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フリードリヒ殿下との時間
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ようやく落ち着きを取り戻した王宮に以前の様な穏やかな日常が流れる。
『王女、今日は殿下とのお時間がございます。庭にてアフタヌーンティーをご用意しますので遅れなき様ご準備を!』
『何もお庭でなくてもここでいいのに…』
面倒くさそうに答えるルリネットに
『今週は他の王女は殿下と遠乗りに出かけられますがルリネット様については殿下のご配慮がありましての庭でのアフタヌーンティーです。遠乗りがよろしかったのですか?』
…
『そうね、心地よい風に当たってのアフタヌーンティーも素敵ね。今から楽しみだわ!』
現金なものである。
ルリネットが庭に出ると既にフリードリヒ殿下は席に付いていた。急いで席に付くと
『急がせてごめんね。私が早く来すぎていたのだから』
ルリネットが詫びる前にそう言ってくれるフリードリヒ殿下。
ルリネットは静かに席に付くも、目の前に広がるスイーツに目を輝かせる。ダリス大王国のスイーツはヴェルヴァス王国とは異なり見た目も可愛らしく女性の心を擽る品々である。
『ルリネット王女は分かりやすいね』
フリードリヒはルリネットを見つめながら微笑む。
ルリネットの瞳をじっくり観察するように眺めて
『やっぱりね。初めてからそんな気がしていたんだ』
寂しそうに呟くフリードリヒにルリネットは
『何がでございますか?』
首を傾げるがフリードリヒは
『いや、ルリネット王女は存分鈍いんだね。』
と小さく微笑んだ。
しばらくしてフリードリヒ殿下は
『少し私の独り言を聞いてくれるかい?』
ルリネットに真っ直ぐな視線を送る。
『独り言ですか?
…どうぞ。』
困惑するルリネットだが断る理由もない。
『私はね、ウィリアム王太子が話す聖なる力を求める一人だ。どの国も同じだよ。特に国が安定している所はね。
聖なる力を有する者は恐らく一定数は存在する。ヴェルヴァスももちろん、リア大王国もそして我が国にもね。
そしてその安定した国に存在する王女は貴女とイザベラ王女。他にももちろん存在するかもしれないが確率的にはこの二人が可能性が高い訳だ。』
…私?いやいや私は無いわ!
『ルリネット王女、貴女は心の声が分かりやすいね(笑)でもね恐らくはヴェルヴァス王国は王子も王女もその力を有していると私は考えている。
でも、問題はここからなのだよ。聖なる力を持つ者同士でも心を分け合う仲になることが難しいだろ?聖なる力を有する者を探す事も難しいが、実際この先のほうが難しいよね。』
…まあ、そうよね。
『政略結婚では成立しないからね。真実の愛を求め、その相手が聖なる力を持っているか否か。これは難しいよ。
でもね、私もダリス大王国第一王子だ。その力が成立するならばそれが1番だと考えている。もちろん自分でなくてもね。それが国の為になるのだから』
…よくわからなくなってきたわ。
『ルリネット王女、王太子妃候補の選定はね、王太子妃を選ぶのではなく、聖なる力を分け合う事の出来る王女と王子を選定しているのだよ。』
…えっと、私はついていけていないわ。
『だからね、私は立太子していないだろう?』
フリードリヒ殿下は悪戯っぽく笑うと大きく息を吐き、席を立った。
『ルリネット王女、君の力は本物だよ。』
これぞ王子様♡というスマイルを残し帰って行った。
残されたルリネットの頭は既にキャパオーバーである。
『王女、今日は殿下とのお時間がございます。庭にてアフタヌーンティーをご用意しますので遅れなき様ご準備を!』
『何もお庭でなくてもここでいいのに…』
面倒くさそうに答えるルリネットに
『今週は他の王女は殿下と遠乗りに出かけられますがルリネット様については殿下のご配慮がありましての庭でのアフタヌーンティーです。遠乗りがよろしかったのですか?』
…
『そうね、心地よい風に当たってのアフタヌーンティーも素敵ね。今から楽しみだわ!』
現金なものである。
ルリネットが庭に出ると既にフリードリヒ殿下は席に付いていた。急いで席に付くと
『急がせてごめんね。私が早く来すぎていたのだから』
ルリネットが詫びる前にそう言ってくれるフリードリヒ殿下。
ルリネットは静かに席に付くも、目の前に広がるスイーツに目を輝かせる。ダリス大王国のスイーツはヴェルヴァス王国とは異なり見た目も可愛らしく女性の心を擽る品々である。
『ルリネット王女は分かりやすいね』
フリードリヒはルリネットを見つめながら微笑む。
ルリネットの瞳をじっくり観察するように眺めて
『やっぱりね。初めてからそんな気がしていたんだ』
寂しそうに呟くフリードリヒにルリネットは
『何がでございますか?』
首を傾げるがフリードリヒは
『いや、ルリネット王女は存分鈍いんだね。』
と小さく微笑んだ。
しばらくしてフリードリヒ殿下は
『少し私の独り言を聞いてくれるかい?』
ルリネットに真っ直ぐな視線を送る。
『独り言ですか?
…どうぞ。』
困惑するルリネットだが断る理由もない。
『私はね、ウィリアム王太子が話す聖なる力を求める一人だ。どの国も同じだよ。特に国が安定している所はね。
聖なる力を有する者は恐らく一定数は存在する。ヴェルヴァスももちろん、リア大王国もそして我が国にもね。
そしてその安定した国に存在する王女は貴女とイザベラ王女。他にももちろん存在するかもしれないが確率的にはこの二人が可能性が高い訳だ。』
…私?いやいや私は無いわ!
『ルリネット王女、貴女は心の声が分かりやすいね(笑)でもね恐らくはヴェルヴァス王国は王子も王女もその力を有していると私は考えている。
でも、問題はここからなのだよ。聖なる力を持つ者同士でも心を分け合う仲になることが難しいだろ?聖なる力を有する者を探す事も難しいが、実際この先のほうが難しいよね。』
…まあ、そうよね。
『政略結婚では成立しないからね。真実の愛を求め、その相手が聖なる力を持っているか否か。これは難しいよ。
でもね、私もダリス大王国第一王子だ。その力が成立するならばそれが1番だと考えている。もちろん自分でなくてもね。それが国の為になるのだから』
…よくわからなくなってきたわ。
『ルリネット王女、王太子妃候補の選定はね、王太子妃を選ぶのではなく、聖なる力を分け合う事の出来る王女と王子を選定しているのだよ。』
…えっと、私はついていけていないわ。
『だからね、私は立太子していないだろう?』
フリードリヒ殿下は悪戯っぽく笑うと大きく息を吐き、席を立った。
『ルリネット王女、君の力は本物だよ。』
これぞ王子様♡というスマイルを残し帰って行った。
残されたルリネットの頭は既にキャパオーバーである。
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