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八月になり、月浦にも本格的な夏がやってきた。
港の対岸にある浅瀬は絶好の遊び場で、太陽が高くのぼると子供たちのはしゃぐ声が飛びかうようになる。その中には遥香に裕一、梨華の姿もあった。
遥香は海につき出した岩場にしゃがみこんで、みんなが遊ぶ光景をながめている。しばらくすると海の中から裕一と梨華が顔を出して、遥香に向かって手をふった。
「おーい、遥香もこっちにこいよー!」
「そうだよ!この下でね、すっごくキレイなウミウシを見つけたの!」
遥香は二人に向かって大きく手をふり返すと、すっと立ち上がった。
そして足元に広がる青くすきとおった海に向かって、力強くジャンプする。
ざぶん!遥香は派手な音をたてて海に飛びこんだ。浅瀬とは言っても、そこはもう五メートルくらいの深さはある。
「おーい、お待たせー!」
まだぎこちない平泳ぎで近づいてくる遥香を、二人は笑顔でむかえた。
「まさかあの遥香が、こんなに泳げるようになるなんてなあ」
「本当。これならすぐに、もっと上手になるんじゃないのかな」
裕一と梨華に口々にほめられて、遥香は照れくさそうに頭をかいた。だけど気を抜いたせいで頭が水の中に沈みそうになり、梨華がとっさに助けに入る。前よりは泳げるようになったとはいっても、まだまだ油断はできなかった。
「でもさ、ここまで急に上手になるなんて確かにすごいよ。やっぱり大産卵の夜に、お母さんに会えたっていうのが大きいのかな?」
「そうかもしれない。あの日から、水に入るのが少しも怖くなくなったんだよね」
梨華に話しながら、遥香はお母さんの声が遠ざかっていったあとのことを思い出す。
水面に浮かび上がった遥香は裕一に手をかしてもらって、無事にボートにの上に戻ってきた。裕一の話では、その時にはもう遥香の髪や瞳の色は元通りになっていたらしい。遥香を引き上げてくれた時の裕一の顔は、なぜか涙ぐんでいた。
だけどそのあとのことは、まったくといっていいほど記憶になかった。それからはメリーに案内されて裕一がボートをこぎ始めたけれど、遥香はすごい疲れにおそわれて、すぐに眠ってしまったのだ。
目が覚めた時にはもう、ボートは月浦湾の浜辺にうち上がっていた。ボートの上では裕一も眠っていた。起きたあとで話を聞くと、裕一もすぐに眠ってしまい、どうやってここまで帰ってきたのかさっぱり分からないそうだ。遥香はもしかしたら、お母さんが最後に力をかしてくれたんじゃないかと思っている。
起き上がって海を見ると、水平線の上からゆっくりと朝日が昇るところだった。遥香はいつもの習慣でゆっくりと目をとじ、海に向かって語りかけた。
(お母さん、おはよう。そしてありがとう…無事に月浦へ帰ってこれました)と。
「遥香」
その時、誰かが急に遥香を呼んだ。
お母さんではない。けれどお母さんと同じくらい優しげな声で。
ふり返ると、砂浜の上でお父さんが遥香に笑いかけていた。近くには梨華の姿もある。
「お父さん!梨華ちゃん!」
二人の姿を見た遥香は急に懐かしくなって、まずはお父さん、次に梨華に力いっぱい抱きついた。
あとで聞いた話だと、家で眠ることができずにいたお父さんは空がうっすら明るくなるのを待ってから、海に遥香を探しに来たらしい。するとそこにはもうボートの上で寝息をたてている遥香と裕一の姿があったので、安心して二人が起きるのを待っていたという。
そして梨華はその前の夜、キィちゃんのことで聞きたいことがあって遥香の家に電話をしていた。だけどそれはもう、遥香が出発したあとだった。お父さんは少し迷ったけど、梨華に話せるだけのことを話し、遥香は帰ってこない可能性もあることも伝えた。
前からマリンパークにいる時やメリーと一緒の時の遥香には不思議なところがあると思っていた梨華はすぐにその話を信じて、遥香が戻ってくるかどうかを強く心配していた。だからお父さんから携帯で遥香たちの無事を確認すると、彼女もすぐに月浦湾に駆けつけてくれたのだった。
