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第十章 ニューヨークの熱い夜

引き裂かれた真の愛

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声がする方へ振り向くと、理樹さんが立っていた。

「理樹さん!」

私達はお互いに引かれるように抱き合った、そして人目も憚らずキスをした。

まるでニューヨークの街が、二人を祝福してくれているような感覚に陥った。

解決しなければいけないことは山積みだが、今は理樹さんの腕の中で、抱きしめられている幸せに浸っていたかった。

「亜紀、今度こそ、日本に戻ったら結婚しよう、俺達は許嫁なんだからな」

「でも、理樹さんには婚約者がいるんですよ」

「ごめん、愛理お嬢さんに言われて、亜紀に内緒で出かけたこと謝るよ、本当にごめん」

「本当に私でいいんでしょうか」

「当たり前だ、俺の結婚相手は亜紀だよ」

私は溢れる涙をどうすることも出来なかった。

ニューヨークの熱い夜の炎は燃え続けていた。


「亜紀、幸せになろうな」

「はい」

亜紀はコクリと頷いた。

「日本に戻らなくていいんですか」

「会社のことは、健に頼んで来たから大丈夫だよ」

「愛理さんのことは大丈夫ですか」

亜紀は俺を質問攻めにした。

これも仕方のないことだろう。

全て俺が悪いんだからな。

亜紀とニューヨークで出会った時から、今の気持ちを持ち続けていられたら、こんなに遠回りはしないで済んだんだと反省した。

真央、俺と亜紀を見守ってくれ。

しかし、それは考えが甘かったのだ。

愛理お嬢さんは言葉通り、俺を諦めなかった。

日本に戻ると、俺と愛理お嬢さんの結婚間近の報道が流れていた。

俺は健から日本の状況を知らされていた為、あえて亜紀と別の便で日本に向かっていたのだ。

案の定、空港で記者達に囲まれて、取材を受ける事になった。

亜紀との結婚をほのめかすと、亜紀が記者達に狙われる危険を考えて、愛理お嬢さんとの結婚はない事だけを伝えた。

やっとの思いでマンションに戻ったが、亜紀は健のマンションにかくまって貰う事にした。


               
























































































































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