王女の企み【完】

代打…ラインハルト

翌日からルリネットの執事がエドワードから、既にお付きの王女が脱落していたラインハルトに代わった。


『ルリネット王女、ラインハルトでございます。今後は私がお世話をさせて頂きますので何なりと!』

眩しい笑顔を巻き散らかすラインハルトに

『まあ、エドワードはどうかしたの？』

ラインハルトはニヤリと口角を上げてルリネットの瞳を覗き込んだ。


『まあ、これから少し忙しくなりそうですから。』


含みをもたせるラインハルトに

『あら、いつも暇そうなのにね！』

そう言って通常通り、地図のテーブルに付く。

ラインハルトは初めて見る地図ではあるが、予想外に地図に興味を示し、ルリネットに視線を送る。ルリネットは地図を嬉しそうに更新していく。



エドワードからすれば、この地図はルリネットの趣味であったがラインハルトはこの地図の意味を瞬時に理解したのだ。

『王女、このイザベラ王女の位置はこちらでは？』

そう言ってイザベラ王女の駒を動かす。すかさず

『あら？どうしてそう思うの？』


ラインハルトは確信を持ったように

『これはこうあるべきだからです。』


『答えになっていないわ！』

見上げるルリネットに、

『この地図は良く出来ていますが肝心な所が間違っている。この山にあるルリネット王女の駒の位置が確実にどうかと思いますが？』

…どうゆう事かしら？
頭を悩ませるルリネットを優しく見守るラインハルトであった。