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自分の気持ちに気づかないなんて、俺はなんて鈍感なんだ①

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俺ははじめて自分の気持ちを言葉にした。

言葉にすると、胸が熱くなる、梨花への気持ちがより一層はっきりした。

いや、はじめて出会った時から惹かれていたのかもしれない。

自分の気持ちに気づかないなんて、俺はなんて鈍感なんだ。

瑞穂はもう答えが出たと分かったようだった。

「なんでもない、丈一郎さん、梨花さんと幸せになってね」

「ああ、瑞穂もいい男見つけろよ」

俺はスマホを切った。

しかし瑞穂はこのまま引き下がることはなかった。

俺は全く気づかなかった。

次は梨花の元彼だな。

俺は三葉ホテル御曹司の三葉純一を調べた。

そして三葉ホテル本社に向かった。

社長室に通されて、三葉純一と向かい合った。

「わざわざお越しになってなんの御用でしょうか」

「体調はもう大丈夫なのか」

「はい、おかげさまで、梨花さんがくれた解熱剤とお粥のおかげで治りました」

「そうか、それはよかった」

「梨花さんはお元気にしていますでしょうか」

「梨花は入院した」




「えっ、どこが悪いんですか」

三葉は驚きの表情を見せた。

「再生不良性貧血だ」

「そうですか、僕が梨花さんを引き受けます、ますます借金が増えてしまうのは、梨花さんも大変でしょうから」

「俺は梨花を愛している、梨花も俺を愛してくれている、俺達は夫婦だからな、心配は無用だ」

「そうですか、わかりました、最上さんの口から梨花さんを愛していると言う言葉を聞かせてもらって安心しました」

俺は三葉ホテル本社を後にし、梨花の元に直行した。

「梨花、どうだ具合は」

「最上さん、今日はお休みなんですか」

「ああ、俺だって休みがないともたない」

「毎日きてくれて嬉しいです」

梨花は満面の笑みを浮かべた。

「梨花が毎日こいって言ったんだろう、おかげで休みなしだ」

「ごめんなさい、でもちゃんときてくれているから最高に幸せです」

「それなら俺の側にずっといろ、分かったか」

「はい」

梨花は日に日に回復に向かったと思われた。




俺は手術がいつもより多く入って、病院を出るときには疲れ果てていた。

仮眠をとってから梨花の病院へ向かうつもりだったが、気がつくと朝になっていた。

「やべえ、今日も梨花に会いに行けなかった」

そんなことが一週間も続いたある日、朝早く安藤から連絡が入った。

「最上、何やってるんだ」

いきなり安藤は怒鳴り声を上げた。

「怒鳴るな」

「お前、どうしてこないんだ、もう一週間だぞ」

「ああ、わかっている」

「お前な、同じ過ちを繰り返すのかよ」

「手術が立て続けにあって、マンションに戻り、仮眠をとってから梨花に会いに行こうって思って、でも気がつくと朝になっているんだ」

「梨花ちゃんへの愛情が足りないんだよ、お前は」

「お前の元にいるから安心しているんだろうな」

「俺が梨花ちゃんをもらうと言いたいが、梨花ちゃんはお前を愛してる、お前じゃなきゃ駄目なんだよ」

「分かった、今日は行くよ」
そしてスマホを切った。

俺は梨花に甘えているんだな。

「梨花ちゃん、具合はどう?」



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