運命に惑うケモミミBL♂ハイスペ愛情深🐺×恋歴難美人オネェ🐱『ロドンのキセキ🌹翠玉のケエス💎輝石ノ箱ヨリ⚙️芽吹』連載中

🍶醇壱🔹JUNICHI🍶

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🌹『翠玉のケエス:芽吹』🌹 本編 💎 WHEEL of FORTUNE:U 💎

Drop.003『 WHEEL of FORTUNE:U〈Ⅱ〉』【1】

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 静かに黙した男に対し、法雨みのりは続ける。
「――届け出てないのは、届け出をする気がないから。――理由はそれだけよ。――それに、あの子たちだって、こういう形でしか処理できないだけなのよ……。――アタシ、別に誰に抱かれようが平気なの。だから、あの子たちがアタシで満足出来てるなら、アタシはそれでいいの。――大して上手くもないし、確かに望んで抱かれてたわけじゃない。――でも、苦痛とも無理やりさせられてるとも思ってないわ」
「――………………」
 そんな法雨の言葉を受け、男は静かに溜め息をつくと、しばし考えるようにして黙す。
 その様子に、なんとなく叱られているような気分になった法雨は、静寂の中、自身の手元に視線を落とした――。
 
 
 ― Drop.003『 WHEEL of FORTUNE:U〈Ⅱ〉』―
 
 
 実のところ――。
 何故、あの若いオオカミたちを警察に突き出そうと思えないのか――。
 何故、彼らの非道をゆるし、かばってしまうのか――。
 法雨自身も分からなかった。
 彼らがまだ自信よりも若く幼いせいか――、彼らに求められている時、結局は自身も充足感を得ているからか――。
 その理由を探ろうとしても、明確な答えは見つけられないが、いずれにしろ――、いかにしても、法雨は、彼らをただの悪と思う事が出来なかったのだ。
「――でも、いいのよ……。――どうせ、今だけだから……」
 静寂の中、改めて理由を探ったが、今回もやはり明確な答えに辿り着けなかった法雨は、黙したままの男を前に、呟くようにして言った。
 それに顔を上げた男が、静かに法雨に視線を移すと、法雨は、誰に言うでもなく、自分の手元を見つめたまま紡いだ。
「――“オオカミなんて”、そんなもんでしょ……。“オオカミなんて”全員、ある程度満足したら勝手に離れて行くんだから……。――最初から、人を大事にする気なんてない……。飽きたらおしまい……。皆、そう……。――だから……、――だからオオカミは嫌いなのよ……」
 法雨は、そう言うと、その身についた埃でも払うかのように、ダークブラウンのまだら模様が映える――レモン色に彩られた耳と尾を、やや苛立たしげに動かした。
 そのつややかな毛並や、耳や尾と同じくダークブラウンのメッシュが入ったレモン色の髪は、薄暗い倉庫の中では妙に際立って見えた。
 その中、法雨は、頬を隠す程度に切り揃えられたその柔らかな髪を揺らがせ、さらに紡ぐ。
「――さ、アタシが平気なのは分かったでしょ。もう放っておいてちょうだい。――助けようとしてくれた事には感謝するけど、これ以上の手助けは必要ないわ。――それに、アナタみたいな人にこれだけ脅かされたんから、あの子たちも当分は来ないわよ。――だから、アナタのお役目もここでおしまい。アタシの事も、もう気にしないで」
 そんな法雨が、顔を背けたまま投げやりに言葉を紡ぎ切ると、その態度や言葉を受けてか、これ以上の手出しは無用と悟ったらしい男は、ただ静かに、
「そうですか……」
 とだけ言った。
 その低く優しげな声に、法雨は、少しだけ罪悪感を覚えた。
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