今になってあの出来事を思い出すと、なんだか長い夢を見ていたような気もする。だけど決してそうじゃなかったことを証明するかのように、それからの遥香にはいくつか大きな変化が起こっていた。水嫌いが消えたことは、そのうちの一つだ。
それに、変化があったのは遥香だけではなかったらしい。
「そうだ!遥香、聞いてくれよ」
港にとまっている漁船を見て、裕一が思い出したように遥香に話しかけた。
「母さんがさ、漁師になるのを許してくれたんだ!」
「えっ!本当?」
遥香の言葉に笑ってうなずく裕一。その笑顔を見て、遥香は昔の裕一が帰ってきたようだと思った。
前はお母さんに気をつかって自分の本当の気持ちをおさえこんでいた裕一だけど、大産卵の夜の次の日から、遥香や友達にまた自分の夢を打ち明けるようになっていた。
そのきっかけになる出来事が、遥香が海の中にいる間に起こっていたらしい。ボートの上で輝くミノリイシの卵を見ていた裕一の耳にも、彼のお父さんの声が聞こてきたというのだ。詳しいことは話さなかったけど、彼はその時の会話によって、やっぱりお父さんやおじいちゃんみたいな漁師になりたいという気持ちを強くしたようだ。
「勇気を出してお願いしたらさ、母さんは何も聞かずにうなずいてくれたんだよ。これもわが家の宿命だってあきらめてくれたのかもしれない。そう思うと、申しわけない気もするけどさ…」
裕一の心境は少し複雑らしい。それでも夢への一歩を踏み出した彼の表情は、遥香の目には晴れやかに映った。
それから裕一は気分を切りかえるように、大きな水しぶきをたてて海へもぐった。
「進藤君はすごいな。自分の気持ちをちゃんとお母さんに伝えて、認めてもらうなんて」
一緒に裕一の話を聞いていた梨華が、うらやましそうに大きくため息をついた。
「今の私のお願いは、パパとママにもっと海を大事にする気持ちを持ってもらうこと。そのために、私が海の素敵なところをちゃんと伝えられるようにがんばらないと」
梨華もきれいな月浦湾をながめながら、自分の決意を力強く打ち明ける。梨華もこの町に来て、大きな目標を見つけることができたようだ。
「それじゃあ遥香ちゃん、お先に!」
そう言うと、梨華も体をくるりとひるがえして海へダイブする。
「すごいなあ。二人とも」
遥香は嬉しそうにつぶやくと、二人に続いて海の中へもぐっていった。
大産卵の夜を通して遥香に起きた変化はもう一つある。お母さんから受け継いだ力がさらに目覚めて、水の中がはっきりと見えるようになったのだ。
ひとたび海へもぐると、遥香の前には陸とはまったくちがう世界が広がる。水の流れにのってそよそよとなびくアマモの草原。日の光を浴びて大きく広がったサンゴ礁は、色とりどりのお花畑のようだ。そんなアマモやサンゴに集まっているたくさんの熱帯性の小魚たちが、海の中をますますカラフルに彩っている。
遥香ががんばって足をバタつかせながら水の中を進んでいくと、目の前に小さな丸い生き物がふっと現れる。サカサクラゲだ。
だけどちょっと変だ。サカサクラゲは海底にかさをくっつけてじっとしていることが多いのに、こうして水面の近くを泳いでいる姿はけっこう珍しい。ふわり・ふわりとかさを広げたり縮めたりするクラゲの動きは、心臓みたいに一定のリズムをきざんでいる。
しばらくぼおっとサカサクラゲを見ていた遥香は、前に元山さんから聞いた話を思い出して(もしかして)と思った。そして、そおっと指を近づけ、軽くかさに触れてみた。
サカサクラゲが驚いてかさをぱっと広げた、その直後。クラゲの体は黄色い光の粒になって海の中へと散らばっていった。
やっぱり…今のはなぜかこの海に取り残されていた、お迎え役の一匹だったようだ。大産卵のことを忘れて、この海でのんびり過ごしていたようだ。
今のサカサクラゲはこれから、お母さんのいる竜宮へと帰っていくのだろうか。遥香は青色がいっそう深く見える湾の出口のほうを向き、遠い遠い海へ思いをはせた。
(おーい、遥香あ!)
そこへすーっと近づいてくる、メリーの白いシルエット。久しぶりの再会に、遥香も元気よく手をふった。
(久しぶり!ねえメリー、お母さんは元気?)
