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「そんなわけでおれ、考えました」
押し倒された男は、ベッドの上。カーテンの隙間から漏れる日光を見あげた。
「お前、今日どっか出かけたいっつってなかったか」
「それはまた今度。目先の問題を解決してからです」
ぴしゃりとカーテンを閉じ、
「考えれば簡単なことでした。おれに限界がくる前に恭司さんが射精すればいい、つまりおれが秒で搾り取れるような名器であれば万事解決です」
確固たる顔つきで瞬は続けた。
「そんなわけで俺、ケツトレしました」
「ケツトレ」
「はい」
そうか。と答えて服の隙間から入りこんだ恭司の手。尻を揉む不埒な手つきに喝をいれる。
「だっ、だめです! ストップ!」
「なんでだよ」
「おれが、ぜんぶやってきたんで。恭司さんはなにもしなくてい、っ」
指先が蕾に触れる。そのままくにくにと柔らかい肉縁を揉まれて、ぶるりと腰が震えた。
「んっ、っ、っ♡」
「濡れてるな。中にローション仕込んでるのか」
「そっ、です……からっ、あ、ッ──だめですってば!」
恭司の手を引っこ抜き、
「ま、前のときっ、始まる前からおれ、あんたの手で、前戯で感じてイッちゃったから、そうなるともうその時点でダメになるってわかったんで、だから、今日はぜんぶ、おれにさせてください」
必死に訴える。その顔を見つめながら、わかった、と恭司は手を下げた。ほっと息を吐き、悠々と転がる恋人を見下ろす。平然とした態度。余裕しくさったその表情が崩れるのも時間の問題だろう。
「あぁ゛ああんんッッ♡♡ いっ、イくぅ゛うう♡」
半端な位置で腰が止まり、
「あっ、っ、っ~~~♡♡ うぅ゛」
筋だった太腿がブルブルと痙攣した。大きな波が過ぎるのを待ち、このまま崩れ落ちてしまいたい気持ちをこらえて前後運動を再開する。
「っ、っ、っ」
挿入する時は、ずるりとペニスを飲みこむようになかを緩めて、
「ふっ、っ~~~~♡」
抜くときは、肉壁で絞るように、きつく締めつけながら、ひきぬい、てっ、
「ぅううう゛~~!! これっ、これだめぇっ♡」
ペニスをイかせる方法。実践してみたところで、その穴に気づいた。
「これっ、お、おれまできもちいいっ♡ 感じすぎるぅ゛っ♡」
「だろうな」
「あうぅ……!」
そして肝心の恭司の反応といえば。ちんこはビキビキであったが、
「……恭司さん、イけそう?」
腰を掴まれる。身構える間もなく、先程の倍に近いスピードに突きあげられた。
「っっひ!!?♡♡」
「これくらい早くできるか?」
「くっ、口で言ってください……!」
ちんこで返事すんな。ぜえぜえと喘ぎ交じりに訴えながら、彼の胸元にへたりこむ。むりだ。おれにあの速度はだせない。
「ならピストンはおれがするから。お前はさっきの動きに集中すればいいんじゃないか」
なるほど、と頷き、瞬は姿勢を正した。
「あっ♡ んっ、うん、あっ……♡」
突きあげてくる熱を、アナルを開いて受け入れる。抜かれるときには締めつけて、彼のうごきに合わせてアナルを蠢かす。最初のうちはよかったが、徐々に加速していく律動に追いつかなくなっていく。
「あ゛っ、だっ、だめっ、はやいっ♡♡ イ゛くっ♡ あっ、いっ、イっちゃいますっ♡♡ だめっ……イったら、ちゃんと、できなくなる、っ、んんん゛……ッ!!」
彼の上で背を反らせて達する。浮きかけた腰をぐっと下方に押さえつけられ、恭司の突きは続けられる。
「あ゛あぁあっ♡♡!? ま、まって、まってください゛っ、いっ、今イ゛ッ、て、ぁあんっ♡ おっ、おれもうできてないっ♡ できてないですからっ♡♡ ふつーにピストンしないでっ♡♡ やぁああ゛っ、あ゛───!! だめっだめぇっ、またくるっ、っひ」
ガクンッッと勃起を締めつけながらイく。視界に閃光が散るような連続絶頂に、目尻からポロッと涙がこぼれた。
「……っご、ごめんなさいッストップ!!」
──失敗。
「そもそもの、前提をひっくり返しましょう」
スチャッと伊達眼鏡を指先で押しあげ、
「おれが、恭司さんに入れる」
どうですか、と彼を向く。
「おれのケツオナの日々は無駄になりますが、案外これが一番手っ取り早くシンプルな気がします」
「お前、ケツ開発した弊害で前じゃイけなくなったっつってなかったか」
「イけますよ。後ろ弄られながらなら」
「どういう状態でセックスする気だよ」
──却下。
「つまり、おれがイかなきゃいいんですよね」
コックリング片手に迫りくる恋人を前に、恭司はどこか遠い目をした。
「そんなもんどこで買ってくるんだ」
「恭司さんは知らなくていいです。さあベッドへ」
行きましょう、と引きずり込んだ先で、
「あ゛ッッ、あぁああ゛、ドライアクメ゛苦しいっ~~♡♡」
精液を塞がれた末の連続ドライオーガズムに悶絶していた。
「やだっ、やっ、いくいくっ、イ゛っ、っ~~~~ぅうう゛、だしたいっ、もうだしたいっ、射精せずにイくのやだぁ゛あっ♡♡ おかしくなるぅっ♡♡」
根を絞られ充血したペニス。苦悶の快楽にいつも以上に乱れる瞬を見下ろしながら、恭司はポツリと零した。
「まあ、そうなるだろうな」
「気づいてたなら言ってくださいよ!」
──失敗。
「じゃあハイッ! 直前までフェラ! 射精直前に挿入でフィニッシュ!」
なにか言おうと、口を開きかけた恭司のズボンをパンツごと下ろして黙らせた。
「んっ……」
フェラのハウツーも叩きこんだ。舌を使い喉を使い頬肉を酷使する。
「……は」
ちらりと見上げる。セックス中は見る余裕もなかった、彼の表情。紅潮の透ける頬。僅かにゆがむ眉根。唇から漏れる吐息に、ドキドキと胸が高鳴った。
「……っ、ん」
耳を撫でるやさしい手。その甘い快感に浸るように目を閉じて、脈打つ勃起に舌を這わす。これはこれでいいかもしれない、と浸りかけたところで肩を押された。
「……もういい」
発情の滲む雄の表情に、これはもうイける、のいいじゃなく、もう入れたい、のいいだと直感的に悟った。きゅんと秘部がうずくも、これまでの失敗を邂逅し目先の欲を振り払う。
「も、もうすこし、ほんとに、直前まで……」
喉奥まで咥えこみ、裏筋を舌でなぞり、吸いあげる。そうして更に昂らせ、まさに射精直前というところまで追いこんでから、
「よしっ、今です! はいっどうぞ!」
挿入した。瞬の計ったタイミングは完璧で、三擦り半で恭司はなかに吐き出した。
「……」
「……」
「……これって、セックスっていえるとおもいます?」
ぽん、と頭を撫でられた。どういう意味だ。
──審議不明。両者満足感無。
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