチから出す。

あぇ?

小銭が見たこともない色をしているよ?
札も出してみた。
もはや札ではなかった。
あせった。
ある筈の札がなかったからだ。
ポケット部分の底に溜まっていた小銭に気が付いた。

カタンカタンと小銭・・硬貨をテーブルに並べる。

1599円分ある筈の小銭たちと、2万円分ある筈の小・・硬貨たち。

テーブルに並ぶ硬貨たちを眺める。
価値がわからないが、たぶんおそらくだいたい同じ位の価値になるように、女神が異世界のお金に換えてくれてあるんじゃにかろうか、と思えた。

おっきな金貨1枚、少し小さい金貨1枚、大きな銀貨5枚、小さな銀貨2枚、銅?貨5枚、小さな銅?貨1枚、鉄貨5枚になっていた。

ん?

1円玉のなるヤツがになくて鉄が5枚になっているのかな?

とりあえずお金は・・ある。
あとは貨幣価値と・買い物できる場所?

さて・・地図とかあるのかね?

そしてさりげなくスマホを手に取った。
電源ボタンを押し画面を表示させた。
生きてたよ、スマホ。

バッテリー切れるまで大事にしよう。
写真が残っていてよかった。
娘夫婦と孫の写真を見てちょっと安堵して、電源を落とした。

あ、そだそだ。
女神象。

何処に置くかな。
とりあえずは、使っていないストーブの上ににても置くか。
とりあえず。

いゃ、伊藤さんや。あんたがストーブの上に乗ってどうすんの。
女神象置きたいからどいてくれんかね?
それとも一緒に座るかね?

結局、女神象と伊藤さんがストーブの上で同居した。


____________________


さて、と。

結界に柵をしてあるとかなんとか?
とりあえず出歩いてみますかね。

玄関?を出るとそこは・・よく手入れをされた芝生のようである。
雑草なんだろうが、樹勢は低く獣道が出来ていた。
よく踏み固められた獣道。
いや
・・小道、だな。
たんぼの道みたいな感じだ。
軽トラ一台分の幅の道で、真ん中に草はない。

家からまっすぐ歩くと三叉路になっていたが、道に迷ったら左へ左へと歩いていけば元の道に戻る、とかの都市伝説の通りに左へと曲がる。
家の左手に回ると世界樹がある。
デカイ。
屋久杉だっけか、あんな感じだ。
思わず口を開けて見上げてしまった。
家と世界樹の間に畑のスペースがあった。
これは、きっと畑仕事をしろという事だろうか?
やってやろうじゃないか。
元農家の嫁だ。
緑の手ではなかったけどな。
10畝位はできるだろうか?
ま、後回しだけどね。

テクテク歩く。

伊藤さんもついてきた。
2カ月のアパート暮らしでストレス溜まっていたであろう伊藤さんは、ダッシュを繰り返しながら着いてくる。
農家の猫だから半野良育ちだからなー室内飼いは辛かったかなーやっぱり。
此処なら外に居てもいいよー。
ヘビのお土産はいらないからねー。
鳥とかトカゲの慣れたから大丈夫だよ。
しかし
どこに柵があるのかな。
道沿いだとわからないのかな・・ちょっと道を外れてみた。
体感10分位歩いただろうか。
ちょっと鬱蒼とした林?森にたどり着いた。
水の音が聞こえる。
音に向かって歩くと、幅が3メートル位あるだろうか?川に辿りつく。
川の向こう側、・・2、3メートル先の土地に柵があった。
川向うだ。

川を右手に見て柵を見ながら歩いていくと、左手から小道が繋っていて川に掛かる橋に向かっていた。

ん?
ちょっと脳内で俯瞰図を思い浮かべる。
もしかしたら、世界樹の道を外れなくてもこの場所に辿りついたのでは?
小道通りに歩けばよかったのか・・・。

橋、といっても丸太を繋いでその上に板を渡してあるような、ちょっと歩くには不安になる感じの橋だ。
向こう側の橋の端は、簡易的な入口になっていて門柱みたいな棒が立っていた。
じーっと見ていると、ポヤンと目の前に薄っすらと半透明な画面が出た。

!!!!

ラノベ得意の鑑定とかステータスとかのヤツ??

『聖域結界の出入り口  選ばれし者のみが入れる』

はい?




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