(うん!月浦のミノリイシも無事に着いたし、すごく喜んでたよ!遥香によろしくって)
(そっかあ。ありがとう)
まわりをくるくる泳ぎながら報告するメリーに、遥香は笑顔でこたえた。
それを聞いたメリーもほほ笑むような顔で遥香を見つめると、くるりと体をひるがえして遠くへ泳いでいった。ミノリイシの大産卵が終わって、メリーも今は別のお役目を果たすために世界中の海を泳ぎまわっているのかもしれない。
(私はここで、もっとがんばらないとね)
眼下に広がるサンゴ礁を見つめて、遥香も自分の決意を確かめる。いつかまた、この海にたくさんのアヤイロミノリイシが戻ってくるように…。
そよ風に似た潮の流れを感じていると、遠い日に聞いたお母さんの歌がよみがえる。はるかな海の優しさに、そっと包まれているようだった。
港の対岸にある浅瀬は絶好の遊び場で、太陽が高くのぼると子供たちのはしゃぐ声が飛びかうようになる。その中には遥香に裕一、梨華の姿もあった。
遥香は海につき出した岩場にしゃがみこんで、みんなが遊ぶ光景をながめている。しばらくすると海の中から裕一と梨華が顔を出して、遥香に向かって手をふった。
「おーい、遥香もこっちにこいよー!」
「そうだよ!この下でね、すっごくキレイなウミウシを見つけたの!」
遥香は二人に向かって大きく手をふり返すと、すっと立ち上がった。
そして足元に広がる青くすきとおった海に向かって、力強くジャンプする。
ざぶん!遥香は派手な音をたてて海に飛びこんだ。浅瀬とは言っても、そこはもう五メートルくらいの深さはある。
「おーい、お待たせー!」
まだぎこちない平泳ぎで近づいてくる遥香を、二人は笑顔でむかえた。
「まさかあの遥香が、こんなに泳げるようになるなんてなあ」
「本当。これならすぐに、もっと上手になるんじゃないのかな」
裕一と梨華に口々にほめられて、遥香は照れくさそうに頭をかいた。だけど気を抜いたせいで頭が水の中に沈みそうになり、梨華がとっさに助けに入る。前よりは泳げるようになったとはいっても、まだまだ油断はできなかった。
「でもさ、ここまで急に上手になるなんて確かにすごいよ。やっぱり大産卵の夜に、お母さんに会えたっていうのが大きいのかな?」
「そうかもしれない。あの日から、水に入るのが少しも怖くなくなったんだよね」
梨華に話しながら、遥香はお母さんの声が遠ざかっていったあとのことを思い出す。
水面に浮かび上がった遥香は裕一に手をかしてもらって、無事にボートにの上に戻ってきた。裕一の話では、その時にはもう遥香の髪や瞳の色は元通りになっていたらしい。遥香を引き上げてくれた時の裕一の顔は、なぜか涙ぐんでいた。
だけどそのあとのことは、まったくといっていいほど記憶になかった。それからはメリーに案内されて裕一がボートをこぎ始めたけれど、遥香はすごい疲れにおそわれて、すぐに眠ってしまったのだ。
目が覚めた時にはもう、ボートは月浦湾の浜辺にうち上がっていた。ボートの上では裕一も眠っていた。起きたあとで話を聞くと、裕一もすぐに眠ってしまい、どうやってここまで帰ってきたのかさっぱり分からないそうだ。遥香はもしかしたら、お母さんが最後に力をかしてくれたんじゃないかと思っている。
起き上がって海を見ると、水平線の上からゆっくりと朝日が昇るところだった。遥香はいつもの習慣でゆっくりと目をとじ、海に向かって語りかけた。
(お母さん、おはよう。そしてありがとう…無事に月浦へ帰ってこれました)と。
「遥香」
その時、誰かが急に遥香を呼んだ。
お母さんではない。けれどお母さんと同じくらい優しげな声で。
ふり返ると、砂浜の上でお父さんが遥香に笑いかけていた。近くには梨華の姿もある。
「お父さん!梨華ちゃん!」
二人の姿を見た遥香は急に懐かしくなって、まずはお父さん、次に梨華に力いっぱい抱きついた。
あとで聞いた話だと、家で眠ることができずにいたお父さんは空がうっすら明るくなるのを待ってから、海に遥香を探しに来たらしい。するとそこにはもうボートの上で寝息をたてている遥香と裕一の姿があったので、安心して二人が起きるのを待っていたという。
そして梨華はその前の夜、キィちゃんのことで聞きたいことがあって遥香の家に電話をしていた。だけどそれはもう、遥香が出発したあとだった。お父さんは少し迷ったけど、梨華に話せるだけのことを話し、遥香は帰ってこない可能性もあることも伝えた。
前からマリンパークにいる時やメリーと一緒の時の遥香には不思議なところがあると思っていた梨華はすぐにその話を信じて、遥香が戻ってくるかどうかを強く心配していた。だからお父さんから携帯で遥香たちの無事を確認すると、彼女もすぐに月浦湾に駆けつけてくれたのだった。
