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第三章

閑話1 桃季壊れるの段2

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中に入ると本当にジャングルを模した感じで、机も椅子ももちろん壁も床も全て木だった!南国の植物を多種多様に置き、所々蔓が垂れ下がっている。

感激だ!!
ああ、おおいに感激だぁぁぁぁぁぁぁぁっ!

翠蓮と竜胆は少し息を切らせている。
なんと、
「軟弱な!!」
「「お前が悪いんだろうがっ!!」」
と、難癖を付けてくる二人を無視し、カウンターで注文をする。
カウンターはもちろんのこと。
なんと!!
なんと!!!なんと!!!!!!
皿やカトラリーまで木ではないかっ!!!
思わず、
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
と叫んでしまった。
正直恥ずかしい。
翠蓮と竜胆はすでに俺から距離を取っている!
裏切り者め!!
ま~~いい!
とりあえず、
「このセットとこっちとそれも!あとそのセットも頼むわ」
「か、畏まりました!!!ご、5番の札でお待ちください」
渡された札を翠蓮に託し、俺は場所を確保することにした。
緑があって、静かで、陽が仄かに当たって・・・・・・・。
お、あったぞ!!あそこだっ!と一目散に俺はソコの場所取りをする。
隅にあるせいなのか、それとも見つけにくい場所なのか、周りに騒がしいカップルも子連れもいない。
「最高だっ!!」
悦に入っていると、翠蓮と竜胆がこれでもかという量のファストフードをテーブルに置いていく。
「こんなに食えるんだろうな、桃季?」
「そうですよ、全く。というか、恥ずかしいのですけど」
竜胆が周りを気にする素振りを見せる。
確かにこそこそと女性が俺たちを見ては笑って?嗤って?嗤うだとぉぉぉおっ!
赦せん!!
が、しかし!翠蓮に
「落ち着け、桃季。お前が悪い」
解せぬ!!!

大量に注文したファストフードは正直、街で見かける『ザ☆庶民の味方』の店のが美味しく感じた。見栄えだけで大味すぎたのだ。
「満足できん!!」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
二人は黙ったままモクモクと食している。正直俺はもういらない。
「・・・・・・桃季、食べ物を粗末にするな。つか、テメー何も考えず買いやがったな」
「ふん」
「折角葵兄さんが、このレジャーランドにあるアニメとコラボしているフレンチレストランを予約してくれたのに!」
「なんだとぉぉぉぉ!!俺は聞いてないぞ!」
「「葵は説明した!!」」
「ぐっ!!」
二人がかりで言われると、負けるのは当然だ。
ちくしょーーーーーー。
腹一杯で・・・・・・・。
「待てよ?お前ら少し身体動かすの付き合えよ?」
「「は???」」
突然突拍子もないことを言い出したと思っただろ?
だが、違うのだ!
聞こえてくるのだ!
出演者が高速道路で事故に巻き込まれ立ち往生をし、開演時間に間に合わないと!
ならば!
「私たちの出番ではないかっ!あーーーーーははっははっ!」
「「桃季が壊れた・・・・・・・」」
「失敬なっ!!!」
だが、本当に壊れていたのだよ、全く・・・・・・・・・。
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