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第十二章 運命の歯車が大きく動き出す
⑧
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若林が大河原に挨拶した。
そして後ろから車椅子姿で蓮也が現れた。
「ご無沙汰しております」
「おお、こっちだ」
大河原は加子のへやに案内してくれた。
加子はベッドで眠っていた。
「加子、蓮也くんがきてくれたぞ」
加子はゆっくりと目を覚ませた。
蓮也がゆっくりとベッドに近づいた。
「蓮也さん、大丈夫ですか」
「それは俺のセリフだ、大丈夫か」
「ちょっと疲れちゃって、情けないです」
蓮也は加子の手を握った。
「加子に会いたくてきた」
加子は微笑んだ。
「嬉しいです」
「早く元気になって、また病院に来てくれ」
「はい」
加子はか細い声で答えた。
しかし、蓮也の願いは叶わなかった。
加子は入院を余儀なくされた。
若林は加子の入院の事実を蓮也に伝えた。
「加子はまだ体調が良くないのか」
「実は大河原氏から連絡が入り、加子さんは入院することになったとのことです」
蓮也は驚きを隠せなかった。
「入院ってどう言うことだ」
「体調が戻らなくて、検査入院するとのことです」
「まさか、命にかかわることはねえよな」
「検査結果次第と思われます」
蓮也は若林の胸ぐらを掴み、苛立ちをあらわにした。
「おい、加子が死ぬわけねえだろう、迂闊なことを口にするんじゃねえ」
「申し訳ありません」
若林は頭を下げた。
加子、お前は俺をおいて行くのか?
そんなことがあってたまるか。
蓮也はリハビリに力を入れた。
俺が加子を守ると決意した。
蓮也はリハビリの甲斐あって、歩けるようになった。
そして、毎日加子の病室に足を運んだ。
「加子、俺は自分の足で歩けるようになったぞ」
「すごいですね、蓮也さんは、私は頑張れる気力がなくて……」
「じゃあ、頑張れるようにしてやる」
蓮也は加子の唇にキスを落とした。
加子は蓮也のキスを受け止めて、身体が熱ってくるのを感じた。
(ああ、蓮也さんが好き、ずっとこのまま蓮也さんと一緒にいられたらいいのに)
「加子、俺と結婚してくれ」
加子は蓮也の言葉に驚きを隠せなかった。
「俺は自分がこのまま車椅子の生活になると思い、お前に負担をかけたくないと、
俺を好きになるなって言ったが、今は俺がお前を支える、だからお前も頑張れ」
「蓮也さん」
蓮也は加子の左手に指輪をはめた。
「お前は俺の妻だ、俺だけを思い、生涯俺についてこい」
加子は涙を浮かべて頷いた。
いろいろなことが走馬灯のように脳裏を掠めた。
蓮也さんについていきたい。
加子は日に日に回復していった。
加子の退院の日が決まり、蓮也と共にマンションへ向かった。
そして蓮也と加子は朝まで身体を重ねて抱擁に酔いしれた。
「加子、愛している」
「蓮也さん、私も愛しています」
END
そして後ろから車椅子姿で蓮也が現れた。
「ご無沙汰しております」
「おお、こっちだ」
大河原は加子のへやに案内してくれた。
加子はベッドで眠っていた。
「加子、蓮也くんがきてくれたぞ」
加子はゆっくりと目を覚ませた。
蓮也がゆっくりとベッドに近づいた。
「蓮也さん、大丈夫ですか」
「それは俺のセリフだ、大丈夫か」
「ちょっと疲れちゃって、情けないです」
蓮也は加子の手を握った。
「加子に会いたくてきた」
加子は微笑んだ。
「嬉しいです」
「早く元気になって、また病院に来てくれ」
「はい」
加子はか細い声で答えた。
しかし、蓮也の願いは叶わなかった。
加子は入院を余儀なくされた。
若林は加子の入院の事実を蓮也に伝えた。
「加子はまだ体調が良くないのか」
「実は大河原氏から連絡が入り、加子さんは入院することになったとのことです」
蓮也は驚きを隠せなかった。
「入院ってどう言うことだ」
「体調が戻らなくて、検査入院するとのことです」
「まさか、命にかかわることはねえよな」
「検査結果次第と思われます」
蓮也は若林の胸ぐらを掴み、苛立ちをあらわにした。
「おい、加子が死ぬわけねえだろう、迂闊なことを口にするんじゃねえ」
「申し訳ありません」
若林は頭を下げた。
加子、お前は俺をおいて行くのか?
そんなことがあってたまるか。
蓮也はリハビリに力を入れた。
俺が加子を守ると決意した。
蓮也はリハビリの甲斐あって、歩けるようになった。
そして、毎日加子の病室に足を運んだ。
「加子、俺は自分の足で歩けるようになったぞ」
「すごいですね、蓮也さんは、私は頑張れる気力がなくて……」
「じゃあ、頑張れるようにしてやる」
蓮也は加子の唇にキスを落とした。
加子は蓮也のキスを受け止めて、身体が熱ってくるのを感じた。
(ああ、蓮也さんが好き、ずっとこのまま蓮也さんと一緒にいられたらいいのに)
「加子、俺と結婚してくれ」
加子は蓮也の言葉に驚きを隠せなかった。
「俺は自分がこのまま車椅子の生活になると思い、お前に負担をかけたくないと、
俺を好きになるなって言ったが、今は俺がお前を支える、だからお前も頑張れ」
「蓮也さん」
蓮也は加子の左手に指輪をはめた。
「お前は俺の妻だ、俺だけを思い、生涯俺についてこい」
加子は涙を浮かべて頷いた。
いろいろなことが走馬灯のように脳裏を掠めた。
蓮也さんについていきたい。
加子は日に日に回復していった。
加子の退院の日が決まり、蓮也と共にマンションへ向かった。
そして蓮也と加子は朝まで身体を重ねて抱擁に酔いしれた。
「加子、愛している」
「蓮也さん、私も愛しています」
END
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