今になってあの出来事を思い出すと、なんだか長い夢を見ていたような気もする。だけど決してそうじゃなかったことを証明するかのように、それからの遥香にはいくつか大きな変化が起こっていた。水嫌いが消えたことは、そのうちの一つだ。
それに、変化があったのは遥香だけではなかったらしい。
「そうだ!遥香、聞いてくれよ」
港にとまっている漁船を見て、裕一が思い出したように遥香に話しかけた。
「母さんがさ、漁師になるのを許してくれたんだ!」
「えっ!本当?」
遥香の言葉に笑ってうなずく裕一。その笑顔を見て、遥香は昔の裕一が帰ってきたようだと思った。
前はお母さんに気をつかって自分の本当の気持ちをおさえこんでいた裕一だけど、大産卵の夜の次の日から、遥香や友達にまた自分の夢を打ち明けるようになっていた。
そのきっかけになる出来事が、遥香が海の中にいる間に起こっていたらしい。ボートの上で輝くミノリイシの卵を見ていた裕一の耳にも、彼のお父さんの声が聞こてきたというのだ。詳しいことは話さなかったけど、彼はその時の会話によって、やっぱりお父さんやおじいちゃんみたいな漁師になりたいという気持ちを強くしたようだ。
「勇気を出してお願いしたらさ、母さんは何も聞かずにうなずいてくれたんだよ。これもわが家の宿命だってあきらめてくれたのかもしれない。そう思うと、申しわけない気もするけどさ…」
裕一の心境は少し複雑らしい。それでも夢への一歩を踏み出した彼の表情は、遥香の目には晴れやかに映った。
それから裕一は気分を切りかえるように、大きな水しぶきをたてて海へもぐった。
「進藤君はすごいな。自分の気持ちをちゃんとお母さんに伝えて、認めてもらうなんて」
一緒に裕一の話を聞いていた梨華が、うらやましそうに大きくため息をついた。
「今の私のお願いは、パパとママにもっと海を大事にする気持ちを持ってもらうこと。そのために、私が海の素敵なところをちゃんと伝えられるようにがんばらないと」
梨華もきれいな月浦湾をながめながら、自分の決意を力強く打ち明ける。梨華もこの町に来て、大きな目標を見つけることができたようだ。
「それじゃあ遥香ちゃん、お先に!」
そう言うと、梨華も体をくるりとひるがえして海へダイブする。
「すごいなあ。二人とも」
遥香は嬉しそうにつぶやくと、二人に続いて海の中へもぐっていった。
大産卵の夜を通して遥香に起きた変化はもう一つある。お母さんから受け継いだ力がさらに目覚めて、水の中がはっきりと見えるようになったのだ。
ひとたび海へもぐると、遥香の前には陸とはまったくちがう世界が広がる。水の流れにのってそよそよとなびくアマモの草原。日の光を浴びて大きく広がったサンゴ礁は、色とりどりのお花畑のようだ。そんなアマモやサンゴに集まっているたくさんの熱帯性の小魚たちが、海の中をますますカラフルに彩っている。
遥香ががんばって足をバタつかせながら水の中を進んでいくと、目の前に小さな丸い生き物がふっと現れる。サカサクラゲだ。
だけどちょっと変だ。サカサクラゲは海底にかさをくっつけてじっとしていることが多いのに、こうして水面の近くを泳いでいる姿はけっこう珍しい。ふわり・ふわりとかさを広げたり縮めたりするクラゲの動きは、心臓みたいに一定のリズムをきざんでいる。
しばらくぼおっとサカサクラゲを見ていた遥香は、前に元山さんから聞いた話を思い出して(もしかして)と思った。そして、そおっと指を近づけ、軽くかさに触れてみた。
サカサクラゲが驚いてかさをぱっと広げた、その直後。クラゲの体は黄色い光の粒になって海の中へと散らばっていった。
やっぱり…今のはなぜかこの海に取り残されていた、お迎え役の一匹だったようだ。大産卵のことを忘れて、この海でのんびり過ごしていたようだ。
今のサカサクラゲはこれから、お母さんのいる竜宮へと帰っていくのだろうか。遥香は青色がいっそう深く見える湾の出口のほうを向き、遠い遠い海へ思いをはせた。
(おーい、遥香あ!)
そこへすーっと近づいてくる、メリーの白いシルエット。久しぶりの再会に、遥香も元気よく手をふった。
(久しぶり!ねえメリー、お母さんは元気?)
(うん!月浦のミノリイシも無事に着いたし、すごく喜んでたよ!遥香によろしくって)
(そっかあ。ありがとう)
まわりをくるくる泳ぎながら報告するメリーに、遥香は笑顔でこたえた。
それを聞いたメリーもほほ笑むような顔で遥香を見つめると、くるりと体をひるがえして遠くへ泳いでいった。ミノリイシの大産卵が終わって、メリーも今は別のお役目を果たすために世界中の海を泳ぎまわっているのかもしれない。
(私はここで、もっとがんばらないとね)
眼下に広がるサンゴ礁を見つめて、遥香も自分の決意を確かめる。いつかまた、この海にたくさんのアヤイロミノリイシが戻ってくるように…。
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