王女の企み【完】

mako

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真実

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エドワードは馬車に乗り込んでルリネットを椅子に座らせた。着させられているマクシミリアンの上着を剥ぎ取り、自分の上着を丁寧にルリネットに着せる。

ルリネットは放心状態であり小刻みに震えていた。
エドワードはすぐには馬車を出さずそのまましばらくの時間をそこで過ごした。

それでもルリネットは王女で有るために毅然と振る舞う様にこんな時にでも努めている。

『エドワード…ありがとう。私の迂闊な行動で大王国にはご迷惑を…』


ルリネットが必死に紡ぐ言葉を遮り


『黙っていろ!』

エドワードはルリネットを己の懐に抱き抱えた。

ルリネットは押さえいた涙がボロボロと溢れる。

『泣け。ここには誰も居らぬ。存分に泣け。』

その言葉と同事にルリネットは声を上げて泣き出した。



しばらくしてルリネットは突然話しだした。


『エド、貴方マクシミリアン王太子にイザベラ様を盾に出したわね?全く男らしくないわ!』


平常運転に戻ったルリネットを確認し馬車は王宮へと走り出した。




王宮に付くと部屋にはフリードリヒ殿下とウィリアム王太子が待ち構えていた。

『リネット!大事ないか?』

ルリネットの装いに驚きエドワードを睨むもエドワードが黙って頷けば安堵した様にソファに掛けた。

その後ウィリアム王太子はフリードリヒ殿下から事の経緯の説明を受けていた。途中ウィリアム王太子が何度もソファから立ち上がり怒りを表すも、ルリネットは両国の第一王子の王子様仮面が外された姿に笑いが込み上げてきた。


しばらくしてウィリアム王太子が重い口を開いた。

『リネット、よく聞くんだよ。今から話す事はリネットも知っておかなければならない話しだ。』


そう言うと聖なる力の話しをゆっくりと話しだした。


『ウィルお兄様、それについては私も存じておりますわ。こうみえてもヴェルヴァス王国王女でありますもの。』

驚きを隠せないウィリアムであったが、

『リネット、今まで話をせずすまなかったね。』

ルリネットの頭を目を細目ながら撫でていると、


『甘やかしておられるのは、ウィリアム王太子でしたか』

ボソッっと呟くエドワードの目を覗き込みウィリアムは

『なるほどね…』

ニヤリと笑いエドワードの瞳を注意深く見つめた。



(ウィルお兄様…男性もストライクゾーンですの?)



相変わらず斜め上をいくルリネットであった。
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